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勇ましく輝く戦士へ

「アスカ!アスカ!応答しろアスカ!」

 芹沢が何度も呼びかけるが応答しない。日比野達もアスカの生存に絶望してしまっている時、礼崎がやってきた。

「夢宮君が起きたよ!」

「本当か!」

 日比野達は急いでテントに向かう。すると、ウルトラレックスがテントから出て向かおうとしていた。

「待つのじゃ!今行っても奴には勝てない!」

「でも!」

「ルージュの言う通りだ。落ち着け。」

 ルージュ達に宥められウルトラレックスは止まる。日比野達がそこに来て励ます。

「夢宮、お前は頑張った。今は休んで対策を練ろう。」

 日比野が優しく励ますが状況は悪化していく一方だ。ウランタイトは現在も進行している。防衛線を突破しとうとう大爆発範囲にトロンタウンが入ってしまい迂闊に攻撃すら出来なくなってしまった。

「避難してください!」

 トロンタウンでは避難勧告が出され街の人達が急いで避難していた。ウランタイトは街に入ると橋を壊し家を踏み潰し暴れる。そんな様子を見てウルトラレックスは居ても立っても居られなくなる。

「行かせてください!」

「でも…」

 日比野がなんとか抑えようとするもウルトラレックスの目を見ると何も言えなくなった。

「•••行けるのか?」

「おい!」

「行きます。」

 ルギリナが日比野を止めるがもう止まらない。

「責任は全て俺が持つ。」

「何故そこまで!?」

「俺は夢宮を信じたい。それだけだ。」

 日比野の回答にルージュは黙ってしまった。日比野がウルトラレックスを見て頷く。ウルトラレックスも頷くと走り空を飛んだ。そのままウランタイトが見えるところまでいくと前に手を伸ばした。

「もう行っちゃったから仕方なく手伝うけど無理は禁物よ。」

「はい!でもなんだか胸の奥から湧き上がる力。これなら…レックスー!」

 ウルトラレックスが巨大化しウランタイトの前に着地する。少し遅れてキュアリアス達も到着した。ウランタイトは進行を止めウルトラレックス達を見る。静かになるトロンタウン。その真ん中でウルトラレックスとウランタイトが睨み合う。先に動いたのはウランタイトだ。ウルトラレックスに突撃し鎌を振り上げ攻撃した。ウルトラレックスは鎌を避け体当たりでトロンタウンから出そうとする。しかし、少し下がっただけでまだ出すには程遠い。そこにキュアリアス達が攻撃して援護する。すると、フェルクニモンが加勢に来てくれた。

「そういえば、あの怪獣はグランウィザードと関係があるのか?」

「ないわね。生体構造が違い過ぎる。」

 フェルクニモンは口から反重力光線フェルクニ・ライジングを放つが効果がない。それに合わせてキュアリアス達ももう一度攻撃する。その隙にウルトラレックスはスカイライジングタイプに変身した。

「《レックスサイコキネシス》!」

 ウルトラレックスはウランタイトを持ち上げようとする。しかし、重くて持ち上がらない。ウランタイトは両肩から不規則な光線を放って街中を破壊した。ウルトラレックス達はバリアで防ぐも光線は真上から降り注ぎウルトラレックス達に命中した。そのままウランタイトはウルトラレックスに接近し鎌で攻撃する。ウルトラレックスが鎌を掴むと今度は頭部の結晶をウルトラレックスに突き刺した。

「ぐっ!」

 ウルトラレックスは蹴って離れるとスプリームドリームに戻りレクシウムフルブラスターを撃った。ウランタイトは胸部の結晶から光線を放つ。お互いの光線がぶつかり合うもまたウランタイトの光線がレクシウムフルブラスターを押し出す。モルフィナがとっさにシールドを張るがそれも破りウルトラレックスに命中する。ウルトラレックスは大ダメージを受けて前に倒れる。

「夢宮!」

「やっぱりダメだったんだ。」

 また敗北したと絶望してしまう。モルフィナが何度もウルトラレックスの名前を呼ぶ。すると、ウルトラレックスの中に何かを感じた。それはウルトラレックス自身も感じていた。

(なんだろうこの力。心の奥から溢れてくる力…今ならもしかして…)

「…輝け。」

「レックス?」

「•••輝け、輝け勇気!レックスーー!」

 立ち上がったウルトラレックスが叫ぶ。右腕を高く伸ばしたその瞬間、光がウルトラレックスから溢れ渦を巻いた。その光はウランタイトを初めて退ける。

「夢宮…」

「この光は…」

 日比野達はウルトラレックスから溢れてくる光を感じたことがある。その光はだんだんとウルトラレックスの形を変えていく。勇ましくなった姿は赤や青、金色に輝き無くなったはずのイージスラッガーは4つに増え連なってマントみたいな膜を作り出した。

