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父は強し

 ストークフェスティバルを明後日に迎えたサーガノアでは各国から様々な兵器が来た。見たことある兵器の改良型や全く新しいストレイザーなど多種多様の兵器がサーガノアにやってくる。夢宮達がその様子を見ていると聞き慣れた声がした。

「久しぶりだねぇ。」

 声に反応して振り向くとコルドウェルがいた。後ろには輸送されたネオフェイザーも見えた。

「あんたも参加するのかよ。」

「もちろんだ。世界中から要人が来る。その者達に私のネオフェイザーを見てもらおうとな。」

 コルドウェルの言う通りいろんな国から大勢の要人達が来訪していた。皆、最新の兵器の展覧会を楽しみにしているようだ。

 別の場所でその様子を見ながら設営の手伝いをしていた夢宮達。すると、警報が鳴った。

『怪獣出現!動ける者はポイントA8に集合!繰り返す!怪獣出現!動ける者はポイントA8に集合!…』

「怪獣!?」

「こんな時にか。」

 夢宮達は急いで向かう。指定されたポイントに到着すると既に警備隊が武器を構えていた。その先にはソードザウルスがいた。しかし、大きさは2m程度で両腕の剣も短くどこかあどけない感じだった。

「あれってソードザウルスだよな?なんか小さくない?」

「子供とか?」

「あ〜、ありえる。」

 後に集合した郷田が小さなベビーソードザウルスを見て思ったことを言う。ベビーソードザウルスは好奇心旺盛なのかライフルを向けられているのに怯える様子もなく向かってきている。

「撃て!」

 警備隊隊長が命令する。隊員達が撃つ。それに合わせて郷田達も撃った。ベビーソードザウルスは驚き痛がり鳴き声をあげた。

「よし、効いてる!このまま…」

「待て!」

 ベビーソードザウルスの鳴き声に呼応するかのように別の高い鳴き声が聞こえた。その時、また連絡が入った。

『怪獣出現!南南西約3km地点に新たな怪獣出現!…照合完了、ソードザウルスです!』

「またソードザウルス!?」

 声がする方向を見ると見慣れた大きさのソードザウルスがこちらに近付いてきた。体には水色のラインが入っている。ベビーソードザウルスはそのソードザウルスを呼んでいるようだ。そこに戦闘機が到着しミサイルを撃つ。すると、ソードザウルスは両手を前に出して水のシールドを展開しミサイルを防いだ。

「水魔法を使うソードザウルス…アクアソードザウルスか。」

 アクアソードザウルスはベビーソードザウルスに近付こうとする。ベビーソードザウルスもアクアソードザウルスに向かっている。それを阻止するために別の部隊がバズーカを撃った。弾はベビーソードザウルスの真上で爆発しそこからでた電気の檻がベビーソードザウルスを閉じ込めた。

 痛みで鳴くベビーソードザウルス。アクアソードザウルスはベビーソードザウルスを助けようと向かうがそこに足がキャタピラになっているストレイザーが来て両手のガトリングで攻撃を開始した。

「おい、ネオフェイザーは発進出来ないのか?」

『はい。現在ガウマとネットワークを同調させています。』

 その様子を見ていたコルドウェルが出撃要請するがダメなようで舌打ちした。すると、夢宮がウルトラレックスに変身するところを目撃した。

 ウルトラレックスは巨大化するとアクアソードザウルスを見て構えた。

「えっと、倒してもいいのでしょうか?」

「これ以上の被害を食い止めるためだ。心を鬼にしろ。」

 ルギリナに言われ深呼吸するとアクアソードザウルスに突撃した。アクアソードザウルスは水魔法の光線を放つとウルトラレックスはイージスラッガーで防ぎながらジャンプしてキックした。アクアソードザウルスは倒れるもすぐにベビーソードザウルスの元へ向かう。しかし、無慈悲にも防衛軍のミサイルや光線がアクアソードザウルスを襲い近付けない。その様子を見ているウルトラレックスはこのままでいいのか迷っていた。

