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怪獣盗賊団(後編)

「•••こ、ここは?」

 橘が目を覚ます。今いる場所を確かめようとすると嘘ろ手に拘束されていることに気付いた。さらに、装備ほもちろん服が一切なく全裸で拘束されていた。魔法を使おうとするも何故こ魔法が使えない。

「な、なんだ!?」

 橘の叫びで礼崎と朝比奈も起きて状況を確かめる。そして、顔を真っ赤にして蹲った。礼崎の髪留めや朝比奈の眼鏡も没収されていた。

「なんで!?まさか、もう•••」

「•••」

「安心しろ。まだ犯してはない。」

 股をモジモジさせながら心配する礼崎に答えながらキュライオスが部屋に入ってきた。彼が入ってきた扉以外に出口なないため地下室の可能性が高い。

 キュライオスは橘達の前で止まると彼女達の前に破壊されたライフルや発信機を投げた。

「既にお前らの武器や発信機は破壊した。お前らは人質だ。」

「結局殺すつもりなのにか?」

「それはお前らの返答次第だ。どうだ?怪獣になってみないか?」

 キュライオスは膝をついて橘と同じ目線になって勧誘を始めた。

「断る。」

 橘は即答する。朝比奈も礼崎も黙っているが橘と同じ意見だ。それを確認したキュライオスは部屋を出ようと方向転換した時、上が騒がしくなっていた。

「なんだ?」

 キュライオスが部屋を出て確かめようとすると盗賊団の仲間がキュライオスのところにやってきた。

「やべーぜ兄貴!連邦警察隊が来てやがる!」

「なに?追跡はされてなかったはずだ?発信機も全て破壊したよな?」

「も、もちろんだ!」

 仲間が慌てて答える。キュライオスは違和感を感じ部屋に戻ると朝比奈の口を無理矢理開けた。すると、歯に発信機が付いていた。

「やられた。お前、俺達と会ってから一切喋ってなかったな。もっと警戒すべきだった。」

「残念。もう遅いわ。」

 キュライオスは発信機を取り出して踏み潰す。すると、さっきの仲間を倒したスコットがやってきた。

「とうとう追い詰めたぞキュライオス。まさか、洞窟の地下に隠れ家を作っていたとはな。」

「まったくやられたぜ。」

「あぁ、朝比奈君のおかげだよ。」

 スコットの後ろからは兵士達とエルシアナがやってるる。

「みんな、大丈夫!?」

「大丈夫だ!」

「けど魔法が使えない!」

「アンチマジカライズか。」

「御名答。」

 キュライオスは橘達を人質にするために拳銃を取り出して向けるがそれと同時にスコットが魔法で拳銃を吹き飛ばす。キュライオスは腕を掴みながら兵士達から逃げる。その隙にエルシアナ達が橘達を解放する。

「調子に乗りすぎた末路か。これは大人しく受け止めよう。」

「なら、お縄に付いてもらうぞ。」

「そいつは断る。」

 そう言ってキュライオスは怪獣に変身した。スコット達はその姿に驚くが橘達はそれを知っているためすぐに動き出しキュライオスの前に出た。エルシアナが魔法で用意した服を着て拳を前に突き出している。

「素手でもいけるか?」

「こういう時のために鍛えている。」

 橘が一気に走り出して距離を詰める。その後ろで朝比奈と礼崎が魔法を出して援護した。橘の拳を受け止めたキュライオスは腹にパンチする。それを橘が受け止める。お互い、拳を掴み拮抗している。そこに二人の魔法が命中する。キュライオスは橘を投げ飛ばし下がる。今度ほエルシアナが魔法を放って攻撃する。

「まずいな。さすがに数的不利だ。」

 キュライオスは壁に凭れると壁に描かれた魔法陣の中に消えて行った。

「あの野郎!」

「逃がすか!」

 橘は真っ先に魔法陣に手をかけるが全く反応しない。そこにエルシアナとスコットが来て手をかざし魔法陣を発動させた。

「この程度の転移魔法。」

「私達なら簡単に起動出来ます。橘さん、行ってください。」

「ありがとう。」

 橘はお礼を言うと礼崎、朝比奈、兵士達と一緒に魔法陣へ入って行った。

 キュライオスが逃げた場所は武器庫だった。そこで橘と初対面した時に使っていた武器を装備していると橘達が魔法陣からやってきた。

「ちっ。時間稼ぎにもならなかったか。」

 キュライオスはマシンガンを撃つが礼崎がバリアを張って防ぐ。橘は近くにあったマシンガンを手に取り応戦した。そのままキュライオスに突撃する橘を二人は再び援護した。キュライオスはマシンガンを撃ちながら窓を割って逃走した。橘も後を追う。どうやら武器庫は洞窟のある崖の中腹にあるようで結構高さがあった。

