WE'LL NEVER GIVE UP
「あなた達は•••」
カースロードに苦戦していた日比野達のところに駆け付けたのはマルチワールドに突入する前に自己紹介してくれた不知火アカメ達ブラッドフォース隊だった。
「あいつに苦戦してるのか?」
「はい。あの怪獣はナンバーズを統括する怪獣のうちの1体、カースロードです。」
「なるほど。倒しがいがあるな。」
桃色の髪をした少女が真っ直ぐカースロードに向かって突進する。彼女に続いてアカメが刀を構えて行く。その後ろから彼女の仲間が拳銃や魔法で援護した。
「くらえ!《爆熱ストレート》!」
「一気に畳み掛けるよ!《不知火流 桜閃炎月》!」
「《滅却砲》」
「《ライトニングスプラッシュ》!」
不知火達が一斉にカースロードに攻撃する。技は全て命中した。しかし、桃色の髪の少女の拳を受け止めたカースロードは無傷だった。
「にゃろう、ピンピンしやがって。」
「中々楽しめれたよ。」
カースロードは手から衝撃波を放ち少女を吹き飛ばした。日比野達も加わりカースロードに攻撃又は突破を試みるがカースロードにに傷付けるどころか一歩も動かせることが出来なかった。
「や、ヤバい。体力が•••」
「ゲーム感覚の奴にここまで歯が立たないなんて。」
「もう無理。」
カースロードの圧倒的な強さにみんな絶望し諦めかけていた。しかし、日比野はまだ倒れずに突っ込んで行く。それをカースロードは無慈悲にも剣を破壊して茨で日比野を吹き飛ばした。
「まだ続けるかい?俺はいつまでも付き合えるが。」
「俺はまだ諦めてないぞカースロード。夢宮が戦っている。俺達は夢宮を、星雲寺を助けにきた。こんなところでお前相手に諦めるわけには行かないんだよ!」
「よく言った。カースロードだったな。私達はまだ諦めてはいないぞ。」
「中々いい根性だ。それでどうする?根性論だけでゲームクリア出来るほど難易度は低くないぞ。」
圧倒的な強さ、何もない空間から茨を出す攻撃の範囲の広さ、空間を操り瞬間移動さえさせない能力。カースロードの後ろに行くのは至難の業だ。日比野は少し下がると空咲や不知火達を集めた。
「さて次は何でくるか楽しみだ。」
カースロードは余裕の表れか日比野達の作戦会議をニヤニヤしながら見ていた。
「•••これでお願いします。」
「そうね。一か八かやってみる価値は有りそうね。」
作戦会議が終わった日比野達は横1列に並び一斉に走り出すと同時にアルギラ達が射撃で攻撃した。
「《アルギラスティンガー》!」
「《エクシードフルバースト》!」
「《闇斬鎌》」
アルギラ達の攻撃を茨で防ぐカースロード。その時に起きた爆発で周りに煙が充満した。カースロードは周りをキョロキョロ見渡すとさっきと同じように瞬間移動したフェルクニモンを足元に叩き落とした。すると、クニンがカースロードに重力をかけた。
「今よ!」
フェーラの声に合わせて日比野達がカースロードを攻撃する。日比野達の攻撃はカースロードに命中した。しかし、途中で茨に阻まれてしまい致命打にはならなかった。
「残念。面白かったぞ。」
カースロードは茨で日比野達を拘束し吊し上げた。
「残念?確かにお前を円から出すのは失敗した。けどもう1つの条件は達成出来たよ。」
日比野はフッと笑う。カースロードが気になっているとアルギラ、いや溝霧が後ろからライフルを突き付けていた。
「あぁなるほど。さっきの煙はこいつをこっそり移動させるための奴か。お前らはカモフラージュということか。」
「いや、溝霧はプランB。俺達がお前をぶっ飛ばすのがプランAだ。」
「なるほどなるほど。見事ゲームクリアだ!おめでとう!」
カースロードは拍手しながら日比野達を解放した。日比野達は息を切らしながらカースロードの横を通ってグランドームに向かう。
「会えるといいな?」
「絶対会う。そのためにここまで来た。」
日比野は空咲達を連れてグランドームへ向かって行った。