表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/314

失踪する仲間達

ワンダーマリンに向かう途中のタイタンホーク

オペレーションルームではみんなを集めた日比野が不機嫌そうな顔をしていた。

「そういえば、これが落ちてあったがなんだ?」

日比野がある物をみんなに見せていた。それは、マニキュアだった。

「あ、それわたくしのですわ。」

すると、小石川が手を上げた。

「とりあえず、調達班の買い物リストを見せてくれ。」

「え!?」

挙動不審な態度をとる調達班だった礼崎達。日比野が買い物のレシートを見た瞬間、呆れていた。

「まず、マニキュアに化粧品。これは小石川だな。」

「は、はい。元の世界では売られていない物でしたのでつい。」

「問題は高過ぎるだろ!なんで高価な物ばっかり買っているんだ!?おかげで今は金欠だぞ!」

「?」

「そういえば、小石川って家がお金持ちだからそういうのに疎いのね。」

空咲の説明でガクッとした日比野はレシートをまた見た。

「次は大量のお菓子、これは堀垣だな。」

「う、うん。僕も小石川さんと同じで元の世界にはないお菓子だったからつい買ってしまうんだ。」

「それにしても多過ぎだろ。」

日比野はまたレシートを見た。

「えーっと、食料とかはいいとして・・・おい、礼崎。なんで服をこんなに買っているんだ?」

「ギクッ!え、えぇっと、ほら、私ってアイドルじゃん。だから、ファッションには敏感なんだぁ。あははははは。」

「理由になってないだろ。」

イライラしている日比野からレシートを借りた郷田達がレシートを見ていた。

「うわぁ、通りで高いわけだ。みんな買いすぎだろ。」

「うん。」

「雑誌にワインに兎のぬいぐるみ・・・これは橘さんの買い物ですか。」

「何故分かる!?」

「だって快翔が橘はぬいぐるみ好きって言ってたから。」

「貴様~!」

橘は顔を真っ赤にしながら郷田を睨み付けていた。

「佐古水がいながらこんなことになるとは。」

「佐古水だって紅茶をいっぱい買ってるぞ。」

「え?」

姫樹に言われて再びレシートを見ると食料の中に大量の紅茶があった。

「見逃してたわ。」

「て、いうか佐古水が紅茶好きなの初めて知った。」

「佐古水、これは?」

「みんなと同じだ。偶然、ダージリンが売ってあったからついな。」

「佐古水、お前もか。」

日比野は額に手を当てガックリした。その姿を見て何も買っていないエメラナ以外の調達班全員が目を反らした。

「とりあえず、現状を伝える。金欠だ。」

「えーっと、うわぁ、ホントだ。最初の予算の半分もない。」

「と、言うことでワンダーマリンに到着したら捜査班と労働班に分ける。労働班は調達班全員だ。」

「は、はい・・・」

日比野に睨まれ、礼崎達は萎縮した。


タイタンホークはワンダーマリンの離着陸場に着いた。

ワンダーマリンはクラークシードの南東部に位置する海沿いの街でいつも観光客で賑わっている。

労働班

佐古水、礼崎、姫樹、山瀬、堀垣、エメラナ、小石川、橘、アリス


捜査班

ウルトラレックス、キュアリアス、日比野、空咲、朝比奈、郷田、南、ベルッド


留守番

中島先生、天谷、飛鳥崎、舞沢、ラフィ、新庄、風間


労働班

「あ、暑い~。なんで、こんな暑い中で働かないといけないんだ~。」

「仕方ないだろ。勝手に私物を買って金を使い過ぎた責任だ。何も買っていないエメラナが頑張っているんだからお前もちゃんと働け。」

労働班は皆、水着姿で海の家のお手伝いをしていた。礼崎が扇風機の前で文句言っていた。佐古水は堀垣と一緒に厨房で料理、礼崎、山瀬、姫樹、エメラナ、小石川、橘、アリスは接客や注文をとる係だった。

ちなみに姫樹はワンピース水着だった。

「なんで俺はこれなんだよ!?」

「満場一致で念のためだと。」

「ふざけるなぁ!」

労働班は頑張っていた。


「さすが橘。いい体してる。」

「覗いてんじゃない!」

ドローンを使って橘達を覗いている郷田を空咲が殴っていた。捜査班はこの辺りに詳しい人がいる家に向かっていた。その間、ウルトラレックスとキュアリアスは空から街を調査していた。

日比野達が街を歩いていると一人の女性が立っていた。その女性は美しい髪に長い耳、豊満な胸をしていた。

「あれはエルフ。間違いなくエルフ。しかも、飛びっ切りの美女が来た~!」

興奮する郷田。女性はこちらを見ると手をふった。

「こっちよ、ベル!」

「ベル?」

「紹介しょう。俺の妻のルルナ・ジョーニィだ。」

「はじめまして、皆さん。ベルット・ジョーニィの妻のルルナ・ジョーニィです。」

ルルナが挨拶した瞬間、全員がベルットを見た。

「確かにベルットさんは妻がいるっていいましたけど、まさか、こんな美しい人だったなんて。」

「ありがとう。」

日比野達は驚いている。その中でも一番驚いていたのは郷田だった。彼は膝をついて絶望した顔をして下を向いていた。

「オークの妻がエルフって、オークの妻がエルフって、オークの妻がエルフって、オークの妻がエルフって。」

「郷田、怖すぎるからやめろ。」

日比野達はルルナの案内である家に入った。そこには年老いた男のエルフが座っていた。

「はじめましてじゃの、WISHの皆さん。」

「は、はじめまして。私はWISHのリーダーをしています。日比野宏幸と言います。」

「ご丁寧にどうも。私はルルナの祖父のデライズと言う。ワンダーマリンで元警備団の隊長として働いていた。」

デライズは魔法で日比野達にお茶を出した。その後、事件の概要を教えてくれた。

「失踪が始まったのは半年前、狂暴化が始まったのは約1ヶ月前。両方、原因はわかっていない。しかし、失踪の方はそれよりも前から様々な場所で度々起こっていたみたいじゃ。」

しばらくしてデライズの説明が終わったらウルトラレックスが家にやってきた。

「戻ってきたか。星雲寺はどうした?」

「あれ?まだ戻っていないんですか?」

「いや、戻っていない。」

「おかしいなぁ。勇輝が戻ってきたから俺のドローンが目印となっているのは確かだろ。」

「とりあえず、タイタンホークに戻るぞ。」

「了解。」


日比野達が海の家に行くとなにやら佐古水達が騒いでいた。日比野が佐古水のところへ行って声をかけた。

「どうした、佐古水?」

「日比野か。小石川と橘がいなくなった。」

「!」

「二人とも、少し休むために休憩室に行ったがそれから数分で消えた。」

「まさか、失踪!?」

「あぁ、今みんなで探している。」

「わかった。まずはこのことをタイタンホークにいるみんなに報告する。」

日比野はスマホでタイタンホークにいる中島先生に連絡をした。しばらくすると中島先生が出た。

「先生、実は・・・」

「待って、日比野君。大変よ!舞沢さんがいなくなったの!」

「舞沢がいなくなった!?」

「!」

事件は急激にWISHにキバを向いた。

余談

調達班のみんなが買った物

佐古水 大量のダージリンと砂糖

礼崎 服

姫樹 雑誌、漫画

山瀬 雑誌、バーベル

堀垣 大量のお菓子

小石川 高価な化粧品やマニキュア

橘 兎のぬいぐるみ

アリス ワイン、チーズ

エメラナ 無し

本来の買い物 食料、工具、生活に必要な物

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