アイツが怖くてどうする
ウルトラレックスは驚愕した。今、目の前に全ての元凶である怪獣グランウィザードがいるからだ。グランウィザードを見て強張るウルトラレックスを見て日比野は相手が只者じゃないと即座に判断し剣を構えた。
「夢宮、あいつは何者だ?」
「グランウィザード。怪獣軍のボスだよ。」
ウルトラレックスの発言にみんな絶句した。グランウィザードほマスターオロチに下がるように指示するとマスターオロチは数歩下がって膝を着いた。
「そうだ。俺がこいつらを率いるボス、グランウィザードだ!」
グランウィザードは自慢気に自己紹介した。日比野達はグランウィザードの放つオーラに圧倒され足が動けずにいた。
(なんだよあれ。カースロードとは違う禍々しい殺気。)
グランウィザードがゆっくり近付いてくる。みんな震えている中最初に動き出したのはウルトラレックスだった。スターライトストレートで先制するもグランウィザードはノーモーションでシールドは張り防いだ。そのまま鋏から青白い光線を発射してウルトラレックスを吹き飛ばす。
それを見た日比野は自分を奮い立たせて突っ込む。グランウィザードは鋏から光る剣を出すと日比野の剣を受け止めた。日比野は余裕でいるグランウィザードと鍔迫り合いになりながら叫んだ。
「動けぇ!今動かないと何も出来ない!コイツを怖がっている場合じゃねぇ!」
日比野が叫ぶと佐古水と飛鳥崎が飛び出した。グランウィザードが放つ光線を避けながら拳銃を撃つ佐古水、後ろに回り炎の拳を打ち込もうとする飛鳥崎。しかし、グランウィザードには拳銃が効かず飛鳥崎の拳も尻尾でうけとめられた。
「楽しいなぁ。楽しいなぁ!」
笑いながら3人を軽く倒すグランウィザードに向けて今度ほ郷田がライフルで攻撃を始めた。それに合わせて橘も攻撃を開始する。
「そんなあっさりボスが出ていいのかよ!?」
「もちろん!一番強い俺が出ないとなぁ!それにそろそろ指揮官から駒として戦争に参加したい。」
グランウィザードは郷田達の攻撃に対し鋏から光線の他にも魔法、光弾、ミサイルを発射して反撃した。グランウィザードの攻撃は竦み上がっていた空咲達も巻き込んで吹き飛ばした。
「ぐわぁ!」
「きゃー!」
土煙が上がり倒れる空咲達。グランウィザードは追撃するために土煙に向かって光線を発射した。すると、空咲達の前にアルギラが立ち光線を吸収し始めた。
「溝霧!」
空咲が名前を叫ぶ。アルギラは歯を食いしばりながらグランウィザードの攻撃に耐える。グランウィザードはニヤリと笑うと光線の威力を上げた。そこにウルトラレックスがレクシウムブラスターを放ってアルギラを援護した。すると、グランウィザードはレクシウムブラスターを鋏で吸収し始めた。
「なっ!?」
ウルトラレックスは驚きながらも威力を上げて攻撃を続けた。それを見ていた朝比奈があることに気付く。グランウィザードがアルギラに放った光線がどんどんレクシウムブラスターに似てきた。
「夢宮!今すぐ中止して!」
「え?」
「ソイツ、夢宮の光線を吸収して溝霧に放ってる!」
朝比奈の発言にウルトラレックスも気付いた。グランウィザードは吸収したレクシウムブラスターを自身のエネルギーに変換しアルギラに放った光線をレクシウムブラスターに変換させて撃っていたのだ。
それに気付くとすぐにレクシウムブラスターを止めると今度はイージスラッガーをアルギラの前に飛ばし防御した。アルギラは倒れながらも腹部から光線を撃ち返した。しかし、アルギラの決死の反撃もグランウィザードはあっさり吸収してしまった。
「つ、強い。」
「圧倒的過ぎる。」
「これが最強の怪獣。」
ウルトラレックス達の猛攻を意図も簡単にあしらってしまうグランウィザードに日比野達の心が折れかけていた。
その時、グランドームの一部が爆発時そこからキュアリアスが現れた。