怪獣無法島救出作戦 拳の怪獣と剣の怪獣
遂に激突した。互いの手を掴み押し合いするウルトラレックスとスパルタキング。しかし、パワーはスパルタキングが圧倒していて徐々に圧されていく。
「強い…でも!燃〜え〜滾れ〜情熱!レックスー!!」
ウルトラレックスはバーンスマッシュタイプに変身するとスパルタキングを少しずつ押し始めた。スパルタキングも負けじと押し出す。
(バーンスマッシュタイプでも押されるなんて…)
パワー自慢のバーンスマッシュタイプでも敵わないことに焦る。しかし、すぐに気を取り直しスパルタキングを蹴って距離をとる。
「力が駄目なら…冴えわたれ純情、レックス!」
ウルトラレックスはスカイライジングタイプに変身するとスパルタキングの突進を避け空に飛んだ。空からレヴォリュートスパークを放つ。スパルタキングは避けることをせず両手を広げ待ち構える。レヴォリュートスパークがスパルタキングに命中する。
「これで…」
「まだよ!」
モルフィナが叫ぶ。爆煙の中から無傷のスパルタキングが現れる。
「ウランタイトみたいな硬さしてる…」
ウルトラレックスの攻撃が効かない。スパルタキングは近くの岩を拾うとウルトラレックスに向かって投げた。ウルトラレックスは分身して回避する。スパルタキングはなかなか当たらないのに苛立ち手当たり次第に木や岩を掴むと投げ始めた。
「相当イライラしているわね。ここで一気に畳み掛けよう。」
「はい!」
ウルトラレックスはブレイブグリッターに再びなるとウランタイトの宝石をレックスブレスに嵌め刀を出すとスパルタキングに向けて振り下ろした。しかし、スパルタキングは刀を真剣白刃取りで防いだ。
「「!?」」
ウルトラレックスとモルフィナが驚いているとスパルタキングはウルトラレックスを蹴り飛ばした。倒れるウルトラレックスにさらにジャンプして伸し掛かる。その一撃が効いたのかレクシウムフィールドが解けてしまう。
「油断したつもりはなかったけど…」
ウルトラレックスはフラフラと立ち上がる。しかし、満身創痍で上手く戦えない。カラータイマーが赤く点滅する。
「さすがに連戦はまだキツいわね。しかも、最後の相手があいつって…」
モルフィナが前に出てシールドを張るもスパルタキングはパンチ一発でシールドを破壊した。ウルトラレックスはモルフィナをかばいながら下がりレクシウムエタニティブラスターを放った。スパルタキングは両手を広げ突進してくる。レクシウムエタニティブラスターがスパルタキングに命中するもスパルタキングは耐えていた。さらに、突進のスピードが少し落ちるだけで全然怯まない。
「フルパワー!」
ウルトラレックスが叫ぶ。威力をあげる。光線が大きくなり爆発した。ウルトラレックスは疲労でスプリームドリームに戻ってしまう。
「これでダメなら…」
ウルトラレックスはその場から離れようとする。その時、煙が晴れスパルタキングが現れた。さすがに効いていたのか胸に傷が出来ている。しかし、スパルタキングは戦意が落ちるどころかさらにやる気満々だと言わんばかりに突撃してきた。
「まずい…」
もう体力の限界が近い。スパルタキングがもう少しでウルトラレックスとぶつかるという時、突如、スパルタキングの前に斬撃が通った。ウルトラレックスとスパルタキングが斬撃が来た方向を見るとソードザウルスがいた。
「あれはソードザウルス…」
「もしかして…」
ウルトラレックスは思い出す。背中以外傷だらけで鋭い剣が両腕から生えている。そして、あの目…ウルトラレックスはそのソードザウルスを知っていた。
「サーガノアで戦ったソードザウルスだ。」
そう。サーガノアで我が子を守るためにウルトラレックス達を圧倒したソードザウルスだった。あの後子供達と一緒に消えて行った。そのソードザウルスが今ここにいるのだ。
スパルタキングは新たな対戦相手に興奮し挑発する。しかし、ソードザウルスはそれに対してお前が来いと言わんばかりに挑発した。スパルタキングは喜びその挑発に乗った。突進してくるスパルタキングにソードザウルスが擦れ違いに一閃入れた。
スパルタキングは雄叫びをあげると振り返りパンチする。ソードザウルスはパンチを避けるとスパルタキングの腹を蹴る。そのまま大天紋斬でスパルタキングを攻撃した。
「やっぱり強いねあのソードザウルス。」
「はい。」
ウルトラレックスは人間大になるとその場から離れた。スパルタキングはもうウルトラレックスを追うことはない。彼よりもソードザウルスに興味を持ったのだ。
ソードザウルスに頭突きしたスパルタキングは首を掴み絞め上げる。ソードザウルスは暴れるも解けない。すると、スパルタキングを持ち上げ後ろに投げた。互いに転がりながら立ち上がる。
互いに雄叫びをあげる。同時に走り出す。ソードザウルスが左腕を振り下ろす。それをスパルタキングは裏拳で左腕の剣を砕いた。スパルタキングはその勢いのままパンチする。ソードザウルスはパンチを避け腕を掴むと背負投げをした。スパルタキングはすぐに飛び起きてソードザウルスの追撃を避けるとまたパンチした。ソードザウルスは両腕を交差させて防御するも殴り飛ばされてしまう。
「ソードザウルス…」
その様子をウルトラレックスは逃げながら見る。起き上がったソードザウルスの左腕は剣が折れだらんとしている。骨も折れているようだ。でも、目を見ると闘志は折れていない。
スパルタキングが突撃する。ソードザウルスは遠ざかって行くウルトラレックスをチラッと見た後、右腕の剣でスパルタキングの胸を十文字に斬った。そのまま力一杯剣を突き出す。
「!!」
その一撃が決まった。スパルタキングの胸から鮮血が溢れ出す。スパルタキングは胸を触り自分の血を見る。すると、さらに興奮した。傷1つ着かない自分の体に傷を着けた相手がいる。しかも、その相手は剣を折っても腕を折っても闘志を絶やさずこちらを見ている。
スパルタキングはドラミングして士気を高める。ソードザウルスも剣を構える。両者再び同時に突撃した。
その隙にウルトラレックスはタイタンホークへと向かう。なんとか救出出来たみたいだ。ウルトラレックスは格納庫へと入ると夢宮に戻る。相当疲れたのかその場に倒れ込む。
「ナイスファイト。」
そこに日比野が来て労いの言葉をかける。救助された真田達が夢宮を見る。遠くからウルトラレックスとさての戦闘を見ていた。その姿に感動していた。真田が夢宮に近付き手を伸ばす。
「助けていただきありがとうございました。」
「い、いえ!」
夢宮は真田の手を掴み立ち上がる。今は助けることが出来た人がいた。それに喜び遠くなっていく島を見続けた。




