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大変!怪獣が1万匹に増えちゃった!?

 ヌマラを引っ越しさせた夜、ウルトラレックスは怪獣と戦っていた。

 突如現れた怪獣。体の各所に生えた赤い球体状のパーツ、アンテナのような角、長い尻尾、背中にある無数のトゲが特徴的な怪獣は山奥にある発電所に向かっている。ウルトラレックス達は怪獣を発電所に向かわせないように押していた。

「いきなりなんなんだこの怪獣!?」

「突然雷と共に現れたと思ったら山根焼きながら都市部へ進行している…」

 怪獣の後ろからルギリナとルージュが攻撃するも少し怯むだけで怪獣は進行を止めない。ウルトラレックスも押しているが怪獣が全身から放つ青い電撃に苦戦していた。すると、どこからか光線が発射され怪獣に命中した。

「!?」

 ウルトラレックス達が発射された方向を見るとタイタンホークとジオコスモスがいた。

「みんな!?」

『夢宮!聞こえるか!?一緒にその怪獣を対峙するぞ!』

「はい!燃〜え〜滾れ〜情熱!レックスー!!」

 自身の周りに炎の渦を纏わせるとバーンスマッシュタイプに変身したウルトラレックスは怪獣を押し始めた。怪獣は青い電撃を放って対抗するがウルトラレックスは怪獣を持ち上げ空中に投げ飛ばした。

「《トルネードスロー》!」

「今だ!《ギャラクシーメーサーキャノン》発射!」

「「《スパイラルブラスター》!発射」」

「《ダークネススパークレイ》!」

「《紅龍之咆哮(バーニングドラグーンノヴァ)》!」

 一斉に放たれた光線は全て怪獣に命中し粉々に砕け爆発した。

「よっしゃあ!倒した!」

「よし。作戦終了。」

 一安心したウルトラレックス達は一先ずタイタンホークへ帰った。

 怪獣の撃破により、事件は終結したかに見えた。だが……それは本当の恐怖の、幕開けにしか過ぎなかったのだ……


「それであの怪獣はなんですが?」

「俺達も分からん。突然雷の音がしたらと思ったら怪獣が現れたという連絡を受けて来たら夢宮達が戦っていた。」

 後日、ウルトラレックスが日比野に聞くも新たな情報は得られなかった。でも怪獣は倒せたと一安心していると通報が入った。

「はい、WISHです。…はい。…はい。……え!?わ、分かりました!すぐ急行します!」

 連絡を受けたラフィが驚愕しながら報告した。

「ハスホソシティで先日倒した怪獣が大量発生していると通報が入りました!」

「何!?」

「大量発生ってどういうこと?」

 驚きつつも日比野はハスホソシティへと向かった。

 ハスホソシティに着くと日比野達は唖然とした。先日倒した怪獣が人間大になって大量発生しているのだ。怪獣は車や電気機器、電柱から角を通して電気を吸収したり先に来ていた防衛隊と交戦していた。

「マジであの怪獣だ。」

「この近くに卵があったとか?」

「あり得るな。あの怪獣を倒したのはここからそう遠くはない地点だからな。」

「とにかく怪獣を倒すぞ!」

「「「了解!」」」

 日比野達は散開し怪獣を各個撃破することにした。真っ先に仕掛けたのは飛鳥崎だった。飛鳥崎は吸電している怪獣の顔を殴り飛ばした。

「電気吸ってる怪獣見るとあいつ思いだすぜ。」

「確かに。こいつらのせいでこの街の都市機能が完全に麻痺してるしね。」

 山瀬と皇凰院が隣に並ぶ。怪獣は赤い球体状のパーツを発光させて青い電撃を放って攻撃する。3人はそれを避ける。それと同時に皇凰院が膝裏を蹴りバランスを崩し山瀬が踵落としで怪獣の頭を下げる。そして、飛鳥崎が怪獣に向けて水魔法を纏った拳で一撃を与えた。

