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戻る平和、始まる戦争

イリュテラスを倒したウルトラレックス達。しかし、異次元の中でどうやって脱出するか悩んでいた。

とりあえず、ウルトラレックスと日比野はキュアリアス達を拘束から解放した。解放されると舞沢は真っ先に顔を赤らめながらスカートを履いた。その様子を見ないようにウルトラレックスと日比野は目を瞑り後ろを向いた。

「どうする?あいつを倒したのはいいが、どうやって脱出する?」

「とりあえず、ここに居ても仕方ない。周りを見てみよう。」

日比野の提案を受け入れたウルトラレックス達は動けない者達や気絶している怪獣を連れて異次元の中をさまよっていた。

しかし、急にジオラマみたいな空間が崩れ、歪んだ空間になってしまったことで方向すら分からなくなってしまった。

「まずいな。完全に迷子だ。」

日比野達が歩きながら周りを見ると、前の方に何かが落ちていた。それは、異次元に入る前に郷田が投げたドローンだった。

「これって郷田のドローン!ってことはこの辺りがあの病院のところなのか!?」

「しかし、どうやって出るんだ?」

橘が周りを見ると小石川がイリュテラスの腕を持っていた。

「何持っているんだ、小石川?」

「腕ですわ。」

「腕ですわっじゃないだろ!?なんでそんな気持ち悪い物持って来たんだ!」

「いえ、何かに使えるかなぁと。」

「何かって何にだ。」

橘が呆れていると舞沢が思い出したかのように喋り始めた。

「そういえば、あいつがここを出る時に手を翳していたけどもしかしたらそれでどこか開くんじゃない?」

「こうですか?」

小石川が腕を前に出した瞬間、掌の目玉を見てしまった舞沢が急に暴れ出した。

「待って!落ち着いて、舞沢さん!」

「小石川、それ下ろせ!」

「は、はい!」

なんとか舞沢を眠らしたウルトラレックスはホッとし、小石川は申し訳なさそうに頭を下げた。

「まさか、腕だけになっても効果があるとは。」

「これでここを出れる可能性は高くなったな。」

日比野達は腕の目玉を見ないようにして腕を翳した。しかし、何も起きなかった。

「あれ、違うのかな?」

「レックス、やってみて。」

「う、うん。」

起きた舞沢に言われてウルトラレックスが腕を翳すと目の前の空間が割れ、ワンダーマリンの病院の前に出た。

「凄い!」

「でもなんで!?」

「怪獣が持つと発動するとか?」

「なるほど。」

ウルトラレックス達が外に出ようとするとライフルを構えた兵士や佐古水達がいた。

「え、あ。わ~!待って、待って!」

「夢宮、みんな無事だったのか!」

ウルトラレックス達が外に出るとみんなが駆け寄ってきた。その後、空間の割れ目が徐々に小さくなっていき、全員が出る頃には消えてしまった。

それから、ウルトラレックス達の看護や拐われた女性達の救助、持ってきたイリュテラスの腕の研究などが行われ、落ち着いたのは数日後だった。

そして、事件は終息してワンダーマリンには平和が戻ってきた。後でわかったことだが、イリュテラスはこれまでに多くの女性を誘拐、実験と称しての虐殺を繰り返していたらしい。

「ありがとう。君達にはいくら感謝してもしきれないほどの恩ができてしまったな。」

「いえ。」

鬼の女性はディルナと自己紹介した。そして、自分は今回の事件の調査の途中で誘拐されたと言っていた。

ワンダーマリンが平和になってから数日後、WISHはワンダーマリンを出発することになった。

「え、ルルナさんはここに残るんですか!?」

「そうよ。私の仕事はここを守ることだから。」

「そんなぁ。」

膝を着いてがっかりする郷田を日比野達はタイタンホークに連れて行った。

「ベルットさんは寂しくないんですか?」

「また、会えるからな。全然、寂しくない。」

そう言ってベルットはルルナとキスをした。その様子を見ていたウルトラレックス達は赤面していた。

「ねぇ、エルフに会いたいならミリカトの森に行くといいわ。あそこはエルフの里があるからね。私もそこの出身よ。」

ルルナがそう言った途端、郷田がルルナのところにやってきた。

「ありがとうございます!」

「いつの間に!」

「よし、次の目標はミリカトの森!」

「いや、お前の勝手でいけるか。」

日比野が戻って郷田をまた連れて帰ろうとするとベルットが止めた。

「俺もそこに行くのは賛成だ。」

「え!?」

「ナイス、ベルットさん!」

「なんで?」

「まさか、浮気!?」

「そんなわけねぇだろ!ミリカトの森のエルフ達は索敵や魔法を使っての修復が得意だからな。ウチに入ってもらった方がいいだろ。」

「わ、分かりました。」

日比野がベルットの案にのると後ろから舞沢がやってきた。

「ねぇ、私のストレイザーはどうなるの?」

「あ、どうしよう。」

「なら、エリアルシティはどうじゃ。」

すると、やってきたデライズが提案してきた。

「エリアルシティは最先端の技術が多くあってな、そこには優秀な技術者がいっぱいおる。そこなら今までより強いストレイザーも作れるだろう。」

「分かりました。ありがとうございます。」

こうして、ミリカトの森にスカウトしに行く班とストレイザーの修理、新調する班に別れて出発した。



一方その頃、マルチワールド

以前、クイーンステラやスパンダー、ジャギュラがいた場所にある怪獣が現れた。その怪獣は岩のようにゴツゴツとした体表、がっしりとした手足、そして胸には怪獣みたいな顔がついていた。

「何の用だ。」

怪獣が喋っていると上に長い首の怪獣が現れた。

「どうやらNo.12が殺られたらしい。」

その怪獣の全貌が明らかになった。大きさは80mは超えていてた体表は赤く背中には翼のような形状の巨大な突起物があり、首が9つ、腕が4つもあった。

「ざまぁねぇな、あの変態実験怪獣!」

「無様。」

怪獣の首達が各々、好き放題言っている。最初に来た怪獣もイリュテラスの敗北を気にする様子はなかった。

すると、最初の声とは違う声がした。

「そうだ。イリュテラスが殺られた。倒したのはWISHと呼ばれる新設組織、そこに属する怪獣だ。そして、その怪獣はスパンダーが勧誘に失敗した怪獣だ。」

声の主がそう言うと怪獣達は笑い始めた。

「あぁ、あいつか!No.12が意気揚々とモルモットにすると言っていた怪獣!」

「なるほど。今度はそいつを俺達が破壊すると。」

「いや、私のコレクションに加えよう。」

「ならば、どっちが先にその怪獣の息の根を止めるか賭けよう。」

「あぁ、賭けに勝てばその怪獣を好きにできるということだな。」

「それもいいだろう。行け。ゴルゴドゥーザ、ギガヒュドラ。」

命名された怪獣はそのまま消えていった。

「さぁ、戦争の始まりだ。」

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