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怪獣無法島救出作戦 新たなる転生者達

 ベムンガを倒した夢宮達はその後処理に追われていた。あれから数日が経過した。レクシウムフィールドのおかげで被害は少なく工業地帯の再稼働もなんとかなりそうだ。

 瓦礫撤去していた夢宮達のところにエルシアナからテレパシーがきた。すぐにタイタンホークに戻って来てほしいとのことだ。

「星雲寺さん、行くよ!」

「え、えぇ!」

 ビー玉みたいな物を見ていた星雲寺に声をかけてタイタンホークへ行く。オペレーションルームに集まると日比野が新庄に指示してモニターに地図を出した。

「先日、ガリーナ地帯にある無人島で時空の歪みが観測された。これは俺達がこの世界に来た時と同じ歪みらしい。」

「ってことはまた異世界からこの世界に誰かが連れて来られたってこと?」

「空咲の言う通りだ。歪みがあった周辺を調査すると近くの無人島に旅客機が不時着しているのが発見された。」

 新庄が出した写真には森の中に墜落している旅客機があった。

「今回の任務はここに行き生存者の救出、保護をすることだ。」

「俺達に依頼したということはその無人島、怪獣がいるのか。」

「ああ、グランヴィザードの配下ではないが野生の怪獣が多く生息している怪獣無法地帯らしい。」

 日比野が説明を終えると直ぐ様墜落した旅客機がある無人島へと直行した。


 ガリーナ地帯無人島

 墜落した直後の旅客機には修学旅行中の高校生達がいた。幸い死者は出ていないもののここがどこか分からずパニックになっている。その内の1人が単独行動をしていた。その後を追って数人の女子高生達がやってくる。

「待ってよ真田君!」

 女の子の1人が青年の名前を叫ぶ。真田は自分の手をまじまじと見ていた。気になった少女達が聞く。

「どうしたの?」

「見てくれないか…炎よ!」

 そう言って真田が手をかざすと手から炎が出た。さらに、水も雷も風も岩も出した。

「凄い!これってもしかして魔法!?」

「ああ、どうやら俺達は魔法のある異世界に転移してきたみたいなんだ。」

 驚く少女達。自分も出来るかなと思い試してみるもいくつか出せた子はいても真田のように出すことは出来なかった。

「凄いわね。私もなんとか雷は出せたけど他は出せなかったわ。」

「さすがです覇魔翔君!」

 少女達が真田を褒めていると争う声が聞こえた。こっそり見てみると真田達と同じ制服を着たガタイのいい男が他の生徒達と口論していた。その近くには見たことない生物が倒れている。ガタイのいい生徒が倒したのだろうか?そう思った瞬間、その男が口論の相手を炎魔法で焼き殺したのだ。

「斎藤の奴、人を殺しやがった。」

 突然の殺人にパニックになる生徒達。その瞬間、四足歩行の怪獣が現れた。それを見てさらにパニックになる。散り散りになって逃げる生徒達。真田達も巻き込まれないようにその場から離れる。

「何あれ!?」

「この世界のモンスターってところか。」

 真田達は怪獣に見つからないように隠れながらその場から離れる。そこからどれだけ経過したのだろうか?太陽が数回昇っては降りて行くのを見た。真田達はすっかり島での生活に慣れていた。

「真田くーん!こっち!」

 真田と一緒にいた活発そうな少女、清神静夏が手を振る。どうやら、川に張ってあった罠に魚がかかったようだ。

「どうかな!?」

「うん。これだけいたら充分だよ。」

「やったー!」

「真田君、こっちもいいかしら?」

 今度は透き通るような黒い髪を伸ばした少女、姫小路椿が真田を呼ぶ。鹿が罠にかかっていた。真田達は鹿を捌いて炎魔法で焼き食事する。

「魔法で調理が出来るのは救いだな。」

「そうね。それに少しだけどモンスターと戦えるようになったしね。」

「うん!覇魔翔君のおかげだね!」

 真田達と一緒に食事している双子の少女、金髪をツインテールにしている妹の東雲ティアナと三編みにしている姉の東雲カティアも楽しそうにしている。食べ終わると再び怪獣に気を付けながら探索する。すると、センザンモグラが見えた。

