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シスターシルヴィア、頑張ります!

 ある日、久しぶりに怪獣が出没しないためWISHは休暇としてセイビスという街に来ていた。セイビスはジャンバラ大陸一文明が進んでいると言われウルドセイザーにも負けないほど栄えていた。

「すごい賑やか。」

「周りが遺跡だらけなのが信じられないぐらい先進国だぜ。」

「ここの食べ物も美味しいです。」

 夢宮達は買い食いしながら街を歩いている。すると大通りで演説しているシルヴィア達を見かけた。久しぶりの再会に呆然としているとこちらに気付いたシルヴィアが目をキラキラさせてものすごいスピードで夢宮達の目の前に来た。

「お久しぶりです!入信しませんか!?もし今トゥルディス教に入信しましたらこのロザリオを差し上げます!」

「なんかこの流れ懐かしいな。」

久しぶりのシルヴィアの物凄い勧誘にたじろぎつつもここにいる理由を聞いてみた。

「こちらで演説です。トゥルディス教はここでは余り広まっていませんので。」

「確かにここじゃ余り見かけないな。」

 郷田がキョロキョロ見回すが誰もトゥルディス教に興味を持っていないようだ。シルヴィア達が演説している間も歩きながら聞いている人はいれど立ち止まって聞いている人はほとんどいなかった。

「アースラタシア大陸だとほとんどがトゥルディス教信者だったもんなぁ。」

「はい。」

 シルヴィアがショボンとしている。郷田はシルヴィアを慰めながら彼女の胸を凝視している。夢宮と堀垣が郷田の目を反らさせている時、持っているスマホに連絡が入った。

「はい、こちら夢宮。」

『夢宮さん!3時の方向に怪獣反応です!』

 エメラナの連絡を受けて3時の方向を見た瞬間、多数のヘリと巨大な蛇型怪獣が現れた。怪獣はヘリの攻撃を全くものともせず森の中を進みこちらに向かってくる。

「もうあんなところにいるのか!」

「避難がまだ出来てません!」

 怪獣が向かうところにはまだ逃げ遅れている人達がいる。怪獣はセイビスに設置されている砲台からの攻撃を受けると額の結晶から光線を放って砲台を破壊した。

「まずいぞこれ。」

「僕が行きます!」

 夢宮は走り出しウルトラレックスに変身して怪獣して怪獣の前に着地した。怪獣はウルトラレックスを警戒したのか動きを止め胴体を高く上げ上からウルトラレックスを見下ろした。そして、威嚇として大きく口を開け唸り声をあげた。

「行きます!」

 ウルトラレックスは巨大化して怪獣にタックルする。怪獣も頭突きで応戦する。長く太い胴体をくねらせウルトラレックスに何度も頭突きをする。ウルトラレックスは空を飛んで上からレクシウムブラスターを放った。レクシウムブラスターは怪獣に命中する。怪獣は激しく胴体をくねらせる。すると、こちらに向かって口を大きく広げ舌を出した。その舌を小刻みに揺らす。その瞬間、ウルトラレックスに衝撃波が命中した。油断してしまったウルトラレックスは森の中に墜落する。

「マジか!あの怪獣、夢宮の一撃受けても戦えるのか!」

 走りながらその光景を見た郷田達。怪獣はすぐにウルトラレックスを捕まえ絞め上げる。ウルトラレックスの体から嫌な音が聞こえる。ウルトラレックスは堪らず元の大きさに戻って逃げる。

「大丈夫かあいつ…」

 郷田達が急いでタイタンホークに戻っているとシルヴィアが怪獣に向かって行くのが見えた。慌ててシルヴィアのところに行き彼女を止める。

「待て待て!何してんだ!?」

「あの怪獣にメッ!するんです!」

「そんな可愛く言ってもダメでしょ!」

「私は行きます!人間と怪獣の共存のために!」

 シルヴィアの真剣な眼差しに郷田が力を緩めた隙を付き離れると天に向かって祈りを捧げた。その瞬間、シルヴィアの体が光る。そして、その姿がだんだんと変わっていった。

 クラゲのような姿をしていた。腕と思われる長い2本の触手、足と思われる胴体から出る3本の触手、傘には細い触手と目と口のようなもの、そしてトゥルディス教のシンボルマークが付いていた。

「え…シルヴィアちゃんも怪獣なの…」

「はい。これがシルバージェルです!」

 5mぐらいの大きさにまで大きくなったシルヴィアの怪獣シルバージェルに郷田が唖然とする。シルバージェルは怪獣に突撃すると怪獣の顎に体当たりをした。怪獣がよろけるとシルバージェルは触手を伸ばして怪獣の口を縛り投げ飛ばした。

「嘘〜。」

 なんとか復帰したウルトラレックスが唖然とする。シルバージェルはそのまま怪獣をブンブン振り回してまた投げ飛ばした。さすがの怪獣も目が回り倒れた。そこに元に戻ったシルヴィアが近付く。

「ダメです!人間を襲ってはいけません!怪獣と人間は共存出来るのです!無闇に人を襲うものではありません!トゥルディス教は…」

「凄えよあの子。あんな怪獣相手に説教と布教を始めたぜ。」

「•••」

 自分よりも遥かに巨大な怪獣相手に臆せずトゥルディス教の教えを広めようとしているシルヴィアに郷田とウルトラレックスは呆然としている。後から援護に来たルギリナ達もシルヴィアを見て呆然としていた。

「なぁ、何故あの女は怪獣に布教しているのだ?」

「あの子、確かトゥルディス教の子よね?」

 シルヴィアの説教と布教を長々と聞かされた怪獣はそそくさと退散していった。

「これで人間と怪獣の共存に一歩進めればいいのですが。」

「あの子ならなんか現実にしそうよね。」

「その前にあの女の怪獣形態強くない?」

 去って行った怪獣を見送ったシルヴィアはウルトラレックス達に気付くと物凄いスピードで近付きキラキラした目で語りかけてきた。

「どうでした!?あなたも怪獣と人間の共存のために私と一緒にトゥルディス教に入信しましょう!」

「か、考えておきます。」

「はい!」

 シルヴィアの意外な一面を見た一同は彼女に対する考えを少し改めたのでした。

今回登場した怪獣


怪獣名 シルバージェル

別名 信仰生物

全長 5m

体重 300kg

特徴

シルヴィアが変身した怪獣。クラゲのような見た目をしていて傘にはトゥルディス教のシンボルが刻まれている。浮遊と長い触手を使って戦う。他にもいろいろ技や能力があるが不明。グランウィザードやヴァンキュラー関係無くトゥルディスへの信仰のみで怪獣化した異色の怪獣。


怪獣名 ジャラドラ

別名 蛇竜

全長 155m

体重 5万2千t

特徴

巨大な蛇の怪獣。長い胴体による締め付け攻撃や体当たり、頭突きの他に額の結晶から光線、口から超音波を放つことが出来る。またかなりの耐久力がありレクシウムブラスターをくらっても戦える。かなりの肉食で人間の他に怪獣も食べることがある。

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