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飛べ飛べルビィ!(後編)

 ボルバッサーによって小鳥にされた夢宮達。日比野が助けるとボルバッサーがクチバシを開けて襲ってきた。そこに真上から光線が命中した。日比野達が顔を上げるとコスモスが火口から光線を撃っていた。

「先生!」

「大丈夫!?」

「気を付けてください!その怪獣、相手を鳥に変える煙を吐きます!」

「嘘!?」

 ボルバッサーがコスモスを睨む。口から火炎を吐く。コスモスは火炎を避けてプロミネンスライフルで攻撃する。すると、ボルバッサーは背中から火山弾を発射した。コスモスは火山弾を避けるとボルバッサーがクチバシで攻撃してきた。

「くっ!」

 コスモスはネイバストサーベルで応戦する。その間に日比野達は夢宮達を運んで洞窟へと向かう。しかし、ヒナ達に囲まれてしまった。その時、ヒナの1体をルギリナが胸を貫き倒した。

「これであと何体だ?」

「まだまだいるぜ。」

 後ろもヒナ達に囲まれた。郷田と橘が後ろを向いてライフルを向ける。そこにボルバッサーがコスモスを叩き着けた。何度もクチバシでつつく。それを見過ごせず姫樹と小石川がボルバッサーを攻撃する。ボルバッサーはコスモスへの攻撃を止めこちらを向いた。

「こっちだ鳥野郎!」

「私達が相手ですわ。」

 姫樹と小石川は火口へ向かい飛ぶ。ボルバッサーも2人を追って飛ぶ。火山内で激しい戦闘が繰り広げられる。2人は日比野達が逃げる時間を作ればいいと考え積極的に攻撃を仕掛けては逃げる一撃離脱戦法をとる。

「おい、どうした!その程度か!」

「それでは私達に敵うことはないですわ!」

 小さい分小回りが利く2人はボルバッサーの周りを着かず離れず攻撃する。しかし、2人を相手してもしょうがないと判断したボルバッサーは狙いを日比野達に変えた。

「おい!待て!」

「相手は私達ですわ!」

 日比野を見たボルバッサーを攻撃する2人。その焦りが隙を生んだ。ボルバッサーは羽撃いて突風を起こして2人のバランスを崩す。2人はぶつかり離れた岩場に墜落する。そこにガスを吐き2人を小鳥に変えた。

「や、ヤバい…」

 それを見たヒナ達が2人に向かって飛んで行く。クチバシを開け食べようとするとそれより早くキュアリアスが来て2人を救出した。

「た、助かりましたわ…」

 ボルバッサーはキュアリアスを追ってガスを吐く。キュアリアスはガスを避けて火口に向かう。ボルバッサーがキュアリアスを追って上昇するとコスモスがヴァリアブルランチャーで攻撃した。ヴァリアブルランチャーはボルバッサーに命中しマグマに落ちていく。

「これで…倒せた?」

「いや…」

 キュアリアスが息を整えているとマグマから出てきたボルバッサーが火山弾を連射してきた。キュアリアスはなんとか避けるが急上昇したボルバッサーの体当たりで吹き飛ばされた。その時に姫樹と小石川を手放してしまう。倒れたキュアリアス達を狙ってヒナ達が走っていく。そこにそうはさせまいとベルッドが斧でヒナを真っ二つにする。もう1体も斬ろうとすると飛んで逃げた。その隙にアリスがキュアリアス達を救出する。

「キリがないな。」

「どれだけいるのよ?」

 洞窟の前でヒナの群れと交戦している日比野達もだんだん疲れてきた。フェルクニモンもサイコキネシスや重力操作でヒナ達を止めていたがそろそろ限界のようだ。

「ちょっと…この数は…無理かも…」

「もう少し持ち堪えてくれ。数は確実に減っている。」

 洞窟を塞いでいる最後のヒナをルギリナが倒す。それを合図に洞窟に向かって走り出す。

 しかし、ボルバッサーが火山弾で洞窟を攻撃し埋めてしまった。しかも、立ち止まった日比野達の前に立ち塞がった。

「まずい…連絡しようにもこの辺りは電波が届かない。コスモスも飛べない。このままじゃ…」

 日比野は夢宮を抱えながら策を考える。ボルバッサーはそんなのを待つことなくクチバシを開けた。それを見たルギリナが下からクチバシを蹴り上げることでガスは真上に吐かれた。

