敗北から始まる希望
ウルトラレックスがジャギュラに敗北した。ウルトラレックスはなんとか起き上がろうとするも力が入らずに倒れてしまった。
ジャギュラはウルトラレックスに近づいた。佐古水はジャギュラに向けて撃つがジャギュラには効かず振り向いたジャギュラは翼を大きく広げて黒い風を放った。それは、ジャギュラに向かっている飛鳥崎と山瀬、佐古水を吹っ飛ばした。
ジャギュラはゆっくりと近づいた。すると、今度は日比野やアリス達がジャギュラに向かっていった。
「落ち着け。殺すつもりは無い。」
「信用できるか!」
「普通はそうか。」
ジャギュラは光の剣を出すと日比野の剣を切り、アリスや空咲の剣を切り、向かってくる全員を黒い風で吹っ飛ばした。
「お前達はまだ未熟だ。しかし、未熟ということはこれから強くなれるということ。今は退いて力を付けるべきだ。」
「敵にそんなこと言っていいのか?」
「あぁ、俺はそういうのは気にしない。それにお前達が気にいっている。特に彼。」
そう言ってジャギュラはウルトラレックスを見た。
「彼はこれから強くなる。確信できる。それより早く戻った方がいい。」
ジャギュラの提案に日比野達は乗るしかなかった。
「みんな、撤退するぞ。」
日比野の命令に全員が従い、コスモスや姫樹達を乗せた後、タイタンホークはその場を去って行った。
「・・・何の真似だ?」
ジャギュラがその様子を見ているといきなり黒色のガス状の蛇のような姿をした何者かが現れた。
「ジャギュラ、何故奴らを逃がした。何故この場で殺さなかった。」
「面白そうだからだ、No.7。」
「・・・くだらん。殺せる時に殺すのが戦争だ。まさか、同じ日本からの転移者だからと言って見逃したわけでもあるまい。」
「もちろん。」
「・・・まぁいい。奴らは気づいていない。奴らを操ったのが俺だと言うことに。本当の支配者は影すら見せない。それと、忘れるなNo.4。貴様は偶然その地位にいるが貴様より俺の方が強い。」
そう言ってNo.7と呼ばれたガス状の怪獣は姿を消した。ジャギュラもそのままその場を去って行った。
綾宮市に帰っているタイタンホークの内部
オペレーションルームには日比野達がいた。みんな、疲れていたためにぐったりしていた。
「ナンバーズか。ジャギュラやスパンダーのような怪獣があと12体もいるのかよ。」
「何も言わないで郷田。今は考えたくない。」
すると、オペレーションルームに風間が入ってきた。
「みんな安心して。夢宮君達は大丈夫よ。疲労と緊張から解放されたことによる安心で寝ているだけ。すぐに、目を覚ますわ。」
「あ、ありがとうございます。詳しいんですね。」
「えぇ、私は神戸の医大卒業しているから。」
「え?」
「えぇ~!」
風間のカミングアウトに日比野達は驚愕していた。
「医大出身のグラビアアイドルって。」
「美桜奈は元は看護婦を目指していたんだとよ。」
「えぇ。それからいろいろあってグラビアアイドルになったのよ。」
「いろいろが聞きたい。」
「ナース姿のグラビアアイドルとか想像するだけで達するわー。」
「誰か郷田を黙らせて。」
しばらく風間の話を聞いているとウルトラレックスが入ってきた。
「大丈夫かよ!?」
「うん。僕は大丈夫。」
「負けたことに悩んでいるなら空を見ろ。」
新庄に言われてモニターから空を見てみると綺麗な夕陽が見えた。
「・・・」
「言葉が出ないか。」
「う、うん。」
ウルトラレックスと一緒に夕陽を見た日比野達も言葉を失った。
「人生勝ちもあれば負けもある。もし負けた時に自分を奮い立たせる何かが必要だ。俺の場合は空を見るだったな。」
「綺麗ですね。」
「あぁ、空はいい。常に違う景色が見れる。親父や兄貴はいつもこんな世界を見ていると思うと胸が高鳴る。」
新庄の思いを聞いたウルトラレックス達はただ綺麗な夕陽を眺めていた。
「ありがとうございます、新庄さん。」
日比野がお礼を言うと新庄は黙って親指を立てた。
「みんな!今くよくよしても仕方ない。あの怪獣の言う通り、強くなろう!強くなって今度こそみんなで守ろう!」
日比野はオペレーションルームにいるみんなを激昂した。みんなも気分がすっきりしたのかいつも通りの顔になった。
そして、タイタンホークは綾宮市に到着した。