「あ、ヤバ。」

 キュライオスはいつの間にかいたドローンに掴まっている。橘はマズいと思い戻ろうとすると朝比奈が呆れた表情をして氷の道を作って橘を助けた。

《フローズンロード》

「あんたらしくないわね。」

「す、すまない。助かった。」

「行くよ!」

 朝比奈が氷の橋を作る。その上を橘と礼崎が渡ってキュライオスに突撃した。キュライオスは離れながらマシンガンをぶっ放して応戦する。そこにまた幾つかドローンが現れ今度はしたに付いているマシンガンで攻撃をし始めた。

「邪魔をしないで!」

《アクアウィスプ》

 礼崎は自身の周りにキューブ状の水魔法を生成するとドローンに放って全て撃ち落とした。その中を橘が進む。橘は冷静にキュライオスが掴まっているドローンのプロペラに弾丸を当てて破壊してキュライオスを落とした。

「!!」

 落下したキュライオスは向かってくる橘に対し口から火炎を吐いて反撃する。橘はマシンガンに闇魔法を付与し連射し炎を撃ち消しキュライオスに馬乗りになって顔に銃口を突き付けた。

「投降しろ。」

 観念したのかキュライオスは怪獣体から人間体へと姿を戻した。

「•••参ったな。怪獣になって調子に乗り過ぎたのご敗因だな。」

「どうやって怪獣になった?やっぱりグランウィザードか?」

「そいつは言えねぇな。お前、名前は?」

「橘凪だ。」

「橘凪か。覚えておくよ。」

 キュライオスはそう言うとフッと笑い光り出した。橘が驚いているとキュライオスは一瞬で姿を消した。後から来た礼崎達も驚いていた。

「え!?いきなり消えた!?」

「まさか、転送魔法装置か。」

 礼崎達が驚いているとスコットが兵士達を引き連れてやってきた。そこに別働隊の兵士がやってきてスコットに耳打ちで報告する。

「••そうか。分かった。引き続き捜索してくれ。」

「はい!」

「スコットさん。何か?」

「先程捕らえた盗賊全員が一切に消失した。おそらくキュライオスがそういう装置を使ったのだろう。」

 スコットがキュライオスがいたところに来て魔法で捜査する。しかし、何処は掴めなかった。それを確認して立ち上がると橘の肩を掴んだ。

「お礼を言わないとな。ありがとう。おかげ盗賊団のアジトの1つは制圧出来た。朝比奈君の作戦のおかげだね。」

「そうね。念のために口の中に隠して正解でした。」

 裸を見られた朝比奈達は顔を赤らめる。肝心のキュライオス率いる盗賊達は取り逃したがアジトにあった武器や強奪した金品は押収出来たため成果としては成功だった。

 それを確認し橘達はゴールディアへと帰って行った。


 一方、転送魔法装置で逃走したキュライオス達はどこかの廃墟にいた。

「くそっ!もう少しだったっていうのによぉ!」

「やられたな。まぁ、いくつかあるうちの1つが潰れただけだ。まだ、再起できる。」

 悔しがる盗賊達をキュライオスが宥めていると壊れた屋根の上から何者かが見下ろしていた。それに気が付いたキュライオス達が見上げるとそこにはヴァンキュラーがいた。

「どうだった?」

「見ていた風に聞くのだな。」

「いや。なんとなく相手がWISHかなぁと思って聞いただけ。」

「あれがWISH。なかなかの者だ。若いのに胆力も戦闘力もある。」

 どうやら知り合いのようでヴァンキュラーとキュライオスは会話している。

「なぁ。俺達のところに来ないか?」

「いきなりなんだ?」

「実は俺も自分の部隊を作りたいと思ってな。今一番良いのが君達なんだよ。」

「•••まぁあんたには借りがある。それにこのままだと盗賊もやっていけそうにないからな。その話に乗ろう。」

 キュライオスがヴァンキュラーの誘いの乗ったことで他の盗賊達も賛同した。その答えを聞いたヴァンキュラーはニヤリと笑った。

今回撃退した怪獣


怪獣名 キュライオス


別名 盗賊獣

全長 2.2m

体重 155kg

特徴

キュライオス•バルバロッサという人間が怪獣化した姿。他の怪獣化した盗賊達と違って肩や背中に棘のような突起がある。

 主な武器は口から吐く光線と火炎。また、剣と盾とマシンガンが合体した武器”バルバロク“を右腕に装備している。

 元騎士のため剣技もそこそこある。

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