「このまま瓦礫を破壊して進む!これが一番手っ取り早い!」

 ルギリナがこちらを向いて叫ぶ。その途端、怒ったボルバッサーがルギリナ達を踏もうと足を下ろした。ルギリナがとっさに押さえるが巨大なボルバッサーの足にどんどん押されていく。郷田達がボルバッサーの足を攻撃しているとボルバッサーはガスを吐いた。

「やべぇ!」

 郷田達は急いで逃げるが今度は山瀬と南が巻き込まれた。さらに、ガスを撒き散らしこっちに向かっているアリスや疲労しているフェルクニモンにもガスを当てて次々と小鳥に変えていった。

「にゃ〜!?」

「ちょっと…これヤバいよ。」

 一気に劣勢となってしまう。そんな中岩陰に隠れて見ていたルビィのところに礼崎が来た。

「お願い!みんなを助けて!」

「え、む、無理だよ。超天才の私でもさすがにこれは…」

「お願い!好まだとみんなが!」

 礼崎が必死にお願いする。その声に反応したヒナが向かってくる。それを佐古水と飛鳥崎が倒す。ルビィは戦うみんなを見て、そしてピンチになっているみんなを見て震える体を起こした。

(そうよ…何弱気になってるのよ!私は超一流トレジャーハンター!こんなことでへこたれてある場合じゃない!何より私が巻き込んでおいて私だけ逃げるなんて絶対嫌!)

「ルビィちゃん…」

 立ち上がったルビィを礼崎が見る。数で攻めていたヒナの1体が2人に向かってくる。その瞬間、ルビィは赤く輝くと綺麗な赤い鳥に変身した。ルビィほ鳥に変身すると向かってきたヒナを体当たりで倒しボルバッサーに向かった。

 ボルバッサーはルビィに向かってガスを吐く。ルビィはガスを避けて額をつつく。ボルバッサーはたまらず後退りして払う。その一瞬の隙を着いて日比野達はボルバッサーから離れた。

「ルビィ!」

 日比野が叫ぶ。ルビィはボルバッサーの気を引くために逃げた。ボルバッサーもルビィを追って飛ぶ。ルビィは溶岩すれすれの位置を飛ぶ。岩場を上手く抜けて飛ぶ。ボルバッサーは岩場を破壊しながら直進する。

 その様子を日比野達が見ている。すると、夢宮が苦しそうに藻掻き始めた。

「夢宮!?」

 夢宮は日比野から離れると光り始めた。そして、ウルトラレックスブレイブグリッターに変身した。

「マジで!」

「ワシでも変身出来なかったのに…」

 ウルトラレックスはゆっくりと着地する目を開けた。

「あ、あれ?」

「夢宮?」

「僕…戻った?」

 自分の手を見て驚いている。

「自分でなんとか出来たわけじゃないのか?」

「でも今ならイケるんじゃないか?」

「夢宮。」

「うん、行ってくる。」

 ウルトラレックスはすぐにルビィのところに飛んで行った。

 そのルビィを追っているボルバッサーは火山弾をルビィの前にある岩場にぶつけて破壊するとその瓦礫でルビィの進行を邪魔した。ルビィは避けようとするも岩がぶつかり怪我お負う。そのまま溶岩に落ちそうになったところをウルトラレックスが間一髪で助けた。