「喰らえ!《アスカボンバー》!」

 飛鳥崎の一撃を食らった怪獣は爆発四散した。

「よっしゃぁ!」

「名前ダサいな…」

「黙れ!」

 飛鳥崎と山瀬が言い合っている。すると、皇凰院が豆鉄砲を食らったハトのような表情をしながら指差しているのが見え差した先を見る。すると、怪獣の破片がグニョグニョと動き出した。

「何!?」

「こいつ、再生怪獣か!」

 二人が下がると破片はだんだんと怪獣になっていった。そう、四散した破片が全て怪獣になったのだ。

「「•••え?」」

 二人は呆気にとられた。増えた怪獣は一斉に青い電撃で攻撃を開始した。

「嘘だろ!嘘だろ!分裂怪獣とか有りか!?」

「こちら皇凰院!応答願います!怪獣はバラバラにされても破片から新たな怪獣が誕生します!」

『•••そっちもそうなったか。』

「え?」

 皇凰院の応答に反応したのは日比野だった。しかし、彼もまた後悔していた。日比野達の前には分裂した怪獣がうようよいた。その光景を見て唖然としていまう。

 この光景は各地で各個撃破していた郷田達も同じだった。特に酷かったのがウルトラレックス達だった。出会ってすぐに全員が必殺技でバラバラにした結果何百倍にも怪獣が増えてしまったのだ。

「•••あ、あの…」

「言うな。分かってる。」

「ワシら、やらかしてしもうたのぉ。」

 増える怪獣に苦笑いしか出来ないウルトラレックス達。そこにタイタンホークで待機していたエメラナから連絡が入った。

『今、怪獣の数は1万匹を越えてます。』

「聞きたくなかった!」

 ウルトラレックスが頭を抱える。モルフィナがウルトラレックスの頭をよしよし撫でて慰めている。

 もちろん、その報告は他の部隊にも伝えられている。

「嫌だ!聞きたくない!聞きたくない!」

 大量の怪獣を前にして姫樹は耳を塞ぎ現実逃避している。小石川と南も同じように怪獣を見ず現実逃避している。

「これ、どうすればいいのだ?」

 橘達は切れた電線から電気を吸収している怪獣を見て呆然としている。

「なぁ、いっそ燃やす?」

「案はいいが街を巻き込むことになる。」

 郷田がヤケクソになり佐古水が落ち着かせる。堀垣とベルッドも出来れば郷田の案に乗りたいと思っていた。

『総員、タイタンホークに帰艦せよ。』

「「「了解。」」」

 日比野の指示で全員帰艦した。

「あれどうすんだよ!?」

「今考えてる。」

 怪獣の対策を考えるも中々いい案が出ない。考えている今も怪獣はハスホソシティ全体で電気を吸収している。

「あ、あの…」

「なんだ天谷?」

「あの怪獣を元に戻せないのでしょうか?」

「それだ!」

 日比野がダンッと机を叩き立ち上がる。早速天谷の案を協同で怪獣退治していた自衛隊に伝える。

『なるほど。分裂するなら合体するかもと。それが出来れば合体させた後今度は溶かすなり破片が残らない方法で倒すと。』

「はい。まずはその合体させる方法なのですが…」

『それならいい情報がある。』

「本当ですか!?」

『あぁ。まず、あの怪獣をエレクウダと命名する。』

「あ、はい。」

『エレクウダの体表を調べたところ磁石と同じように金属に引っ付く性質がある。そして、エレクウダは電気を主食としハスホソシティ全域の電気を吸収している。』

「なるほど。電力を一箇所に集めれば磁石のようにエレクウダがくっつき合体すると。」

『あくまで可能性の話ですが。』

「分かりました。その作戦に僕達も参加させてください。」

 こうして、エレクウダ討伐作戦が始まった。


 最初にエレクウダが狙っていた発電所の協力も得てハスホソシティから少し離れた場所に鉄塔を建てる。その間エレクウダがハスホソシティから出ていかないように防衛隊と一緒に見張っている。

「よし、これで鉄塔は完成だ。早速電力をお願いします。」

 防衛隊のリーダーである男性が発電所の責任者にお願いする。責任者はスマホで指示を出すと鉄塔に電力が送り込まれ始めた。それと同時にハスホソシティの電力供給をストップしエレクウダの群れがこちらに来るように仕向けた。作戦通りエレクウダの群れは鉄塔に向かって進行してきた。しかし、だんだんと進行してくる数が減ってきた。