「その姿…」

「とうとう出来たのか。」

「良かった。本当に良かった!」

 そう。遂にウルトラレックスはブレイブグリッターへと変身したのだ。ウランタイトは新しい姿を見ても怯まず両肩から不規則な光線を放つ。ウルトラレックスはその光線を4つのイージスラッガーで見事に全て捌いた。すると、イージスラッガーをウルトラレックスとウランタイトの周りに展開し回転させた。イージスラッガーから放たれる光はウルトラレックスとウランタイトを包む。そして、両方その場から消えてしまった。

「ウ、ウルトラレックスとウランタイトの反応ロスト!」

「何!?」

「おいおい、どこに行ったんだ?」

 ウルトラレックスを探すも見つからない。まるでこの世界からいなくなったようだ。

 そのウルトラレックスとウランタイトはトロンタウンにいる。しかし、ウルトラレックスとウランタイト以外誰もいない。

「こ、ここはどこ?」

 ウルトラレックスと一緒に来たモルフィナが困惑していた。まるで、イリュテラスの異次元空間みたいだった。

「《レクシウムフィールド》ここなら被害を気にしないで戦える。」

 ウルトラレックスはウランタイトと睨み合う。ウランタイトが先に動く。鋭い鎌を振り攻撃する。ウルトラレックスは右肩に装着していた武器を取り出して鎌を弾いた。そのまま右腕からレクシウムソードを出し二刀流でウランタイトと激戦を始めた。

「《レックススラッシャースペシャル》!」

 左手に持った武器を振り回し連続斬りする。走るまともにダメージを与えたのだ。ウランタイトは再び不規則な光線を放つ。ウルトラレックスは空を扉全てを避ける。そのままイージスラッガーを連結させドリルのように回転させるとそこにキックしたまま突撃した。

《流星スピンキック》

 ウルトラレックスのキックはウランタイトの右肩の結晶を破壊した。大爆発が起きる。が、ここは元の世界とは違うウルトラレックスが創り出した世界、日比野達がいる世界に影響は無い。

 ウルトラレックスは着地するとすぐに反転し弓を引くような動作をする。そこにイージスラッガーを連結させドリルのように回転させると矢を放つようにイージスラッガーを放った。

《レックススパークアローレイ》

 放たれたイージスラッガーはこちらに向いたウランタイトの左肩の結晶を破壊した。また大爆発が起きる。ウランタイトは胸部から光線を発射した。ウルトラレックスはイージスラッガーを前に展開するとレクシウムブラスターを放った。

「《レクシウムエタニティブラスター》!」

 レクシウムブラスターは回転するイージスラッガーが作る輪を通ると黄金に輝き威力も格段に上がった。両者の光線が再びぶつかり合う。

「行きましょう!」

「そうね!」

 少しずつだがウルトラレックスが押し始めた。モルフィナもそれに合わせるように光を放ちウルトラレックスを強化させる。黄金に輝く光線はウランタイトを押し続ける。そして、ウランタイトの胸部の結晶を破壊しウランタイトを貫いた。ウランタイトはそのまま後ろに倒れ大爆発する。

「や、やったよ!あの怪獣を倒したよ!」

 モルフィナが喜ぶ。ウルトラレックスは元の大きさに戻りスプリームドリームに戻る。すると、レクシウムフィールドが消えて行き日比野達も視認出来るようになった。

「夢宮!」

 日比野が声をかける。ウルトラレックスは日比野達を見て笑顔でピースする。

「勝ったんだな。ウランタイトに勝ったんだな!」

「よっしゃあ!すげーよ勇輝!」

 日比野達が喜ぶ。モルフィナが一部始終をみんなに話す。みんな驚くと同時に喝采した。その様子を遠くからヴァンキュラー達が見ていた。

「やはりすげーなウルトラレックス。」

「中々厄介になったんじゃないか?」

「まぁ、しばらくは会うことないから良いけど。」

 そう言ってヴァンキュラー達は去って行った。

 ウルトラレックスブレイブグリッターをスキャンしていたコルドウェルもその強さに驚くと同時に興味を示した。

「素晴らしい。あの力さえあれば…」

 ウルトラレックスを見てニヤリと笑うコルドウェル。そんなことを知らずウルトラレックス達は勝利を喜ぶのであった。

今回倒した怪獣


怪獣名 ウランタイト

別名 宇宙怪鉱石獣

身長 59m

体重 15万t

特徴

突如隕石とともに飛来してきた初の宇宙怪獣。大気圏にも耐えられる頑丈な体を有しウラン同士を融合させることによって起こす核爆発をエネルギー源としている。

 主な武器は鎌状の結晶ウランシザーズ、両肩の結晶から放つ不規則に動く光線ウランスティンガー、胸部の結晶から放つ高火力光線ニュークリアスエクスプロージョンである。

 心臓らしき臓器以外持っておらず自身で核融合に似た反応を起こすことが出来る。謎が多くまだ未知の怪獣である。

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