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世界中が君を待っている

 ウルトラレックスが消えた。それは一瞬の出来事だった。喜びが瞬く間に叫びに変わる。

「勇輝ー!」

 キュアリアスが慌てて塵を集めようとするも既に塵も消えてしまった。希望が一瞬で絶望に変わる。

「そんな、嘘だろ•••」

「そ、そうよ。きっとまた復活する!今までそうだったもん!」

 現実を受け止められない郷田達が必死にウルトラレックスを呼ぶ。しかし、何も起こらない。すると、グランウィザードが空中にモニターを出した。

 そこには先程グランウィザードに貫かれ消滅したウルトラレックスが映っていた。どこで撮られた映像か探っているとスパンダーがカメラで撮影していた。

 グランウィザードは予めスパンダーにこの瞬間を撮影するように指示していたのだ。

「何のつもりだ!?」

「面白い余興になるだろ。」

 グランウィザードはそう言ってマルチワールド各地にモニターを出し同じようにウルトラレックスが消滅する瞬間を流した。

 ダークネスエンペラーと交戦していたルギリナがそれを見た瞬間、狼狽えてしまった。

「あいつが死ぬ!?ありえぬ!」

「ああ!俺達も同じ意見だ!だからさっさとあの怪獣を倒すぞ!」

「真偽はそれからだ。」

 グレンバーンやバドラーも映像を見て一瞬動揺するがすぐに立て直しルギリナと一瞬にダークネスエンペラーに向かって行った。

 一方、映像を見たルージュや中島先生、後から援軍に来たドラゴン達も驚愕していた。

「嘘よ。夢宮君が死ぬなんて。」

「信じぬ!ワシは信じぬぞ!」

「諦めろ!」

「もう希望はない。」

 映像を見たギガヒュドラは嗤い戦意を失っていた中島先生が乗るコスモスに向かって光線を発射した。それをルージュがとっさに庇いダメージを受けた。

「ルージュさん!?」

「気持ちは分かる!けど、あんな映像より今までのあいつを信じようじゃないか!」

「そう。そうよね。」

『私も信じてます。夢宮君なら大丈夫だと。』

 タイタンホークからウルトラレックスが消滅した瞬間を見ていた舞沢が中島先生を励ます。中島先生もウルトラレックスと舞沢を信じてギガヒュドラに再び挑んだ。

 他の場所でも映像が流れる。それを見たイリュテラスは豪快に笑った。ディルナ達は映像を見た瞬間、顔が強張ってしまった。そこにイリュテラスが鼻からミサイルを放って攻撃をした。

「さっさと俺様の実験動物になりな。こいつのようにな。」

 そう言ってイリュテラスが腕を上げると地面から怪獣が現れた。上半身をいくつも合体させた醜悪な百足のような怪獣だった。

「行け、ギガンピード!」

 イリュテラスの命令でギガンピードが襲ってくる。ディルナ達はイリュテラスの攻撃を避けながら上昇する。ギガンピードも彼女達を追いかけて体を伸ばす。すると、いくつもある腕から光の剣を生成し光の刃を飛ばしてきた。

 その刃は近くで交戦していたメカギルザMarkⅡやケイティ、エイティ達にも向かってきた。

「なんだあの百足みたいなの!?」

「イリュテラスめ、また趣味の悪いものを。」

 ケイティとエイティを相手していたジェノジュファーは一笑したがケイティとエイティはギガンピードが使った魔法に心当たりがあった。

 ギガンピードの攻撃を避けていたディルナがギガンピードの頭部に行くと気になるものを見た。頭部に誰かいる。攻撃を避けながら近付くと行方不明になっていたレイティがいた。上半身裸で下半身と両腕がギガンピードに埋まっている。

「おい!このクソ百足の頭にレイティがいる!」

 レイティのことを知っていたディルナが芹沢に報告する。その報告を聞いていたケイティとエイティは困惑した。

「「お姉ちゃん!」」

 実の姉が怪獣に組み込まれていると知ったケイティとエイティは動揺してしまう。その隙をついてジェノジュファーが腕を伸ばし2人を捕まえた。

「「!!」」

「面倒くさい魔法を使いやがって。」

「2人から手を離せ!」

 アスカが叫びながらメカギルザMarkⅡを動かし突撃する。しかし、他の怪獣やギガンピードがメカギルザMarkⅡを集中的に攻撃してきた。

「ぐっ!何やってるのよウルトラレックス!あんたは私を救った恩人なのよ!これぐらいでやられてるんじゃないわよ!」

「そうだ!みんな、お前を待っている!だから•••」

「いくら叫ぼうと奇跡なぞ起きねぇよ!」

 ウルトラレックスの復活を信じて叫ぶディルナをイリュテラスが叩き落とす。そのまま踏みつけようとするイリュテラスを芹沢達が乗った戦艦が攻撃する。その隙に他の魔導機士が彼女を救出する。

「いくら足掻いても結果は変わらん。」

 ジェノジュファーが口から破壊光線を発射してメカギルザMarkⅡを吹き飛ばす。それでもアスカは諦めず立ち向かった。

 そこを含めた各地の様子を千里眼を使って観察していたグランウィザードは高らかに嗤っていたのだった。

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