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2大怪獣大進撃

 ベンケイの暗殺未遂から丸一日が経過した。あれ以後狙われることはなくなったチカホと一緒にある場所へ向かう。

 そこは大きな軍事施設だった。施設内には多くの戦闘機や戦車、ストレイザーが配置されていた。日比野達は出迎えてくれた兵士の案内で広い場所に来た。

「なんですかこれ?」

「君達も来たか。」

「ラッセルさん!」

「聞いたよ。昨日、怪獣による暗殺を阻止したようじゃないか。」

 ラッセルに褒められ照れる日比野。チカホも改めてお礼を言うため恥ずかしくなっていく。

「それでここは?」

 日比野が話を反らせる。よく見ると左右に大きなパラボラアンテナみたいな装置がありその間には巨大なミサイルが設置されていた。

「これが異世界ワープミサイル…」

「そうだ。」

 日比野がボソッと漏らした声に反応して誰かが返事した。こちらに向かって歩いて来ている白衣の男が返事したみたいだ。白衣の男は日比野達の前で止まる。

「俺は異世界次元研究所所長であり対グランウィザード怪獣軍対策防衛連合、通称GUARDの局長を務めることになったダニエル•ライアンだ。」

 ダニエルが手を伸ばす。日比野も手を伸ばし握手した。

「ああ、そうだ。お前達、GUARDに加入しないか?」

「え?」

「お前達の活躍はラッセル議長から聞いている。もしGUARDに加入すればうちから援助も出来るし活動範囲も広くなる。加入だけなら今までと同じように活動出来るぞ。」

「すみません。提案はありがたいのですがすぐには決められません。」

「構わん。俺の勝手な勧誘だ。好きにするといい。さて、話が反れたな。」

 ダニエルはパラボラアンテナみたいな装置を見て説明を始めた。

「あれは異世界ワープジャンプシステムだ。元々はこの世界に来た転移者を元の世界へ帰すための転移装置だったがフェルクニモンやトゥルディスの協力を経てグランウィザードがいる世界への干渉が可能になった。」

「す、すげー。」

「そこで異世界ワープジャンプシステムでグランパラレルへのゲートを作り異世界ワープミサイルを撃ち込む。簡単に説明するとこんな感じだ。」

 ダニエルが作戦を説明していると準備が整ったのかビー、ビーと警報がなる。ダニエルがすぐ開始するように指示した。すると、パラボラアンテナみたいな装置が同時に青白い光線を放つ。2つの光線が交わった瞬間、空間が歪み始めた。

「同調率はどうだ?」

『問題ありません。順調です。』

 オペレーターの女性が報告する。歪みはどんどん大きくなっていく。こちらから攻め込むことが出来る。そう思い込んだ時、オペレーターの女性が声を荒げ報告してきた。

『大変です!同調率が急上昇!•••お、大きな反応が2つ!こちらに来ます!』

 ダニエルが報告を受けて歪んだ空間を見る。日比野達も吊られて歪んだ空間を見た瞬間、歪みからギガヒュドラとバルトロスが現れた。

「ギガヒュドラ!」

「バルトロス!」

 突然出現した2体に驚愕する。

「面白い物作ったな!」

「破壊…破壊…破壊…」

「こちらにとって不都合な物をほっとくと思うか?」

「任務を開始する。」

 ギガヒュドラとバルトロスは真っ直ぐ異世界ワープジャンプシステムに向かう。ストレイザー部隊が直ちに前に出て攻撃を開始した。しかし、2体は構わず進みながら破壊活動をする。

