怪奇シリーズ 海の向こうにUFOを見た!
ある日、南は海沿いの街で買い物していた。隣には溝霧とルージュもいる。買い物を楽しんでいると何やら騒がしい。なんだろうと近付いてみると掲示板に写真が貼られていて『情報求む』と記載されていた。海の上を何かが飛んでいる写真だ。
「これ、もしかしてUFO!?」
「いや、普通の航空機じゃろ。」
「でもそれなら情報求むなんて記載しないと思いますよ。」
「そうよ。」
3人が会話していると後ろから声が聞こえた。振り返るとそこにはレイティがいた。後ろにはケイティとエイティもいる。
「お久しぶりですにゃ!」
「ルイチャ久しぶり。」
大喜びで握手する。南はその時レイティの両腕が義手になっていることに気付いた。いや、両腕だけじゃない。両足も義足になっていた。
「あ、これ。あの怪獣から救出されたはいいけど両手足が怪獣細胞に侵食されてたから切り落としたのよ。けど、気にしてないわ。意外と便利だしそれに生きてるしね。」
笑顔で答えてくれたレイティに南も安心する。話を戻しレイティはケイティから受け取った写真を南達に見せた。その写真はハッキリ何かが写っている。緑色の正三角錐の物体が面を上にして浮遊していた。
「この不明物体は最初ライトイージスに姿を現しました。私達はこの不明物体を調査するためにここに来たのです。」
「本当にUFOみたいですね。」
「そもそもUFOってなんじや?」
「Unidentified Flying Object。未確認飛行物体を表した英語の略で流衣にゃんの世界ではここよりもまだ航空技術が進歩していないからこういう国籍不明で正体の分からないものをそう呼んでいるにゃ。」
南が説明するがルージュは?を浮かべ理解出来ずにいた。南が説明を続けているとレイティが海の向こうを見て警戒した。溝霧もなんだろうと気になって見ると写真と同じ物体がこっちに移動して来ていた。
「南さん!あれです!あれ!UFO来ました!」
「ホントにゃ!?」
人々も物体を見る。物体はだんだんこっちに近付くと頂点の1つからレーザーを出して攻撃を始めた。防衛軍も対抗する武器や組織もない街の人々は突然のことに慌てふためき逃げ惑う。そんな中、レイティはすぐにGパワードスーツを装着すると変身した。
《ウルトラアテナ》
「私も!」
「行くよ!」
レイティに続きケイティとエイティもGパワードスーツを装着して変身した。
《サイクロンアテナ》
《スパークルアテナ》
「「お姉ちゃん!」」
「よし。行くぞ!」
3人の巨人はUFOに立ち向かう。UFOは再びレーザーを撃って攻撃する。それをレイティが受け止めた。その左右からケイティとエイティが回り込み側面を蹴りで攻撃した。UFOは奇怪な音を出し名から回転して3人を吹き飛ばす。再びレーザーを撃とうとする。そこにルージュが突撃して反らす。
「UFOというのはよく分からんがとにかくこやつを倒せばよいのじゃな!」
「そのUFO、さっきスキャンしてみたけど生体反応があったにゃ!」
「え、これ生きてるの?」
南の報告にレイティが戸惑う。UFOは縦に回転するとドリルのように突進してきた。レイティは両腕で防ごうとするも弾き飛ばされてしまう。ケイティとエイティがレイティを助けるため後ろから風魔法と雷魔法を放つ。2人の魔法は命中しUFOはよろけた。すると、下の頂点が生々しい音とともに開き中から小さいUFOが大量に飛び出してきた。
「な、なんですかあれ!?」
ケイティがビックリしていると別の頂点も口のように開きそこから泡を吹いた。ケイティは下がって避ける。泡は建物にかかると忽ち溶かしてしまった。小さいUFOは逃げ惑う民衆を襲う。
「《アルギラスティンガー》!」
「《水猫風魔アタック》!」
そこに溝霧がアルギラに変身し南と一緒に小型UFOを撃墜した。
「ここは僕達が!」
「食い止めるにゃ!」
UFOは回転しながら泡を撒き散らす。そこにルージュが火炎で泡を焼きケイティが風で吹き飛ばす。エイティはその隙にジャンプしUFOの上の面に雷をぶつけた。
「ケイティ!エイティ!あれ行くよ!」
「「はい!お姉ちゃん!」」
3人は手を取り合う。すると、光が3人に包み始めた。UFOは3人を攻撃しようとするとルージュが紅龍之咆哮で牽制した。
「「「纏うは愛!輝く未来!」」」
光が消えると1人の巨人になっていた。レイティ、ケイティ、エイティの特徴が所々に見られる。
「「「金色の愛…《キュアアテナ》!」」」
UFOは回転してルージュを振り払うとキュアアテナに向かってレーザーを撃つ。キュアアテナはそれをバリアで防いだ。レーザーが効かないならと今度はドリルのように回転して突進してくる。キュアアテナはUFOを受け止めると思いっきり蹴り上げた。後ろから大量の小型UFOが襲ってくるがルージュがそれを全て焼き落とす。UFOは空高く上がるとさっきよりも回転数を上げて突撃してきた。
「行くよ!」
「「はい!」」
3人は息を合わせ動きを合わせる。キュアアテナは左手首を右肘のあたりで組んで交差させ、十字型の光線をUFOに向けて放った。
「「「《キュアリング光線》!」」」
光線は見事UFOを貫く。穴の空いたUFOはそのまま爆発した。アルギラ達も小型UFOを全て破壊しレイティ達を見上げてホッとした。
「やったにゃ!」
「凄かったのぉ。」
「ありがとうございます。」
元に戻ったレイティ達に駆け寄る南達。民衆も救ってくれたことに感謝している。しかし、結局あのUFOはなんだったのか?それが気になってしまう溝霧であった。
今回倒した怪獣
怪獣名 メタトロン
別名 円盤生物
全長 0.4〜45m
体重 5kg〜2万t
特徴
突然現れたUFO型怪獣。頂点から放つレーザーや頂点を開けて吐く溶解泡、ドリルのように回転して突進する攻撃がある。また、小型メタトロンを出して攻撃することも出来る。
どこから来たのか?目的は何か?その生態すらも謎である。