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再戦に向けて

マルチワールド

そこの例の場所にギガヒュドラが来るとそこにはスパンダーがいた。

「なんだ、お前だけか?」

「あぁ、少し面倒事があってな。」

「面倒事?」

「あぁ、ゴルゴドゥーザがコレクションしてた人間達が元に戻って暴れ出した。」

「ってことはあいつ死んだか!?」

「おそらく。」

スパンダーの報告を聞いたギガヒュドラの首の一つが笑い出した。

「やったぜ!」

「これで賭けは俺の勝ちだな。」

「ざまぁねぇな!」

「・・・」

ギガヒュドラの首達が笑っているとスパンダーがギガヒュドラに聞いてきた。

「ギガヒュドラ、手に持ってんのはなんだ?」

「ん?あぁ、いい機会だから持ってきた。」

そう言うとギガヒュドラは手を拡げた。そこにいたのは気絶しているレイティだった。

「スパンダー、丁度いいからこいつを怪獣にする実験してみろ。」

「やってみよう。」

スパンダーはそう言ってギガヒュドラからレイティを受け取った。そして、ギガヒュドラが去っていくとスパンダーもその場を出て行った。

スパンダーが出るとそこにはグランドファングとアレクサンドルガとアルギラがいた。

「どうだ?」

「いい、とは言えないな。あれから怪獣化した転移者は全員自我を失ってる。」

「そうか。また不調か。」

スパンダーはそのまま進んでいると3体はその後ろをついて行った。

「グランドファングは引き続き怪獣化した転移者や野生の怪獣の勧誘、アレクサンドルガはこの女を牢に、アルギラはあいつらの情報収集を続けてくれ。」

「「了解。」」

「分かりました。」

スパンダーの命令が下るとすぐに3体は消えて行った。

一方、マルチワールドを出ようとしているギガヒュドラはまだ笑っていた。

「さっきは逃がしたが次はねぇぜ。」

「・・・破壊。」

「例の怪獣まとめて破壊だ!」

「破壊、殺戮、滅亡。」

「さぁ、楽しもうか。」

ギガヒュドラは笑いながらマルチワールドを出て行った。



現在、ミリカトの森、ゴールディアでは警戒態勢が敷かれていた。ゴールディアの近くの森にタイタンホークとシグナルベースを停めて修復作業が行われている。

ウルトラレックス達は今、タイタンホークのオペレーションルームにいる。

「そっちも大変だったな。まさか、ナンバーズが同時に攻撃を仕掛けていたとは。」

艦長席に座っている日比野が疲れた表情で報告を聞いていた。その隣にいた佐古水も少し顔色が悪かった。

「大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だ。」

「大丈夫なわけないでしょ。」

エメラナが心配していると風間が佐古水の熱を計った。

「やっぱり、熱がある。あなたねぇ、さっきまで風と土の魔法でタイタンホークの着陸を手伝った後、すぐに水魔法で消火活動してたら魔力がなくなって当然。その影響から熱が出てんのよ。今は休みなさい。」

「そうなのか。だったら今は休め、佐古水。後は俺達がなんとかする。」

「・・・そうか。」

佐古水は風間に連れられ、オペレーションルームから退室した。すると、オペレーションルームにエルシアナが佐古水達と入れ替わりで入ってきた。彼女を見た日比野達は彼女の美貌に言葉を失っていた。すると、エルシアナはスカートを持ち上げて自己紹介を始めた。