「大丈夫ですか!?」

「う、うん。」

「後は任せてください。」

 ウルトラレックスは背中から光線を出してボルバッサーの顔に当てる。その隙にルビィがウルトラレックスから離れた。ボルバッサーは狙いをウルトラレックスに変えて追い始めた。ウルトラレックスもルビィと同じように溶岩すれすれで岩の間を飛んでいく。その際、尻尾を溶岩に着けて飛沫をあげた。ボルバッサーはS字に動くウルトラレックスを真っ直ぐ追いかける。すると、ウルトラレックスが溶岩を大きく上げると岩場に隠れた。それを知らずに突っ込んだボルバッサーは勢いを止めることが出来ず壁に激突して溶岩に落ちた。

「グギァ!」

 溶岩から出て来たボルバッサーはウルトラレックスを踏みつけたり尻尾で叩きのめそうとしたり暴れるがウルトラレックスはそれを回避していく。そこにルビィが来てボルバッサーの目をつつく。ボルバッサーは堪らず叩くがルビィが避けたため自分の目を叩いた。

「今だ!」

「行けぇ!」

「お願い!」

 みんなの思いを拳に乗せる。自分の目を叩き狼狽え飛んでいるボルバッサーに真っ直ぐ突っ込む。

「《ギャラクシー…」

 イージスラッガーをドリルのように展開させる。

「…ユニバース…」

 全身が光り輝く。

「…ストレート》!」

 ウルトラレックスの渾身の一撃がボルバッサーを貫く。その瞬間、ボルバッサーが爆発した。その時の煙がみんなを包むと次々と元に戻って行く。

「よ、よっしゃあ!」

「良かった…良かったよ…」

 ウルトラレックスが勝ったのを見て安心したルビィは魔力が尽きて落ちて行く。それを礼崎と姫樹と飛鳥崎が受け止めた。

「おい!」

「ルビィちゃん!返事して!」

 なんとか息をしている状態のルビィを回復魔法で回復させる。すると、残ったヒナの群れが火口から逃げて行った。しかし、今はそれどころじゃない。瓦礫を破壊して道を作ったルギリナ達が呼んでいる。日比野達はルビィを連れてタイタンホークに戻って行った。


「•••ん?ここは…?」

 しばらくしてルビィが目を覚ます。いつの間にか変身は解かれ元に戻っている。キョロキョロ見回すと風間が微笑みながらこちらを見ていた。

「気が付いたようね。」

「私は…」

「あなたのおかげでみんな助かったって感謝してたわよ。」

 風間が扉の方を見ると日比野達が入ってきた。

「気が付いたんだ。」

 日比野がルビィの前に来てお辞儀する。

「ありがとう。君がいなかったら全滅していた。」

「そ、そうね!超天才の私のお、おかげよね!」

 ルビィは褒められ慣れてないのか恥ずかしそうに赤面してあらいつものような態度をとった。それに相変わらずとイライラする姫樹達だが実際ルビィのおかげなところもあるので最初のように態度に示すことはなかった。それを見て礼崎は我が子を見守るお母さんのような顔でウンウン頷いていた。

「あ!それで結局お宝は!?」

「あ、やっぱりトレジャーハンターだ。」

「お宝はどうなったの!?」

 ルビィが思い出したのか日比野に宝のことを聞く。すると、気不味そうに何かの殻を見せた。

「?」

「あの後、調べて見たらあの怪獣の物と思われる割れた卵の破片しか見つからなかったから多分お宝ってこれ…」

「え…」

 ルビィは殻の破片を手に取り呆然とする。が、すぐな気を取り直して破片を返した。

「そ、そうよね!そう簡単に手に入るわけないわよ!そもそもお宝ってのはそういう噂とか眉唾ものばっかりだからそんなんでへこたれるわけにはいかないわ!」

 元気そうになったルビィを見てみんな安心する。タイタンホークはこのままマークタウンへと帰還するのであった。

今回倒した怪獣


怪獣名 ボルバッサー

別名 爆熱怪鳥

身長 55m

体重 2万t

特徴

オーロラ島に住み着いている鳥型怪獣。鋭いクチバシに口から吐く火炎と背中から放つ火山弾、そして相手を小鳥に変えるガスが武器。また、羽を羽撃かせて突風を起こすことも出来る。

 ヒナと共に現れ小鳥にした夢宮達を捕食しようとした。

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