表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
207/314

ご唱和ください我の名を

 ウルトラレックスとグランウィザードが交戦している時、日比野達もスパンダー達と交戦していた。成長しているのはウルトラレックスだけじゃない。日比野達も戦いの中で確実に成長していた。スパンダーと交戦している日比野率いるチームアーサーもスパンダーの脚や尻尾の攻撃を回避しながら少しずつ、確実にダメージを与えていた。

(こいつら、この戦いの中で俺の動きを•••)

 スパンダーは日比野達の成長速度に驚いていた。再生能力でダメージを回復していたが段々ダメージに回復が追いつかなくなっていた。

 別のところでもチームガウェインとチームマーリンがグランドファングと、チームパーシヴァルとチームグィネヴィアがアレクサンドルガと交戦していた。

 もちろん彼らも成長している。以前とは段違いの強さを見せる佐古水達にグランドファング達も驚いていた。

「俺の動きを見切りやがった。」

 グランドファングの光弾や尻尾から放つ光線を避け確実に自分の攻撃を当てる佐古水達がグランドファングを徐々に追い詰めていく。

 すると、日比野達全員に新庄から連絡が入った。

『待たせたなリーダー!タイタンホークの修理が完了した!安定はしないがいつでも飛べるぜ!』

「分かりました!」

 日比野が返事すると遠くの方で大爆発がした。それに全員が気をとられていると今度はギーラから連絡が入った。

『全員、撤退せよ。WISHからの通達でウルトラレックスとキュアリアスの救出に成功した。そして、怪獣軍のボスも確認できた。誘拐されていた人達の救出もできた。想定以上の成果だ。現在、怪獣軍のボスはウルトラレックスと交戦している。隙をついて彼と共にこの世界から脱出する。』

 ギーラの通達を聞いた日比野は剣のボタンを3回押す。すると、日比野は逆手に持ち、斬り上げると光輪がいくつも放たれスパンダーに命中した。

《星輪輝煌斬》

「全員、タイタンホークに乗れ!」

 スパンダーの隙を作った日比野はみんなに命令する。それを聞いた佐古水達も攻撃で隙を作り出しタイタンホークに乗り込んだ。スパンダー達も逃さないように突撃するとタイタンホークの先が開きギャラクシーメーサーキャノンを発射した。

「!」

 ギャラクシーメーサーキャノンはスパンダー達を包み込み爆発する。そのまま変な音を出しつつも離陸した。

「行ける!このまま脱出する!•••おい!星雲寺はどうした!?」

「あれ?いねぇ!?」

 新庄達が周りを見渡すがキュアリアスはいない。彼女はウルトラレックスとグランウィザードが交戦を始めると同時にウルトラレックスの後を追っていたのだ。

「仕方ない!まずは夢宮のところに行く。その道中で星雲寺を探す。頼んだぞチームグィネヴィア。」

「了解!」

 すぐに姫樹と小石川がタイタンホークから出てキュアリアスの捜索を開始する。すると、ルギリナ達がやってきて合流した。

「ルギリナさん!」

「待たせたな。」

「怪獣は?」

「あっこ。」

 そう言ってルギリナが指差した先にはダークネスエンペラーから逃げているグレンバーン達がいた。

「悔しいが我らだけではあの怪獣は倒せん。だから撤退を優先する。」

 ルギリナ達と合流しウルトラレックスの方へと向かって行った。


 爆発が起きた後、すぐに爆風で煙が消えウルトラレックスとグランウィザードが対面する。そのまま同時に動き出した。グランウィザードはハサミから手を出してウルトラレックスと取っ組み合いになった。そのまま回転しながら墜落する。ウルトラレックスはグランウィザードに蹴り入れて離れる。しかし、後ろにはいつの間にかヴァンキュラーが待ち受けていた。

「凄いな。何やったら死ぬんだマジで?」

 ヴァンキュラーは後ろこらウルトラレックスを攻撃しようとした瞬間、空からキュアリアスがやってきてヴァンキュラーを蹴り飛ばした。

「やっと追いつけた!」

「星雲寺さん!」

「ここは私が止める!だから、そいつに集中して!」

「うん。分かった。」

 ウルトラレックスは頷きグランウィザードを見る。すると、グランウィザードが分身していたのだ。

(この分身、もしかして•••)

