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怪奇シリーズ 人喰いの森 三部作1︙怪獣少女

「すまねえリーダー!」

 新庄が日比野に謝っている。風間からタイタンホーク内に怪獣ネバルンガが出たと報告を受けて来てみれば既にネバルンガは倒されているがタイタンホークの一部が破壊されていた。その部分はベルッド達が大急ぎで直している。

「だ、大丈夫ですよ。新庄さん達が無事で良かった。」

「ネバルンガ…改めて見てみるとやらしい顔してるな。」

「そうね。まるで郷田ね。」

「なんでだよ。」

 オペレーションルームで修理している郷田達。そこに佐古水が依頼書を持って入ってきた。

「委員長。調査依頼だ。」

「どこからだ?」

「シルバーメリットっていう研究チームだ。内容は人が消える森の調査だ。」

「分かった。チームランスロット、ガウェイン、マーリン、パーシヴァルはすぐ依頼人のところへ直行。残りはタイタンホークの修理が完了次第向かう。」

「「「了解!」」」


「人喰い森?」

 日比野の命令で向かった夢宮達。今いる場所はジャンバラ大陸の北にある広い森林地帯の手前だ。そこで依頼主であるシルバーメリットの隊長サルタンから話を聞く。

「ええ。この森を切り拓いて新たなリゾート地にする予定ですがそこに向かった調査員や工事関係者が次々と行方不明になっているのです。この辺りではコーチー大森林には人を喰らう魔物がいるという言い伝えがあります。私達はその魔物が怪獣ではないかと他の防衛軍などにも依頼したのですが良い報告がないまま行方不明に。」

 サルタンから話を聞いた橘達は微妙に震えていた。どうやらこの手の怖い話は苦手のようだ。

「本当に怪獣か?」

「幽霊とかいないよね?」

「そんなの非科学的よ。」

「魔法がある時点で非科学的だけどな。」

「うるさい。」

 朝比奈が郷田の足を蹴る。準備を済ませていざコーチー大森林に入る。入ってみると普通の森林地帯で特に怖いところはない。いるのも鳥や鹿、熊ぐらいで怪獣の気配がない。夢宮と星雲寺はウルトラレックスとキュアリアスに変身して空から調べる。

「こうして見ると割と普通の森じゃな。変なところはないのう。」

「ルージュちゃん。いい加減俺から降りてくんない?」

「やだ。」

 郷田の頭に乗ってキョロキョロするルージュ。すると、ある一点を見て動きを止めた。

「誰かおるの。」

「熊じゃなく?」

「熊じゃない。いや動物じゃない。」

 ルージュが見る先を見てみるが誰もいない。その時だった。郷田達の後ろで工事の準備していた人達が襲われたのだ。ショベルカーやブルドーザーを簡単に切り裂くとすぐ森の中へ消えていった。

「マジか!早っ!」

 郷田達が慌てて狙うがもういない。その様子は空からウルトラレックス達も見ていた。何かが行ったと思われる方向に行ってみる。しかし、深い森の中を空から探すのは困難だった。そこで二手に別れて森の中を飛びながら探した。

 キュアリアスが森の中を進んでいく。すると、開けた場所に出た。薄暗い森と違い綺麗な白い花畑に太陽が当たり温かい雰囲気に包まれていた。そこに誰かいた。キュアリアスは星雲寺になって近付く。木漏れ日が誰かを照らす。少女だった。少女が何かの前に立っていた。

「ねぇ、あなたは何をしているの?」

 おそるおそる声をかけた星雲寺に振り向く少女。その時、星雲寺は驚いた。

 今、目の前にいるのはヴァンキュラーと共に行動している少女だったからだ。


 一方、下から探す郷田達。深い森の中、道無き道を進んでいると何かが落ちる音がした。振り返ると一緒に来ていた兵士が持っていたライフルだけが落ちていてその兵士がいなくなっていた。

「おい!ガライ!応答しろ!」

 サルタンが無線で呼びかけるも応答がない。すると、また同じように物音がした。その方向を見るとさっきまで後ろについてきたショベルカーの運転手が居なくなっていたのだ。

「どういうことだ!?」

 突然のことで慌てる郷田達。次々と消えていく兵士達。ここに居ては不味いと辺りを警戒しながら安全な場所を探して走った。


 その頃、星雲寺は少女と交戦していた。少女は星雲寺を見るやすぐに走り出し爪を突き立て攻撃した。星雲寺はとっさにバリアを張って防ぐと今度は俊敏な動きで彼女を翻弄した。

「待って!私はあなたに聞きたいことが…」

 星雲寺が声をかけるも無視し鋭い爪で連続攻撃する。星雲寺も仕方なくキュアリアスに変身して応戦した。

「「《モード∶パーシヴァル》!」

 キュアリアスは少女の爪攻撃に拳で対抗する。少女は下がって爪から斬撃を飛ばす。キュアリアスはそれを拳で割りながら進む。

「お話しましょう!」

「お前ら人間と話すことなどない。」

 少女はキュアリアスに接近して攻撃する。キュアリアスはジャンプして回転しながら着地しようとする。その場所に石があった。キュアリアスはそれを見るととっさに飛んで石を避け着地した。その様子を見た少女は攻撃を止めた。

「これ、もしかしてお墓?」

「そうだ。それはマキノの墓だ。」

「マキノ?」

 キュアリアスは星雲寺に戻る。戦闘の意思がないと判断した少女はマキノについて話し始めた。

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