WISH、南へ
綾宮市に到着した次の日
タイタンホークの前には新庄や風間、ヌーリスト達がいた。
「さてと日比野君、いや日比野リーダー。昨日いろいろ考えた結果、俺もWISHの一員としてタイタンホークの操縦士になることにした。」
「ありがとうございます!」
「それで出来ればのお願いだが相棒もタイタンホークに入れて欲しい。」
「えーっと、風間さんですか?もちろん、大丈夫ですよ。」
「いや、美桜奈もそうなんだが・・・」
「あ、もしかしてあのラプターですか!?」
「あ、いや。確かにそれも出来たら嬉しいんだが相棒はヒュプシュタオゼントフースなんだ。」
「・・・」
日比野達はヌーリストの横にいるヒュプシュタオゼントフースをジーっと見た。
「あれ?あの子が入る部屋ってあったっけ?」
「一応、空き部屋ならあるぞ。」
「じゃあ大丈夫です。」
「おぉ!サンキュー!」
新庄は日比野にお礼を言うとヒュプシュタオゼントフースを呼んだ。ヒュプシュタオゼントフースも大喜びして新庄に抱きついてきた。
相部屋になったり移動したりいろいろ調整した結果、新庄と風間は日比野の隣に、ヒュプシュタオゼントフースは中島先生の隣の部屋に入った。その他にもラプターの整備士としてゴブリンが三人、二階の空き部屋に入ることになった。
「さて、これで操縦士、看護師、整備士はある程度揃ったな。」
「君達もそろそろ行くんだな。」
ヌーリストが日比野に聞いてきた。日比野もそれに答えるように強く頷いた。
「わかった。気を付けていけよ。」
「ありがとうございます。」
ヌーリスト達が見送る中、タイタンホークは離陸して飛んでいった。
「それじゃあ、改めまして俺は新庄ジョージ。元々はF-1レーサーとしてドイツで優勝したこともあるぜ。」
「その時に疾風の貴公子って呼ばれたんですか?」
「まぁな。あれは俺を見たマスコミが勝手に付けたやつだ。まぁ、俺は別に嫌いじゃないしな、この別名。」
「そして、私が風間美桜奈。元の世界では神戸の医大卒業したグラビアアイドルよ。」
「よろしくお願いします!」
二人を歓迎した日比野達は簡単なパーティーを開いた。
しばらくパーティーが続いた後、片付けをしているとベルッドから通信が入った。
「みんな、充分楽しんだみたいだな。」
「どうしたんですか?」
「実はな、ここから南にある街で謎の怪現象が多発している。」
「怪現象?」
「あぁ、若い女性が急に失踪したり、観光客や住民、そこに生息している怪獣達が何かに怯えるように急に暴れる事件が多くなっている。調査隊が何度か派遣されたが原因は分からず仕舞い。そこで今度は俺達WISHが調べに行くことになった。」
「分かりました。早速、現地に向かいましょう!」
「わかった。場所はワンダーマリンだ。既にタイタンホークには目的地設定しているから自動でそこまで移動してくれる。」
「分かりました。ありがとうございます。」
こうして、タイタンホークは謎の怪現象が多発するワンダーマリンに行くため、南に進路を向けて飛び出した。