 グランウィザードの分身はウルトラレックスを囲むように移動すると一斉に攻撃を始めた。それをウルトラレックスはイージスラッガーを展開させシールドを張りガードするとイージスラッガーでグランウィザードの分身を攻撃すると同時に前の分身にレクシウムブラスターを放った。そして、背中にある発光体からも光線を発射し真後ろにいた透明化しているグランウィザードにも命中させた。分身全てに同時に攻撃を当てたことで分身は1つに集まり消えた。

「やるじゃないか。」

「もう、その技ほ知っています。」

「あ〜、やっぱり。これ、結構好きな技なんだがなぁ。」

 ウルトラレックスは知っていた。この特殊の分身はインペリガーレが使っていて攻略法もちゃんとある。それを瞬時に思い出しさらに透明化していた分身も見抜いたウルトラレックスにグランウィザードは感心していた。

「なら、ゴリ押しならどうだ?」

 グランウィザードはそう言ってバルトロスが使っていたインフェルノインパクトをハサミから連射してきた。ウルトラレックスは空に飛んで避ける。グランウィザードも後を追いながら攻撃を続ける。すると、高く飛んだウルトラレックスはイージスラッガーを連結させドリルのように回転させるとそこにキックしたまま突撃した。

《流星スピンキック》

 グランウィザードはバリアを張りインフェルノインパクトを撃ちまくる。しかし、シールド展開し回転しているイージスラッガーが攻撃こらウルトラレックスを守りそのままバリアを破壊、グランウィザードにキックを当てた。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 ウルトラレックスが叫びながらキックする。グランウィザードも耐えようとするがとうとう吹き飛ばされた。グランウィザードはそのまま飛ばされルギリナ達を追っているダークネスエンペラーのところまで吹き飛んだ。 ダークネスエンペラーはとっさにグランウィザードを受け止める。それを見た日比野達はすぐにウルトラレックスがいる方向を見た。

「いた!」

「夢宮!」

 日比野が拡声器を使って叫ぶ。彼の声が届いたのかウルトラレックスは反応しタイタンホークを見る。

「みんな!」

 ウルトラレックスはタイタンホークに向かおうとした瞬間、いきなり力が抜けるような感覚に陥った。すると、姿が変わりブレイブグリッターからスプリームドリームに戻ってしまった。

「姿が••戻った。」

「どうやらあれは時間制限付きのパワーアップみたいだな。」

 ウルトラレックスは蹌踉めきながらもなんとかタイタンホークに向かう。そこにキュアリアスと姫樹がやってきて彼を支えた。

「大丈夫!?」

「ったく、2人ともいきなり飛び出して心配したぞ。」

 2人がウルトラレックスをタイタンホークに連れて行くとダークネスエンペラーが思いっきりグランウィザードをこちらに投げてきた。猛スピードでこっちに飛んでくるグランウィザード。それをルージュ達が止めた。

「行かせんぞ!」

 ルージュに続きゲドルフ達も加勢する。グランウィザードは赤いオーラを纏ったハサミでルージュを殴り飛ばしゲドルフが乗るクレアコフに向かって光線を連射してきた。

「ぐっ!ビームの一発一発がこの威力かよ!簡単に連射していい威力じゃねぇだろ!」

 ゲドルフはシールドを張ってガードするが徐々に圧されヒビも入っていく。そこにGパワードスーツを着た人達が加勢に来てグランウィザードに魔法攻撃を仕掛けようとした。

「放て!《ライトニング•••」

「キャンセル。」

 しかし、グランウィザードが発言した瞬間、魔法が消滅してしまい攻撃が出来なかった。

「嘘•••」

「魔法を消す魔法だと!?」

 グランウィザードは驚く彼らを風魔法で吹き飛ばし再びウルトラレックスに攻撃しようとする。そこに狙撃がきてグランウィザードに命中した。しかし、グランウィザードは無傷だった。それでもどこから来たのか気になったグランウィザードが千里眼を使って見るとテンシンがいた。彼が狙撃で援護してけれたのだ。

「最新の対怪獣狙撃用フルメタルジャケット弾でも傷1つ着かないとは泣けてくるぜ。」

 テンシンはグランウィザードが放った光弾を避ける。しかし、光弾はテンシンを追跡してくる。テンシンは逃げながらも狙撃でいくつか光弾を撃ち抜いているとコスモスが現れ残りの光弾を撃ち抜いた。

