瞬間移動を攻略せよ!
「さぁて、どれぐらいいけるかねぇ。」
ヴァンキュラーはニヤニヤしながらウルトラレックス達の攻撃を避けた。ウルトラレックスはイージスラッガーでヴァンキュラーを追うがヴァンキュラーは瞬間移動を駆使し何度も回避する。
その様子を松田は怯えながら見ている。
「ほ、本当に怪獣だ。」
松田はヴァンキュラーと交戦しているアルギラを見てビビりながら逃げた。
アルギラがノスフェルトブレードでヴァンキュラーを攻撃しようとするもなかなか狙いが定まらない。そうしているとヴァンキュラーがアルギラの背後をとり蹴り飛ばす。そこにウルトラレックスがレクシウムブレードで斬りかかったがまた避けられ背後からまた蹴り飛ばされた。
「ちょこまかと!」
キュアリアスが狙いを定めハート型の光弾を発射しようとする。
「いいのか?もし外したら遺跡が壊れるぜ。」
「!」
その一言に躊躇してしまう。すると、ヴァンキュラーほキュアリアスの背後を取った。そのまま後ろからキュアリアスの胸を揉み始めた。
「いやぁ~!」
キュアリアスは叫び後ろ回し蹴りし胸を押える。ヴァンキュラーはさっきから本気で戦おうとしていない。それを見た橘がラットラスを蹴り飛ばして叫んだ。
「貴様!さっきから巫山戯るのも大概にしろ!」
「これが俺の戦い方その1。俺は戦闘向きじゃないから正面からは君達に勝てないのは充分分かってるからな。」
ヴァンキュラーは飄々とした態度で答える。そこにアルギラが舌を伸ばして攻撃するもヴァンキュラーはまた避けた。
(あの瞬間移動をなんとかしないと…)
ウルトラレックスは息を整える。そして、
「冴えわたれ純情、レックス!」
ウルトラレックスはスカイライジングタイプに変身した。そのままウルトラレックスも瞬間移動でヴァンキュラーに接近する。ヴァンキュラーも瞬間移動で対抗する。2体の怪獣が瞬間移動でエルギルの塔の中を移動する。すると、ヴァンキュラーが最初にいた橋に着地すると腕を高くあげ指を鳴らした。その瞬間、エルギルの塔を赤い結界が包んだ。
「!?」
「《ブラッディバベル》相手を逃さない且つ援軍を寄せ付けないための技だ。」
ヴァンキュラーはチラッと外を見る。そこには異変を知った姫樹達がいた。しかし、ブラッディバベルによって入ることが出来ない。それを確認したヴァンキュラーはまた瞬間移動でウルトラレックス達を翻弄した。
その様子を姫樹達は外から見ていた。しかし、結界が赤いうえに不気味に光っているため中がよく見えない。姫樹はブラッディバベルにサイクロンアローレイを放つが効かない。小石川もデキサスレールガンを放つが効かなかった。
「どうなってんだこれ!?」
「私のデキサスレールガンも効きませんわ。」
二人が悔しそうにブラッディバベルを見る。
その中ではウルトラレックス達がヴァンキュラーに苦戦していた。誂うように瞬間移動しながらウルトラレックス達を攻撃する。すると、ウルトラレックスは3体に分身した。
「《レックスイリュージョン》」
「おっ、面白い技だな。」
ヴァンキュラーはジブの手を傷付け血を飛ばす。3体とも血を避け青いカッター状の光線を放つ。ヴァンキュラーはそれを瞬間移動で避け3体の背後をとる。そこにアルギラが来て舌を伸ばしヴァンキュラーを捕らえた。
「よし!」
「甘いよ。」
アルギラが引き寄せようとするもヴァンキュラーは瞬間移動で逃れた。そのままアルギラの胸を蹴り飛ばした。その隙にキュアリアスが何かを詠唱した。
「《モード∶グィネヴィア》!」
キュアリアスが叫ぶと全身から緑色のオーラを放った。キュアリアスはそのまま猛スピードでヴァンキュラーに接近した。
「《ストームストレート》!」
風を纏ったパンチを打つがヴァンキュラーはまた避けた。
「高速移動と瞬間移動は違う。ただ速いだけじゃあ俺は捕まらねぇ。」
「なら数だ!」
声と共に郷田がヴァンキュラーを狙って撃った。それに続いて橘もヴァンキュラーを撃つ。ヴァンキュラーはそれも瞬間移動で避けてしまう。そこにキュアリアスが風でヴァンキュラーの周りを覆った。
「あんたの瞬間移動って間に障害物がないところ限定よね?」
キュアリアスの仮説にヴァンキュラーは黙る。すると、ニヤリと笑ってキュアリアスの真後ろに瞬間移動した。
「残念、ハズレ。」
ヴァンキュラーはキュアリアスを羽交い締めして首筋を噛もうとする。そこにウルトラレックスとアルギラが駆け付けレクシウムソードとノスフェルトブレードでヴァンキュラーを斬ろうとするもまた瞬間移動で避けられた。
「星雲寺さん!さっきのもう一回お願いします!」
「えっ?わ、分かった!」
キュアリアスはもう一度瞬間移動したヴァンキュラーの周りを風で覆った。
「何とかやっても…」
「快翔!溝霧!橘さん!」
「おう!」
「はい!」
「ああ!」
ウルトラレックスが叫ぶ。その瞬間、郷田と橘が閃光弾を放ちアルギラは角を発光させた。その光にヴァンキュラーは目を瞑った。
「あなたが使う瞬間移動は目に映る範囲だよね。」
そう言ってウルトラレックスはストップフリーザーで風を凍らせてヴァンキュラーも凍らせた。
「行くよ!」
ウルトラレックスはスプリームドリームタイプに戻るとレクシウムブラスターを放つ。それに合わせてキュアリアス達も一斉に攻撃した。その攻撃によりヴァンキュラーが爆発した。
「や、やっと倒せた…」
ヴァンキュラーを倒したと喜ぶウルトラレックス達。しかし、笑い声が聞こえた。ウルトラレックス達が声がした方向を見るとヴァンキュラーが座っていた。
「まだ生きてたのか。」
「しぶとい奴だ。」
「さてと、本気を出すか。」
「今までが本気じゃなかったと?」
「忘れたか?俺は怪獣だぜ。」
そう言ってヴァンキュラーは自身の周りに赤い結界を張り怪獣に変身した。