「可哀想じゃが仕方ない。行くぞ。」

「は、はい…」

 ルージュにも言われウルトラレックスはレクシウムブラスターを撃とうとした。その瞬間、斬撃が飛んできてウルトラレックスに命中した。倒れるウルトラレックスを見て驚愕する一同。

「なんだ!?」

「狙撃か!?どこからだ!?」

「いた…」

 どこからの攻撃か探しているとGパワードスーツを装着しているテンシンがスコープで視認した。

「距離は…まじかよ。15kmはあるぞ。」

「相手は?」

「ソードザウルスだ。」

 みんなテンシンが見ている方を見る。しかし、15kmなんて見えるわけがない。すると、テンシンが焦ってみんなに呼びかけた。

「ソードザウルスが来る!…なんてスピードだ。ソニックブームが発生しているぜ。」

 テンシンの言う通りソードザウルスの疾走は凄まじく走った後が衝撃波で吹き飛んでいった。ソードザウルスはそのまま起き上がったウルトラレックスに急接近し剣を突き刺した。ウルトラレックスもシールドで防御するが凄まじい衝撃に吹き飛ばされてしまった。

「夢宮!」

 ルギリナとルージュが駆け寄る。ウルトラレックスはなんとか立ち上がる。全貌を現れたソードザウルス。背中以外傷だらけで両腕から生える剣は今までのどのソードザウルスよりも鋭くなっていた。ソードザウルスはベビーソードザウルスを囲む檻を払う。そのままこちらに攻撃してくるストレイザーを次々と破壊していく。その様子を見た郷田が核心をついた発言をした。

「なぁ、あのソードザウルスってさ…父親なんじゃねぇか。」

「•••確かに。ベビーとアクアを守るように動いている。」

 郷田と佐古水の言う通りあのソードザウルスはベビーソードザウルスの父親でありアクアソードザウルスの夫である。しかし、ウルトラレックスはそんな事知らずスターライトストレートを打つ。それに対しソードザウルスはクロスカウンターを叩き込んだ。剣の長さの分リーチが長いソードザウルスの一撃がウルトラレックスの頬を掠める。そのまま剣を振って距離をとると後ろ回し蹴りでウルトラレックスを蹴る。ウルトラレックスも格闘戦に持ち込むがソードザウルスの格闘術が上回っていた。ウルトラレックスの蹴りを受け止め回転して地面に叩き付ける。ストレートを避け肘打ちする。そして、よろけたところに回転して両腕の剣を振って二の字に斬った後、人の字に斬ってウルトラレックスを倒した。

「マジで!?あのソードザウルス強すぎだろ!」

「あれが守る者を持つ父親の強さか。」

 ウルトラレックスを圧倒するソードザウルス。すると、ウルトラレックスが突然ブレイブグリッターに変身した。

「夢宮!?」

「そこまでしなくても…」

 ウルトラレックスはイージスラッガーを展開し攻撃するがソードザウルスは全て捌いた。ウルトラレックスは口から光線を吐いた。ソードザウルスは剣で光線を弾く。さらに、踵落としでイージスラッガーを落とした。それでもウルトラレックスは別の攻撃で応戦する。すると、ウルトラレックスの中からモルフィナが出てきた。

