新たな翼
現在、ウルトラレックス達はシグナルベースの発着場にいた。そこにはイスルギやエスラーはもちろん、スコット達もいた。みんな綺麗に列を作って並んでいる。すると、ウルトラレックス達の前にエドワード王子にシグマ市長、レーテリウスがやってきた。
「みんなのおかげでシグナルベースもタイタンホークも修理が完了した。これでギガヒュドラとまた戦うことができる。私達を助けてくれたゴールディアの人達がいるミリカトの森はNo.11と名乗るゴルゴドゥーザという怪獣の襲撃を受けたばかりなのにまた戦場にしてしまうことになり申し訳ない。しかし、約束する。次は怪獣、ギガヒュドラを倒すと。そのためにみんなの力を貸して欲しい!」
レーテリウスの演説が終わると今度はエドワード王子が演説を始めた。
「みんなもわかったいると思うけどギガヒュドラはエリアルシティを含め数多くの都市を壊滅させてきた凶悪な怪獣です。もちろん、怖いと思います。しかし、ただ逃げるだけでは駄目です!私達が一丸となって凶悪な怪獣を討ち倒しましょう!私達が全力で市民はもちろん、共に戦う仲間も守ってみせます!」
こうして演説が終わるとウルトラレックス達はタイタンホークに戻って行った。
タイタンホークに戻ると新庄が厳しい現実を伝えてきた。
「今回のエリアルシティ襲撃で193人が死亡、行方不明者は500人を超えると言われている。はっきり言って次の戦いも誰も死なないなんて理想は捨てた方がいい。」
その言葉に日比野が反応しかえしてきた。
「いきなり何を言っているんですか?」
「お前達がここに来たばっかりの俺と同じ目をしてたからな。誰も死なないという理想を追及していた俺と。だから、立ち止まるなよ。例え誰が死んでもな。」
新庄の言葉は重くみんなにのしかかってきた。すると、ウルトラレックスがゆっくりと口を開け話し始めた。
「確かにそうかもしれません。現実は思い通りにいかない厳しいものです。でも、僕は昔見たみんなを救うヒーローになりたい。そのためにこの力を使いたい。」
「レックス。」
「そうか。」
ウルトラレックスが言い終わった瞬間、警報が鳴り響いた。
「なんだ!?」
「ここから北東10㎞先に高エネルギー反応。ギガヒュドラです!」
ミリカトの森に入ったギガヒュドラはまずエリアルシティ襲撃の時のようにゴールディアに向けて全ての首から光線を発射したのだ。
「さぁ、開戦だ。」
「ガハハハハハ!皆殺しだぁ!」
「・・・」
ギガヒュドラは光線を放ち終えると再び侵攻を始めた。光線はエルフ達が張った結界に命中し結界は破壊されたがゴールディアは無事だった。
「出撃しろ!」
「ヘブン、出撃します!」
シグナルベースからヘブン部隊が出撃すると早速、ギガヒュドラに向けて攻撃を開始した。
「新庄さん!」
「わかってる!」
新庄はタイタンホークを動かしてギガヒュドラに大型魔導ビームキャノン砲で攻撃した。
「効かぬ!」
「無駄です。」
「・・・」
ギガヒュドラは腕から魔法を放ってヘブン部隊を蹴散らしていた。すると、新庄はタイタンホークからコスモスが出撃するのを確認すると隣にいる郷田の肩を叩いた。
「よし、郷田。操縦は任せた。」
「え!新庄さんは!?」
「俺はラプターで行く。」
そう言うと新庄はオペレーションルームを出て行った。郷田はすぐに操縦席に座って操縦を始めた。
「仕方ねぇ!やってやる!」
郷田はタイタンホークを操縦して大型ミサイルを一気に発射した。大型ミサイルは見事ギガヒュドラに命中した。しかし、ギガヒュドラには効かず、ギガヒュドラは各種魔法でタイタンホークを攻撃した。
「ヤバい!」
郷田はなんとか攻撃を避けた。すると、タイタンホークのハッチからラプターが出撃した。ラプターは巧みなアクロバティックを見せながらミサイルをギガヒュドラに当てた。
「小癪な!」
ギガヒュドラは魔法や光線を使って攻撃するが新庄はそれらを全て避けきった。
「そろそろ出番だぜ、特別遊撃隊長達。」
新庄がボソッと呟くとギガヒュドラの真ん中の首にウルトラレックスとキュアリアスが同時に光線を当てた。
大爆発を起こしたが煙が晴れるとやはり無傷の首があった。
「やっと来たか。例の怪獣。」
「破壊、殺戮、滅亡。」
「・・・」
ギガヒュドラは手始めにレーザーでウルトラレックスを攻撃した。ウルトラレックスはそれを避けるとカッター状の光線で反撃した。しかし、全く効いておらず首の一つが毒光線を放ってきた。
「ここは任せて!」
すると、キュアリアスが前に出て大きなバリアを張った。光線がバリアに当たると忽ち光線は消えていった。
「なんだ?」
「これは光と風の魔法を組み合わせた浄化バリアよ!これであんたの攻撃の一つは封じたわ!」
「嘗めやがってぇ!」
「まだ一つです。問題ありません。」
そう言って首の一つが光球をキュアリアスに向けて放った。キュアリアスはそれを避けるが光球は軌道を変え追ってくる。
「キュアリアス、気をつけろ!それ追ってくるぞ!」
「!」
キュアリアスが振り向くと光球はこっちに向かってきた。キュアリアスはとっさにバリアで防いだ。
その間、ウルトラレックスは冷凍光線や雷から避けながら攻撃していた。しかし、どの攻撃も効いている様子はない。
「今までと違って当たっても効いてない。」
「当たり前だ。お前らの攻撃なんぞ、蚊以下だ!」
「死ね、死ね、死ね、死ねぇ!」
ギガヒュドラはさらに攻撃を激化させて襲ってきた。ウルトラレックスが防戦一方になった時、1機のストレイザーが隣を通った。
そのストレイザーは全長が20mを越える大きな戦闘機型で翼には炎が描かれていた。
「あれは・・・」
ウルトラレックスが見ているとそのストレイザーから声がした。その声は舞沢からだった。
「驚いた?これが私の新しい翼、ジオフェニックスよ!」
真っ赤なストレイザー、ジオフェニックスは高らかに飛んで現れた。