「はじめまして、私はエルシアナ・オブライエン。この度、索敵担当のオペレーターとしてWISHに入隊することになりました。よろしくお願いします。」

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします。」

日比野はエルシアナに頭を下げていた。その様子を郷田が満足そうに見ていた。

「さてと、これからどうするか。」

「おそらく、近いうちにギガヒュドラはここに来るだろう。その前にスコットさん達が避難民のみんなを安全な場所に移動させてくれている。」

「あぁ、俺達は一刻も早くタイタンホークを修理して戦いに備えることだ。」

日比野達が会議しているとモニターに一人のエルフが映った。今、シグナルベースにいるレーテリウスからだった。

「話は聞いた。こちらでは現在、シグナルベースの修理と平行してそちらのストレイザーの修理も行っている。そっちの方はもうすぐで終わるから回収に来てくれ。」

「分かりました。」

レーテリウスからの報告を受けた中島先生がオペレーションルームから退室した。その様子を舞沢は黙って見ていた。

「とりあえず、今日はここまでだ。みんな、今日は一休みしてくれ。」

そう言って会議は終わった。


タイタンホークの格納庫にシグマがいた。彼は何も無い空間をただ見上げていた。すると、後ろから舞沢がやってきた。

「寂しくないですか?」

「ん?」

「私はジオイーグルを失ってまだ立ち直れない。シグマさんはストレイザーを失って寂しくありませんか?」

舞沢の問いかけにシグマは上を見たまま答えた。

「もちろん寂しいよ。」

舞沢はシグマを見たまま何も言わなかった。シグマはそのまま話を続けた。

「ハンターエックスは長年共に戦った相棒だからねぇ。でもあの子は三代目なんだ。」

「え・・・」

「初めてハンターエックスを失った時はわんわん泣いたよ。いい年した大人がね。それほどあの子が大切だった。でも時には非情にならないといけない。あの子を棄てないといけない時もあった。そんな時を乗り越えたからこそ例えいなかったとしても私は忘れることはない。君もそうだろう?」

シグマの問いかけに舞沢は寂しそうな顔で頷いた。

「うん。初めて、ジオイーグルを手にして嬉しかった。今まで思い入れのある物なんてなかった。執着なんてなかったから。」

そう言って舞沢は自分の胸に手を当てた。

「でも初めて失ってから私の中にぽっかりと穴が空いた。ジオイーグルが死んだのは私のせいだから。だから新しいストレイザーが選べなかった。またあんな思いをするから。」

「羨ましいですな。それほどまで思われているなんて。ジオイーグルは幸せ者ですな。」

シグマが嬉しそうに話ながらこっちを向いた。その時の顔は舞沢と同じようにどこか寂しそうな顔だった。

「ならば、ジオイーグルを忘れないことだ。例え、どれだけ失っても思い出が失われることはない。君の思うがままに進むといい。」

そう言ってシグマはニッコリと笑った。舞沢は胸に手を当てたまま手を握り締めた。そして、前を向いて走り出した。

「ありがとうございます!」

「いえいえ。」

シグマは手を振って答えた。



シグナルベース内ストレイザー開発ブース

「なんとか修理は終わった。それとマジックバーニアを残ってたうちのと交換した。これで滞空時間が従来の約1.5倍になった。あとは君の腕次第だ。」

「ありがとうございます!」

中島先生がイスルギにお礼を言っていた。すると、そこに息を切らせた舞沢がやってきた。

「ん?どうした?」

「お願いがあります!」



シグナルベース内Gパワードスーツ開発ブース

「大丈夫ですか?」

「あぁ、問題無い。治療魔法でなんとか聴力も戻ってるしな。」

小石川とテンシンが話合っていた。その近くで南が寝転んでいた。すると、そこにエスラーがやってきた。

「何してる?」

「私って戦い向きじゃにゃいにゃ~って。」

「確かにお前のGパワードスーツは隠密や暗殺向きの奴であんなデカい奴には不得手だな。」

「そこまでハッキリ言わなくても。」

「だからなんだ?お前の活躍の場所がここじゃなかったってだけだろ?だったら活躍できる場所を自分で探せ。」

そう言ってエスラーはテンシンのところに行こうとした。すると、立ち止まってこっちを見た。

「忘れてた。お前のGパワードスーツな、さっき改良しておいた。」

「えっ!?」

「火力はないがその分、隠密に特化させたり武装を増やしたりした。これで確認するんだな。」

そう言ってエスラーは資料を南に渡して行ってしまった。南はその資料を言われた通りに見た。

「こ、これは!」



ミリカトの森の手前にある山岳地帯

「まったく、この近くにゲートを設置して欲しかったぜ。」

「・・・」

「随分と歩いた。」

「こんな時にイリュテラスの異次元移動が出来たら楽なのによぉ。」

「・・・面倒。」

「そろそろだ。そろそろあの怪獣を破壊できる。」

「破壊、殺戮、虐殺、抹殺、壊滅。」

「もうすぐでゴルゴドゥーザが殺られたゴールディアに到着ですねぇ。」

「ははぁ!さっさと行ってさっさと皆殺しだぁ!」

「待っていろ。今度こそ全て破壊する。」

ギガヒュドラは今、ミリカトの森に侵攻しようとしていた。接触まであと1時間。

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