破壊の化身
シグナルベース内Gパワードスーツ開発ブース
小石川がテンシンに指差して叫んだ瞬間、警報が鳴った。
「な、なんですの!?」
「襲撃だ!勝負は後だ!出撃するぞ!」
そう言うとテンシンはすぐに外に向かった。
「俺達も行くぞ!」
「はい!」
それに続いて姫樹達も外に向かった。
警報はもちろん、ストレイザー開発ブースにいた舞沢達にも聞こえていた。
「何、これ!?」
「怪獣が現れたんだ。お前ら、急げ!準備でき次第、すぐに出撃するぞ!」
「了解!」
イスルギの命名でクルー達は急いで整備を進めた。
「私達も行きましょう、舞沢さん!」
「はい!」
中島先生は急いでコスモスに乗り込んだ。舞沢は資料の見ながらあるストレイザーに向かって行った。
シグナルベースの屋上滑走路
「こっちです!急いで避難してください!」
日比野達はシグナルベースのクルー達と一緒に避難勧告していた。
「今、避難状況はどうなっている!?」
「はい!約25%の市民が緊急避難艇で避難済みです!」
「足りないぞ!」
「さっきの攻撃でかなりの避難艇が破壊されました。」
「だったらシグナルベースにも市民を避難させるぞ!」
「了解!」
日比野達が避難勧告していると新庄から通信が入ってきた。
「リーダー!タイタンホークにも出来る限りの市民を避難させる!もちろん、許可してくれるよな?」
「もちろんだ!頼みます、新庄さん!」
「了解!」
新庄からの通信がきれると日比野はエドワード王子達にも避難するようにと言った。
「大丈夫ですよ。」
「しかし!」
日比野が言おうとするとエドワード王子は右手にはめているブレスレットに魔力を送った。
「GP ON!」
すると、エドワード王子の体が光に包まれ、全身に青いGパワードスーツが装着された。
「エドワードさんって魔導機士だったんですか!?」
「あぁ、私がこの国の王子になったのは何も血筋だけじゃない。国民を守る強さを持っているからだ。」
そう言って大きい剣を持って飛びたった。
「わしも行こう。」
すると、今度はシグマが右手と頭に機械を装着した。
「シグマさん、それは?」
「ストレイザーやGパワードスーツの開発が盛んな街の市長が何もできないわけないだろ。ここはWISHの皆さんばかりに任せるわけにはいかないのでね。わしも出撃する。GO、ハンターエックス!」
シグマが叫んで右手の機械を操作するとエリアルシティの中心の城からX状の翼を持った戦闘機が発進していった。
先に出ていたGパワードスーツ隊は攻撃された方向を見ていた。
「どこにいるんでしょうか?」
小石川が辺りを見渡しているとテンシンは大きなスナイパーライフルで一点を見ていた。
「いたぜ、怪獣。かなりでけぇな。」
テンシンがスコープで見ているといきなりスコープがレーザーで撃ち抜かれた。
「テンシンさん!」
「大丈夫だ!耳を持っていかれただけだ!」
テンシンはとっさに顔を反らしたおかげで致命傷にならずに済んだのだ。
「しかし、あの巨体で精密射撃ができるとは。奴さん、かなりヤバいぜ。」
テンシンが汗を流しながら話しているとGパワードスーツ隊に連絡が入ってきた。
「皆さん、怪獣の情報が入ってきました。」
連絡と共にGパワードスーツ隊のモニターに怪獣が写し出された。怪獣は大きさは80mは超えていてた体表は赤く背中には翼のような形状の巨大な突起物があり、首が9つ、腕が4つもあった。そのうちの一つがテンシンに向けてレーザーを発射したのだ。
「なんですか、これ!?」
「いくらなんでもデカ過ぎだろ!」
「この怪獣の名前はギガヒュドラ。約1ヶ月前にもクラークシードの街、アサルティアを壊滅させた破壊の化身です。」
「破壊の・・・化身。」
姫樹達がギガヒュドラの情報を見ているとヘブンの編隊がやってきた。その中にはコスモスの姿もあった。
「先生!」
「姫樹君、今回の怪獣は今までと違って小細工無しのパワーで暴れるタイプの怪獣みたい。これなら多分、大丈夫だと思うわ。」
中島先生はなんとか姫樹達を励まそうとしていた。そこに、青いGパワードスーツを装着したエドワード王子がやってきた。
「待ってください。今回の怪獣はいくつもの街を滅ぼしてきた凶悪な怪獣です。決して油断しないように。しかし、この街を滅ぼさせるわけにはいかない。みんな、全力で怪獣を撃滅するぞ!」
「了解!」
エドワード王子に発破をかけられ、みんなは一斉に攻撃を始めた。
ギガヒュドラは笑いながら進撃している。
「ちょうどいい。邪魔な施設の破壊も兼ねて例の怪獣を抹殺しようか。」
「さぁ、どっちにいるかなぁ!」
「こっちにいて欲しいねぇ。」
「・・・潰す。」
各々の首が笑いながら喋り始めた。
エリアルシティ壊滅まであと1時間。