「ねぇ!夢宮君が返事しない!」

「はぁ!?」

「いきなり変身したと思ったら私の声が届かなくなった!」

「暴走か!?」

 モルフィナが慌てて話す。それを聞いた日比野はすぐにみんなに報告した。

「我を失っているにしては戦い方が理性的だが。」

 新庄がタイタンホークから様子を見ていた。新庄はギャラクシーメーサーキャノンの準備をする。

「ガウマ、発射は頼んだぜ。」

『•••』

「どうした?」

『倒さなければならないのでしょうか?』

「ん?」

『あのソードザウルスは家族を守ろうとしているだけです。それは人間とどう違うのでしょうか?』

「•••そうだな。」

 ガウマに諭され新庄は攻撃を止めソードザウルスの近くを通ることで気を反らした。ウルトラレックスはその隙を着いてレクシウムフルブラスターを放った。ソードザウルスは後ろにアクアソードザウルスがいるのを確認すると真っ向から剣で勝負した。レクシウムフルブラスターはソードザウルスに命中する。爆発が起き煙が上がる。爆煙が晴れると右腕の剣が破砕されたソードザウルスが立っていた。

「なんて頑丈な奴なんだ。」

「今まで確認されたソードザウルスの中で一番強いのは間違いないでしょう。」

 戦いの様子を見ていたギーラが言う。ソードザウルスは剣が砕けてもとうしは折れず戦闘態勢をとる。ウルトラレックスももう一度レクシウムフルブラスターを放とうとした時、ルギリナがウルトラレックスの顔を蹴った。

「!?」

「目覚ませバカモン。」

「あ、あれ?」

 ウルトラレックスは自分が何していたのか分かっていないのかキョロキョロ見回す。その目に写ったのはボロボロになりながらも2体を守るように動いているソードザウルスだった。そのソードザウルスを見たウルトラレックスは戸惑っている。

「あ、あれ?どうしよう…た、倒していいのでしょうか?」

「そうね。だったら倒すんじゃなくて追い払うってことにしたら?」

 ウルトラレックスの迷いにモルフィナがアドバイスする。ウルトラレックスはコクンと頷き右掌をゆっくりと前に突き出して虹色の光線を放った。

《レボリュートルナウェーブ》

 その光線がソードザウルスに命中する。ソードザウルスはウルトラレックスが戦意がないと判断し大人しくなった。そこに2mから10mぐらいのソードザウルスがワラワラと出てきた。ベビーソードザウルスの兄弟達のようだ。

「やっぱり家族なんだ。」

 ソードザウルスはベビーソードザウルス達を抱えるとアクアソードザウルスと一緒に去って行った。

 一応一件落着となったが力尽きたウルトラレックスは元の大きさに戻るとヘタリと座り込んだ。そこにモルフィナが寄ってくる。

「夢宮、何なのさっきの?あんたらしくもない。」

「分からないです。あのソードザウルスと戦っている途中から記憶がないです。」

「はぁ?」

「そこまで夢中になった…とも違うだろうし、何なんだ一体?」

 謎が残る。でも今考えても仕方ない。幸いストークフェスティバルに影響がないため良かったと思うことにした。

 この出来事が後に大きな事件へと発展するのだが彼らはまだそのことを知らない。

今回登場した怪獣一家


怪獣名 ベビーソードザウルス

別名 双剣幼児怪獣

全長 2m

体重 125kg

特徴

生後間もないソードザウルスの赤ちゃん。戦闘力は皆無だが好奇心旺盛で何にでも興味を持ってしまう。他のソードザウルスの兄弟達と比べると小さいため末弟と思われる。


怪獣名 アクアソードザウルス

別名 双剣母怪獣

全長 55m

体重 3万t

特徴

水属性の技を得意とするソードザウルスの亜種。アクアシールドやアクアドームなど防御技を使う。ベビーソードザウルスの母親と思われる。


怪獣名 ソードザウルス

別名 守護剣獣

全長 60m

体重 3万5千t

特徴

ベビーソードザウルス達の父親でありアクアソードザウルスの夫であるソードザウルス。背中以外の傷跡と鋭い両腕の剣が特徴的な歴戦の戦士を思わせるソードザウルス。

 超遠距離から斬撃を当てる《剣閃狙撃》や疾風の如く走り剣を突き出す《ソニックバンカー》相手を天の字に切り裂く《大天紋斬》などの技を使う。

 他にも格闘術に長けているようだ。

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