「総員、戦闘準備!」

「夢宮は!?」

「夢宮…頼んだぞ。」

 日比野は2体に向かって走る夢宮を見て頷く。夢宮は右手にレックスブレスを顕現させ叫ぶ。

「レックスー!」

 夢宮はウルトラレックスに変身すると同時に巨大化し2体の前に着地する。地響きと共に土が舞い上がる。2体はウルトラレックスを確認すると進行を止めた。

「出たなウルトラレックス!今度こそ完全に破壊してやる!」

「破壊!破壊!破壊!」

「久しく感じるな。」

 2体はそれぞれ口から光線や火球などを発射する。ウルトラレックスはイージスラッガーを展開し防ぐ。2体は発射を止めると突撃した。ウルトラレックスも止めるべく突撃する。お互い激突するもパワーが2体の方が上のため止まらない。

「くっ!」

 なんとか抑えようとするも吹き飛ばされてしまう。そこにコスモスとジオフェニックスがやって来てギガヒュドラを攻撃する。姫樹達もバルトロスに近付く。

「おいバルトロス!俺達と勝負だ!」 

 姫樹がバルトロスに勝負を挑む。以前のように別の場所に移動させることでギガヒュドラと分断させようとする作戦だ。

「残念だが今回は無しだ。」

 しかし、バルトロスは断った。

「なんでだよ!?」

「今回の任務は施設の破壊とその関係者の抹殺だからだ。」

 バルトロスはそう言ってファイアボールを放ち破壊活動を始める。そこにルギリナが来て真上からバルトロスの頭を殴る。しかし、バルトロスは首を上げ何事もなかったかのようにルギリナ達を攻撃した。

「残念だったな!」

「破壊だ!破壊!」

 ギガヒュドラも全ての首から光線や魔法、ガスを放って破壊活動を始める。ウルトラレックスが起き上がり星色の脚で2体を攻撃する。そこにタイタンホークも到着しギャラクシーメーサーキャノンでバルトロスを攻撃した。しかし、それもバルトロスには効かずバルトロスはインフェルノインパクトで辺りを火の海へと変えてしまう。さらに、ギガヒュドラと同時にウルトラレックス達に向けて攻撃をした。その結果ウルトラレックス達は大ダメージを受けさらに異世界ワープジャンプシステムも破壊されてしまった。

「無事でいてくれよみんな…」

 ダニエルは破壊された異世界ワープジャンプシステムとウルトラレックス達を見て歯痒い思いをしている。ダニエル達は脱出用シャトルに乗り込み避難しようとしていた。ウルトラレックス達はシャトルが脱出するまで2体を足止めしなくてはならない。なんとかバレないように立ち回る。

 しかし、ギガヒュドラの首の1つがシャトルを見つけてしまった。その首はシャトルを見ると確信したのか邪悪な笑みをこぼす。

「逃げる気ですね。」

「逃がすか!」

「あれか…」

「マズい!」

 ウルトラレックス達が止めようとするもギガヒュドラは翼を広げ飛ぶと全ての属性魔法や光線をシャトルに向けて放った。しかも、バルトロスがインフェルノインパクト・オーバーヒートを撃ってきた。

「考えている暇はない…輝け、輝け勇気!レックスーー!」

 ウルトラレックスはブレイブグリッターに変身するとイージスラッガーを展開させた。そして、レクシウムフィールドを張った。すると、ウルトラレックス達とギガヒュドラ、バルトロスがレクシウムフィールドの中に入りシャトルは消えたため2体の攻撃を空を切った。

「な!?」

「おいおい、なんだこれ?」

 ギガヒュドラだけではなく初めてレクシウムフィールドに入った日比野達も驚いていた。そこにキュアリアスとアルギラが説明する。

「なるほど。確かにこれなら被害は最小限になるな。」

「けど気を付けろよ勇輝。その姿になったらまた暴走するかもしれねぇぞ。」

「うん。」

 郷田が忠告する。ウルトラレックスは頷く。その話を聞いていたバルトロスはウルトラレックスに向かってインフェルノインパクトを撃ってきた。ウルトラレックスは咄嗟にレクシウムブラスターを放つ。両者の光線はぶつかり合い拮抗する。しかし、以前よりも威力の上がったインフェルノインパクトが徐々に押し始めウルトラレックスの前で爆発した。