「あれは初めて見るモンスターね。」

 警戒してセンザンモグラを観察する。穴を掘って何か食べている。その場から離れようと下がった時、突然センザンモグラが鼻をヒクヒク動かして周りを見回す。そして、こちらを見るといきなり鼻先のドリルを回しながら突進してきた。

「バレた!」

「どうやら嗅覚が優れているようね。」

 真田達はセンザンモグラの突進を左右に別れて避ける。静夏が炎と水を合わせた魔法を放つ。センザンモグラは静夏を見ると背中の針を飛ばしてきた。

「えぇ〜!」

 静夏は驚いて反応が遅れた。そこに真田が来て地面を迫り上げて盾にした。そこにセンザンモグラはドリルで穴を開けた。真田は静夏をお姫様抱っこしてジャンプする。センザンモグラが上を向くと椿が接近して雷魔法を放った。さらに、ティアナとカティアが手を合わせて風を放つ。

「「今です!」」

「分かった!」

 着地した真田は静夏を降ろすと両手に魔力を溜め5色の光を混ぜて光線を放った。

「《クインテットゲインストライク》!」

 光線はセンザンモグラの腹部に命中し仰向けに倒れた。みんなが真田とハイタッチする。

「やったね!」

「さすがね。」

 センザンモグラを倒して喜んでいるとズシンと足音がした。真田達はすぐに近くの茂みに隠れる。足音をだんだん大きくなり足音の主が現れた。

 がっしりした体に骨みたいな突起が剥き出しになっており顔は湾曲した角が生えた悪魔みたいになっている禍々しい姿をしている。スカルバーンだ。スカルバーンは仰向けになっているセンザンモグラを見ると威嚇しているのを気にせず顔を踏みつけた。

 真田達がスカルバーンを観察しているとスカルバーンの口から人の足が出ているのに気付いた。その足が履いている靴を見て驚く。

「あの靴…斎藤だ。」

 真田の言葉にみんな口を押さえる。スカルバーンの口から切断された足が落ちる。スカルバーンは何度もセンザンモグラの頭を踏みつけ最終的に踏み潰した。絶命したのを確認するとセンザンモグラの腹部を掻っ捌き食事を始めた。

「何あれ。」

「見た目からしても凶暴そうね。」

「とにかくここから離れよう。」

 食事しているうちに離れようと移動する。しかし、静夏が木の枝を踏んでしまい音が鳴った。その音に気付いたスカルバーンがこちらを向いた。

「•••ごめん。」

「走れー!」

 スカルバーンが追いかける。真田達は追いつかれないように走る。しかし、スカルバーンの方が早くすぐ追いつかれてしまう。真田は足を止めスカルバーンの方を見る。

「真田君!」

「先行って!こいつは俺が足止めする!」

 真田は炎と雷の魔法を放つ。しかし、スカルバーンには効いていない。スカルバーンは角から放つ電撃で真田を攻撃する。真田も雷魔法でなんとか相殺するも威力が桁違いに高い一撃に吹き飛ばされてしまう。

「まだだ…《クインテット…」

 真田が必殺技を放とうとする。それよりも早くスカルバーンが破壊光線を放った。真田はすぐに地面を隆起させて盾にするが破壊光線は盾を貫通し真田を吹き飛ばした。

「真田!」

「真田君!」

 慌てて走る静夏達。スカルバーンは静夏をを見ると舌を伸ばして静夏を捕らえた。

「きゃあ!」

「静夏!」

 真田が地面から岩の腕を作り出して舌を掴む。スカルバーンは電撃で真田を攻撃する。

「放さ…ない…ぞ…」

 満身創痍になっても耐える真田。しかし、少しずつ無情にも岩の腕は崩れていく。椿達もスカルバーンを攻撃しているが効果はない。

 このままでは食べられてしまう。そう思ったその時、突然スカルバーンの舌が斬れた。スカルバーンは仰向けになって倒れる。真田達は何が起きたのか分からずにいると目の前に夢宮が着地した。

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