「な、何故来なくなった!?」

「隊長!エレクウダの群れが鉄塔ではなく発電所に向かって行きます!」

「クソっ!まだ電力が足りないのか!•••そうだ!総員!雷魔法が使える者は鉄塔に雷魔法を撃って電力供給!それ以外はエレクウダが発電所に来ないように足止めしろ!」

「了解!」

「佐古水!お前達も頼む!」

「分かった。」

 日比野も佐古水達に指示を出す。佐古水、空咲、山瀬が鉄塔に向かう。

「そういえば、うちって雷魔法使える奴少ないんだな。」

「まだ電力が足りんぞ!」

 佐古水達が鉄塔に向かって雷魔法を放ち電力供給する。しかし、まだ電力が足りない。そこにウルトラレックスが巨大化した。

「冴えわたれ純情、レックス!」

 ウルトラレックスはすかさずスカイライジングタイプに変身し鉄塔に雷を放った。すると、エレクウダが徐々に鉄塔に集まる。磁石にくっつく砂鉄みたいに群がり鉄塔を包むと元の大きさのエレクウダになった。

「よし!作戦成功だ!」

「夢宮!」

 日比野が叫ぶ。ウルトラレックスは再びエレクウダと交戦する。エレクウダは発電所の方を向いて進む。ウルトラレックスは長い尻尾を掴み引っ張る。エレクウダは尻尾から放電しウルトラレックスにダメージを与えた。そこにルージュが体当たりしてエレクウダを発電所から遠ざける。それに加えてコスモスがプロミネンスライフルでエレクウダを攻撃し怯ませた。

「それでエレクウダをどうやって倒すんですか?」

「試したいことがある。まずは誰もいない広いところにエレクウダを移動させてくれ。」

 隊長の指示でやってきた戦闘機がエレクウダを攻撃する。ウルトラレックスは尻尾を引っ張りブン回し原っぱへ投げた。投げ飛ばされたエレクウダは地面に激突するがすぐに立ち上がり青い電撃を放った。ウルトラレックス達が電撃を避けると今度は口から青い光線を吐いた。

「《イージスバリア》」

 ウルトラレックスは前方にイージスラッガーを展開しバリアを張って光線を防ぐ。そこにジオフェニックスと新庄が乗る新たなラプターがエレクウダの後ろこら攻撃しエレクウダを怯ませた。そこ隙に戦闘機部隊がミサイルを発射する。ミサイルはエレクウダの上で爆発し白い粉がエレクウダに降り注いだ。すると、エレクウダの体が凍ってきた。ウルトラレックスもストップフリーザーでエレクウダを凍らせる。

「なるほど。そういうことですか。」

 隊長の作戦を理解した日比野はWISHに指示を出す。隊長も部隊に指示を出して一斉にエレクウダを攻撃した。ウルトラレックスも凍ったエレクウダに向けてレヴォリュートスパークを放つ。全ての攻撃はエレクウダに命中しエレクウダは爆発し霧散していった。

「やったー!」

「作戦終了。皆よくやった。」

 破片もなく完全に消滅したエレクウダを確認してみんな喜ぶ。こうして、都市機能を麻痺させたエレクウダの襲撃は幕を閉じた。

 しかし、ハスホソシティの一角に小さなエレクウダがいることを誰も知らなかった。

今回倒した怪獣


怪獣名 エレクウダ

別名 分裂吸電怪獣

身長 67m(怪獣時)、0.4〜2.2m(分身体)

体重 5万8千t(怪獣時)、4〜120kg(分身体)

特徴

 体の各所に生えた赤い球体状のパーツ、アンテナのような角、長い尻尾、背中にある無数のトゲが特徴的な怪獣。主な武器は全員から放つ青い電撃、長い尻尾を巻き付けてからの放電、口から放つ青い光線である。

 そして、最大の特徴が分裂した破片から「分身体」となって活動し、いくら細かく砕いてもその分だけ増え続けることである。また、電気を主食としているのか電気が多いところに向かう習性がある。

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