「夢宮!」

「あ〜、ウルトラレックスを殺せばいいのか。」

 さらに、ギガヒュドラが真上に巨大な魔法陣を作り出しヘル=レインを放った。キュアリアス達はヘル=レインを避けながら2体を攻撃する。しかし、ギガヒュドラも以前より強力になっており多少の攻撃じゃ歯が立たない。そこにウルトラレックスがユラリと立ち上がった。

「まだ動けるか。」

「破壊すればいい。」

 ギガヒュドラが魔法でウルトラレックスを攻撃する。すると、ウルトラレックスはイージスラッガーを展開し防ぐと口から赤黒い光線を発射した。光線はギガヒュドラに命中し右側の全ての首と翼を破壊した。

「!?」

「ねぇ、まさか…」

「ああ、また暴走だ。」

 目が赤くなっているウルトラレックスを見てガウマの時を思い出す。ウルトラレックスは光線をバルトロスに向け当てる。しかし、バルトロスは耐えインフェルノインパクトで応戦した。インフェルノインパクトはウルトラレックスに当たるもウルトラレックスはイージスラッガーをドリルのように展開させバルトロスを攻撃した。

(この感じ、まさか…)

 バルトロスはイージスラッガーを弾き下がる。そこに起き上がったギガヒュドラがウルトラレックスを攻撃した。ウルトラレックスは赤黒い光線で応戦するもギガヒュドラの攻撃を受けてしまいよろける。その瞬間、レクシウムフィールドがガラスのように割れ解かれた。

「やったぜ!」

「破壊…破壊…破壊…破壊…」

 片膝を着くウルトラレックスにギガヒュドラが迫る。破壊された首も徐々に再生している。バルトロスも前に出て大きく口を開けた。

「勇輝!」

「夢宮君!」

 みんなが叫ぶ。すると、顔を上げたウルトラレックスの目が元に戻っていた。そんなこと気にせずファイアボールを作るバルトロス。そこにジオフェニックスとコスモスが合体したジオコスモスがファイアボール向かってスパイラルブラスターを発射した。スパイラルブラスターは見事ファイアボールに命中し大爆発を起こす。

「僕は…」

「また暴走してたわよ。」

 モルフィナがウルトラレックスに容態を聞く。大丈夫なようで頷くと立ち上がりイージスラッガーを展開させた。そして、ギガヒュドラが放つ光線に合わせてレクシウムエタニティブラスターを放つ。両者の光線がぶつかり合う。すると、レクシウムエタニティブラスターが押しギガヒュドラを貫いた。ギガヒュドラは断末魔をあげ爆発四散する。続けてバルトロスにもレクシウムエタニティブラスターを当てる。

「この感じ、やはり…」

 バルトロスは何か言い切る前に爆発した。ギガヒュドラとバルトロス、2体の強力な怪獣を倒したことで郷田達が喜んだ。ウルトラレックスも安堵したのか元の大きさに戻った。落ちそうなところをキュアリアスとルギリナが受け止めルージュの背中に乗せる。

「一先ずやった…のか…」

 破壊された施設を見て素直に喜べない日比野。でも、ダニエル達は守ることが出来た。それだけでも良しとし戦いが終わったことを喜ぶのであった。

今回倒した怪獣


怪獣名 ギガヒュドラスーパー)

別名 破壊超獣

全長 100m

体重 9万5千t

特徴

 グランウィザードによって強化再生されたギガヒュドラ。全ての魔法や光線が強化されさらに翼が着いたことで飛行も可能となった。


怪獣名 バルトロススーパー)

別名 爆炎怪地底獣

全長 50m

高さ 30m

体重 4万t

特徴

ギガヒュドラと同じくグランウィザードによって強化再生されたバルトロス。大きさだけではなく耐久性や火力も大幅に強化されている。

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