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ドラゴンの伝説

WISHは今グリシアという港町に向かっている。理由は物資の調達だ。

「お前達だとまた私用で買いそうだから今回はみんなで行くぞ。」

日比野に言われて前回調達班だった佐古水達は了承した。しばらくしてグリシアが見えてくるとグリシアが倒壊していたのだ。

「何があったんだ!?」

「分からねぇがとにかく、行ってみるぞ。」

タイタンホークを海に着水させると小型船でグリシアに向かった。

グリシアには日比野、佐古水、郷田、橘、姫樹、中島先生、新庄、アリスが小型船で向かい、その上をウルトラレックスとキュアリアスが飛んでいた。

グリシアの港に近づいてみるとそこには戦艦が佇んでいた。しかし、よく見ると所々壊れていて何かと戦った跡があった。

「何これ、デカい。」

キュアリアスが驚きながら見ていると港の方から男達が近づいてきた。

「もしかして、あなた達はWISHですか?」

「あ、はい。」

小型船から出た日比野が質問に答えた。すると、男達は大喜びし始めた。

「本物だ!」

「テレビで見ました!」

「ってことはそちらの二人が。」

「え、あ、ウルトラレックスって言います。」

「キュアリアスです。」

「おぉ!」

大喜びで歓迎している男達に日比野達は照れくさそうにしていた。

「なんか有名人ってこんな感じなのかな?」

「あぁ、そうだ。テレビで活躍くればこれぐらいは普通にくるぞ。」

「さすが、優勝経験のある元F-1レーサー。慣れている。」

新庄が日比野達を連れていると戦艦の近くに一人の少女がいた。その少女は軍服を着ていて銀色のミドルヘアーが綺麗だった。

その少女がこちらに向かってきた。その少女は━━━

「はじめまして、皇凰院豪毅です!」

とても男らしい名前だった。

「・・・」

日比野達は驚いている。そう、少女じゃなく少年だったのだ。日比野達が驚いている中、姫樹は小さくガッツポーズをしていた。


「僕も皆さんと出会えて嬉しいです!」

皇凰院は日比野と握手している。日比野は少し照れくさそうだった。

「え~と、君も異世界転移者なのかい?」

「はい!僕は日本防衛高等学校海軍部整備科所属2年の三等海尉です。」

「日本防衛高等学校?」

「あれ、もしかして日比野さん達の日本にはありませんか?」

「聞いたことない。」

日比野が?を浮かべていると新庄が説明を始めた。

「おそらく転移した日本が違うのだろう。俺も日本防衛高等学校なんて聞いたことないからな。」

「やっぱり僕がいた日本だけですか。」

新庄の説明に皇凰院は苦笑いをしていた。そして、日比野達は本題に入った。

「この街の惨状はまさか怪獣ですか?」

「いや、ドラゴンだ。」

「ドラゴン?」

初めて聞くドラゴンに日比野達は何なのかわかっていなかった。

「ドラゴンって久々にファンタジーを聞いたわ。」

「そのドラゴンはここから北西にあるルージュ山脈には昔から紅いドラゴンが住んでいる伝説があるんです。先日、そのドラゴンがいきなりこの街を襲ってきたのです。」

男から聞いたドラゴンは典型的なファンタジーに出てくるドラゴンの姿だった。

話を聞いた日比野達はすぐにタイタンホークに連絡した。


「まさか、ドラゴンが出てくるとは。」

港に来た飛鳥崎達もドラゴンと聞いて驚いていた。

「ドラゴンは伝説になるほど長命、賢明、希少な種族だ。そのドラゴンが何の理由も無しに街を襲うか?」

ベルッドが考えていると再び皇凰院がやってきた。彼を見た空咲達は彼の美しさに目が離せずにいた。

「御待たせしました!皆さんを案内します!」

「案内?」

「あぁ、ドラゴンが暴れた場所を忙しい住民に代わって案内してくれるってさ。」

早速、皇凰院は日比野達を現場に案内した。現場は散々たる物だった。家は潰れ、草木は焼け、地面は抉れていた。

「これはひどい。」

「はい。僕達が駆けつけた時にはドラゴンの姿はなくこの有り様でした。」

皇凰院は寂しそうに現場を見ていた。すると、彼を心配した郷田が皇凰院に聞いていた。

「そういえば、皇凰院さんって一人で異世界に来たんですか?」

郷田の質問を聞いた皇凰院はさらに顔を曇らせてしまった。

「おい郷田!何してんだ!?」

「いや、俺は心配して聞いただけだから。」

郷田がなんとか慰めようとすると皇凰院はゆっくりと話し始めた。

「実は、僕のクラスメートは、皆死にました。」

「え?」

「学校の演習中にいきなり濃い霧が発生して気づいたら知らない場所にいました。」

「濃い霧で異世界転移?」

「おかしくはない。実際、俺は急な雷雨、風間は地面がいきなり光り出して異世界転移したからな。」

日比野が不思議に思っていると新庄が説明した。

「それからしばらくは艦上で暮らしていましたけど2回目の霧が出た瞬間、怖い声が響いてきて。」

皇凰院は話ながら震え出した。日比野達が話を止めに入った。

「わかった!大丈夫だから!もう言わないでいいから!」

「ごめん!変なこと聞いてしまった!」

「ねぇ!それでそのドラゴンってどこにいるの!?」

「え、えーと確かルージュ山脈に戻って行ったと言ってましたよ。」

「じゃあ今すぐ行こう!案内してくれない!?」

「え、はい。分かりました。」

日比野は皇凰院を連れてタイタンホークに乗りルージュ山脈へ向かうのだった。

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