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怪奇シリーズ 深夜のマネキン

 タイタンホークの修復中の出来事

「この可愛くない!?」

 大型洋服店で買い物している星雲寺、礼崎、舞沢は楽しそうにしていた。いろいろな服を着てどれにしようか悩んでいる。すると、舞沢が何かの視線を感じ振り返る。しかし、誰もこっちを見ていない。星雲寺と礼崎がそのことに気になっていると店員の女性が話しかけてきた。

「お客様、どうかされました?」

「あ、いえ。なんか視線を感じて。」

「お客様もですか?」

「?」

「実は、最近、ここのマネキンがこっちを見ているとか動いてるとかって噂が後を絶えないんです。」

 店員が星雲寺達にこそこそ教える。そこに店長らしき男性がやってきた。

「ジュリ、どうしたんだい?」

「あ、いえ店長!その、また視線が…」

「ああ、あの噂かい?警備員も困っているよ。深夜マネキンが動くとか何故か増えているとか中には怖くて警備を断る人も出てくる始末よ。」

 店長が困っているようなのでおそるおそる星雲寺が挙手した。

「でしたら私達が見てみましょうか?」

「え?」

「私達WISHなんです。もしかして、その事件怪獣が関わっているかもしれませんので。」

 星雲寺達のことを知った店長は考えるがお願いした。

 その結果、星雲寺達は深夜の洋服店で警備することになった。

「せ、星雲寺さん。なんでみんなを呼ばなかったのですか?」

「しょ、正直私達だけで大丈夫だと思ってました。」

「夜の店ってこんなに怖いんだね。」

 3人はビクビクしながら店内を回る。店内は綺麗に片付けられていてもちろんマネキンは倉庫に入っている。そのはずだが…

「ねぇ、なんであんなところにマネキンあるの?」

 礼崎が指差す方向に女のマネキンがあった。もちろん服は着ていない。そのマネキンを見た瞬間、星雲寺と舞沢は礼崎の後ろに隠れた。

「た、ただ片付けるの忘れただけですよね?」

「そ、そうよ!きっとそうに決まってる!」

「2人とも、肩痛い。」

 2人が礼崎の肩を強く握るから礼崎も動けない。すると、カタッという音がしたから振り返る。そこには子供のマネキンがあった。

「ね、ねぇ。もしかして、2人ともこういうの苦手?」

「そ、そんなはずないじゃない!私、お化け屋敷とか1人で平気なタイプよ!」

「礼崎も冗談が好きなのだな。わ、わ、私がこんな非現実的なものを信じるとでも?」

「異世界自体非現実的なんだけどね。」

 ビクビクする星雲寺と怖すぎて口調が変わる舞沢の2人は意外と平気そうな礼崎を先頭にして子供のマネキンに近付く。すると、視線を感じた星雲寺がふと後ろを向くとさっきのマネキンが近付いていた。しかも、その後ろには別の男性のマネキンがいる。

「そ、そうよ!マネキンを操る怪獣がいるのよ!」

「よく言った星雲寺さん!そうよ!そういう怪獣がいるのよ!さっさと倒して帰りましょう!」

 あまりの恐怖に怪獣のせいにした星雲寺。それに賛同する舞沢。2人は礼崎を先頭にしてロッカールームへ入ろうとする。しかし、何故かドアノブが動かない。

「あ、あれ?鍵なんてかけたっけ?」

「も〜千春ちゃん、変なこと言わないでよ〜。」

「そ、そうですよ。さすがにここでその冗談は…ほ、本当に開かない。」

 舞沢もドアノブを回そうとするが動かない。そもそも鍵をかけた覚えがないのにドアノブが動かないのだ。これにはさすがの礼崎も焦り始める。すると、星雲寺が震えながら指を差した。2人が見るとさっきまでなかったはずのマネキンが大量にいた。その全てがこっちを見ている。

「あ、あ、あ…」

「ちょっと多すぎない?」

「•••」

 絶句する3人。すると、礼崎がスタスタとマネキン達の前に出た。

「礼崎さん?」

「千春ちゃん?」

「•••みんなー!今日はライブに来てくれてありがとうー!」

「落ち着いて千春ちゃーん!」

「あれは客じゃない!」

 恐怖で錯乱しライブを始める礼崎を2人が止める。その時、マネキン達がカタカタと音を立てながらこっちに来たのだ。

「いや〜!《モード∶パーシヴァル》!」

 星雲寺はキュアリアスに変身するとマネキンを蹴り飛ばしてしまった。マネキンハ首か吹き飛び倒れている。

「あ!やっちゃった!どうしよう!」

「星雲寺さん、今はそれところじゃないかも…」

 舞沢が引き攣った顔で指差すと次々とマネキンが襲ってきた。キュアリアスはそれを片っ端から倒していく。すると、マネキン達が合体して大きくなった。マネキンは腕を伸ばしてくるがキュアリアスはリアスブレスで吹き飛ばす。バラバラになったマネキンの破片がカラカラと音を立てて床に転がる。それでもマネキンは襲ってくる。

「無理無理無理!出よう!」

「賛成!」

 正気じゃなくなった礼崎を連れて脱出しようとする。しかし、出入口に既にマネキンが立ち並び待ち伏せていた。後ろからは合体したマネキンが襲ってくる。3人は恐怖のあまり気絶してしまった。


「〜さん。星雲寺さん!」

 誰かの声で起きる。星雲寺が目を覚ますと店長がいた。起き上がると隣には魘されている礼崎と舞沢もいる。キョロキョロ見回すとロッカールームにいた。

「あ、あれ?もしかして、夢?」

 星雲寺は2人を起こしてロッカールームを出る。もうお昼のようで客で溢れていた。その光景を見て3人はホッとする。

「そうよね。夢よね。」

「うんうん。あんな怖いことが起きるはずないもの!」

「幽霊なんて非科学的よ。」

 3人は店長に一言挨拶して店を出る。その時マネキンが全てこちらを見ていることに3人は気付いていなかった。

今回倒した怪獣?


怪獣名 マネキン

別名 付喪神

全長 1.7〜15m

体重 50〜450㎏

特徴

マネキンに宿った妖怪的な存在。特殊な攻撃はなくただマネキンを使って襲ってくるだけ。また、大量のマネキンと合体することも出来る。

 本当に存在していたのだろうか?もしくは星雲寺達が見た夢なのだろうか?それは誰にも分からない。

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