「サンキュー。」

「いえ。みんないる!?」

 コスモスに搭乗している中島先生が日比野に聞く。日比野はすぐ応答しグランウィザードから距離をとる。グランウィザードも逃さないと自身の周りに隕石を生成して放った。そこにドラゴンがやってきて隕石からウルトラレックス達を守った。

「お前ら!」

 ルージュが一緒に逃げるように言おうとするがそれよりも早くドラゴン達がグランウィザードに突撃する。彼らは己を犠牲にして時間を稼ぐつもりだ。ドラゴンのうちの1体がルージュを見て頷く。ルージュは言いたいことがたくさんあるが言葉を押し殺しウルトラレックス達と一緒に退避した。

 ウルトラレックス達をなんとかタイタンホークに乗せると一気に加速させてギーラが乗っている巨大な戦艦に向かっていく。他の戦艦も怪獣達の追撃から振り切りやってくる。その中にギガンピードを倒しレイティを救出したディルナ達がいた。彼女達はメカギルザMarkⅡの掌に乗ってこちらに手を振っている。その時、メカギルザMarkⅡの腕を何者かが斬り落とした。

「何!?」

 メカギルザMarkⅡは残った腕でディルナ達を守りながら相手を確認する。そこにいたのはカイザーキメラだった。

「ここから逃げることが出来るとでも?」

 カイザーキメラは全身にある目や口から光線を一斉発射した。光線は周りにいた戦艦も巻き込み甚大な被害を生んだ。

「折角の希望も力不足じゃ意味が無いでしょ。」

「そんなことない!」

 カイザーキメラが再び攻撃しようとした時、ベルリナ達が真上から魔法を撃ち込み攻撃を阻止した。下からはアカメ達ブラッドフォースが攻撃して食い止める。

 カイザーキメラはまず下にいるアカメ達を攻撃した。アカメ達はなんとか避けるが乗っていた戦艦に命中し煙が上がる。続いて散開したベルリナ達を体中から伸ばした触手で捕まえた。

「なんだこの気持ち悪いの!離せ!」

 カイザーキメラがベルリナ達を絞め上げる。その時、体が動かなくなった。カイザーキメラの前にやっと翼が再生したフェルクニモンがやってきた。

「そっちにつくか?」

「そう。こっちの方が居心地がよくなっちゃった。」

「寂しいねぇ。」

 カイザーキメラはニヤリと笑うと力強くでサイコキネシスを破った。しかし、一瞬動きが止まったことで上から飛んできたイージスラッガーが触手を切りベルリナ達を救出した。

「まだやる気か?」

 カイザーキメラが笑いながら上を向く。そこにはまだ諦めていないウルトラレックスがいた。

「そうだ!僕は勇ましく輝く夢!僕の名は•••」

「「「ウルトラレックスー!!」」」

 登場したウルトラレックスをみんなが呼ぶ。ウルトラレックスはカイザーキメラに近付くとレクシウムフルブラスターを放った。カイザーキメラはすぐに防御するが地面に墜落する。

 ウルトラレックスがカイザーキメラを落とした隙にフェルクニモンが虚空に向かって両手を前に出す。すると、虚空が歪みゲートが開いた。ゲートの先にはトゥルディス達が待っていた。

「今だ!全員撤退ー!」

 ギーラの号令と共にみんなゲートの先へ急ぐ。そして、全員が出た瞬間、ゲートが閉じた。カイザーキメラや他の怪獣達が攻撃するもゲートは消え虚しく空をきるだけだった。

 それを何故か途中で追撃しなくなったグランウィザードがニヤニヤしながら見ている。後ろに来たカースロード聞く。

「いきなりどうしたんですか?」

「あー、あいつら、生かした方が後々面白いことになりそうだからな。」

「グランウィザード。倒せる時に倒した方が後々面倒が少ない。」

「まぁその面倒も楽しもうじゃないか!」

 グランウィザードは逃したにも関わらず嬉しそうに笑っていた。

 こうして、ウルトラレックスとキュアリアスの救出作戦から始まった史上最大の怪獣戦争は幕を下ろしたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