怪獣盗賊団(前編)
ウルトラ•グラン•ウォーからしばらく経ちタイタンホークの修理が終わるまでみんなクエストや修業、今まで会った人達に会いに行っている。
そんな中、橘、礼崎、朝比奈のチームマーリンとエルシアナはエルシアナの故郷ゴールディアに来ていた。
「久しぶりだなエルシアナ。と言ってもこの前の戦争以来だったな。」
「ただいま。」
出迎えてくれたスコットが橘達を案内する。久しぶりのゴールディアに橘達は懐かしみながら散策する。すると、ざわざわしているところを見つけた。
「何かあったの?」
「実はミリカトの森に盗賊が出現していてな。ミリカトの森の近くにある村や旅人を襲っている。死人も増えていて問題視されている。」
「盗賊•••」
スコットから聞かされた橘達は盗賊団の情報をもらった。どいつもこいつもいかにも盗賊団だろうって思ってしまうほどの怖そうな面をしていた。
「リーダーの名前だけは分かっている。キュライオス•バルバロッサ。元エーテリウム王国騎士軍隊長。ある事件をきっかけに軍から去った男だ。」
スコットが紅い髪の男の画像を見せた。筋骨隆々で右頬に傷痕のある目付きの悪い男だった。スコットから盗賊のことを聞いた橘はスコットに提案をした。
「私達にその盗賊団の討伐を手伝わせてください!」
「それは嬉しいが奴らの隠れ家が分からないし最新の武器や装備を持っている。神出鬼没な奴らだ。細心の注意を払ってくれ。」
「分かりました。」
「それなら1つ、提案が•••」
現在、チームマーリンはミリカトの森の中を歩いている。敢えて隙を見せることで盗賊団を誘き寄せようという作戦だ。会話しながら歩いている。すると、周りに気配を感じた。その時、森の中から一斉に盗賊が現れた。
「女だ!女がのこのこやってきたぞ!」
「輪姦せ輪姦せ!」
「うわぁ。」
襲ってくる盗賊に対し橘達は背中合わせになり迎え撃つ。エルシアナがバリアを張って弾丸を防ぎ礼崎と朝比奈が魔法で吹き飛ばす。そこに橘が拳銃で盗賊達の足を撃ち抜き動けなけした。今まで戦った怪獣に比べれば盗賊団程度では到底相手にならずあっさりと片付けた。
「女だからと言って甘くみたのが敗因だ。お前達を引き渡す。」
「そいつは止めてくれ。俺の大事な仲間だ。」
後ろから声がした。橘が振り向くと紅い髪の男キュライオスが現れた。彼は右腕に剣とマシンガンが合体している武器を装備していた。
「キュライオスだな?」
「そうだ。」
「何故盗賊なんかに?」
「騎士軍隊長をクビにされたから?」
「いや。そこは別に恨んじゃいねぇ。クビの理由も俺のやり過ぎが原因だからな。でも、クビになってからは理由も理由だから他の職に付けなくてこいつらと組んで盗賊団を結成した。それだけの話だ。」
キュライオスはあっさりと身の上話をした。話を終えると何故か首を傾けた。橘がその行動を不審に思った瞬間、左肩を撃ち抜かれた。
「!」
「凪ちゃん!?」
「•••狙撃か。」
「正解。あんた達がちゃんと話を聞いてくれる人で良かった。」
キュライオスは動ける仲間に指示を出して捕らえようとする。しかし、橘は怯まずに立ち上がると盗賊の股間を思いっきり蹴り上げた。男は涙を流し蹲る。それを見て他の盗賊団は尻込みしてしまう。
「なかなかの胆力だ。見事なものだよ。」
「今まで地獄を見てきたんだ。夢宮なんて何度も死にかけことも死んだこともある。これぐらいなんてことない。」
「そいつ、なんなんだ?」
夢宮に引いているキュライオスに橘は銃を撃ちまくる。キュライオスは右腕の武器で防御しながら下がる。
その時、キュライオスの後ろから兵士達が現れ盗賊達を捕らえ始めた。
「何!?」
「やっと見つけたぞキュライオス。」
兵士達は瞬く間に盗賊団を捕らえる。
「これならあの作戦を使わなくていいかも。」
「そうだな。」
橘達が一安心した瞬間、キュライオスの体が変化した。みるみる間に尻尾が生え背中や肩から刺が生え怪獣の姿になった。
「怪獣!?」
「この姿になるつもりはなかったがしょうがない。お前らぁ!変身しろぉ!」
キュライオスが叫ぶと他の盗賊団もみるみる間に怪獣に変身した。キュライオスと比べると刺がないがその他は彼と似ていた。
「こいつら、怪獣なのか!?」
「いや、少なくともキュライオスは元は人間だ!」
「そう。俺は人間だ。が、怪獣だといろいろと都合が良くてな。」
キュライオスはニヤリと笑うと口から光線を吐き兵士達を吹き飛ばすと右腕の武器で撃ち殺し始めた。それに合わせて他の盗賊団も兵士を虐殺し始める。橘達はそれを死守するためにキュライオスに向かっていくがキュライオスが光線銃を取り出し3人に向けて発砲する。光線が3人に命中した。その瞬間、体の周りに光の帯が現れ橘達は拘束された。
「しまった!」
「悪いな。」
なんとか抜けようと藻掻く橘達をキュライオス達は気絶させ何処かへ連れて行った。