どんなときもあきらめず
「行くぞ!」
「「了解!」」
日比野が先頭を走ってアンチシェルに突撃する。アンチシェルがあるアンチフィールドに入ると感覚がおかしくなっていくのが分かった。アンチフィールドは空間を歪める能力を持つ。自身が歪められなくても五感が歪められてしまっていた。
「気分悪い。」
いきなり感覚が狂ったことで空咲が吐きそうになってしまう。日比野も吐き気が襲ってくるがそれに耐えアンチシェルに近付いた。
アンチシェルも対抗するため殻を開いた。中から出た本体は口から怪光線は発射して攻撃を開始する。日比野は怪光線を剣で受け止め切ろうとする。しかし、アンチシェルはすぐ殻を盾にして防いだ。そこにアルギラに変身した溝霧がアルギラスティンガーで攻撃する。その時、アルギラスティンガーが曲がったり違う方向に行ったりしてアンチシェルに命中せずに全て爆発した。
「この空間にいる限りあいつは無敵ってわけ。」
「逆に言うとこの空間から出せれば勝てる。」
「それは無理ね。アンチフィールドはあいつを中心に移動している。それに下手に刺激したらブラックホールが出来る可能性もある。」
「ますますここから出さないと行けないな。」
日比野はアンチシェルに向かってシャイニングブラスターを放つがまた空間を捻じ曲げて光線を違う方向に向けた。
「これもダメか。」
日比野は下がると今度は空咲とアリスがアンチシェルに突撃した。アンチシェルは殻を閉じて二人の攻撃を防ぐ。その隙に日比野は剣を取りに倉庫へ向かった。
しかし、それを見たアンチシェルが腹部から触手を伸ばして日比野の足を拘束した。
「!?」
日比野は倒れ引き摺られる。そこにアルギラがやってきて触手を切った。アンチシェルはアルギラに近付き殻で挟んだ。そのままアルギラに電流を流して攻撃する。
そこに空咲とアリスが後ろから殻の先を切り落とした。その結果電流が止みアンチシェルは怯んだ。それに続きフェルクニモンがアンチシェルに重力をかけ重くして動きを封じた。
「動きが止まった!」
「ねぇ。私に1つ提案がある。」
「なんですか?」
「ここを壊す。」
「え?」
日比野が聞こうとする前にフェルクニモンは重力を全体にかけ床を破壊し日比野達とアンチシェルを落下させた。
「何してるんですか!?」
「こうしないとあの船がアンチフィールドに呑まれるでしょ!」
「そういえば翼はどうしたんですか?」
「あの子に破壊されてから再生するのに時間がかかるの!」
フェルクニモンは日比野達を軽く、アンチシェルを重くしたまま落下させることでアンチシェルにはダメージを与え日比野達を安全に着地させた。
「それにこうした方が例の剣が見つかりやすいでしょ。」
そう言ってフェルクニモンが見た先を見ると例の剣が刺さっていた。日比野は駆け出し剣を取ろうとする。そこにアンチシェルが襲って来るが空咲とアリスが食い止める。日比野は走り剣を手に取った。すると、剣が光り出した。
「これは?」
『おい!大丈夫か!?』
「新庄さん!」
『大丈夫なら良かった。いきなり格納庫が半壊なんてしたから心配してたぞ。』
「ご心配おかけしました。それと例の剣は回収出来ました。けど持った瞬間、何か力が湧いてくるような感覚が•••」
『ちょっと待ってくれ。••••その剣は持つ者の魔力に呼応して増幅させる機能があるらしい。その剣を持っている間、リーダーの光属性の魔法が強化されるってことみたいだな。』
「分かりました。ありがとうございます。」
日比野は目を瞑り剣に魔力が流れるのを感じようとする。すると、自身の中の魔力が高まるのを感じた。日比野はその剣を掲げると走り出した。アンチシェルは空咲とアリスを挟みフェルクニモンの重力操作に耐えていた。アルギラも二人を助けようとするが殻がきつく閉まっていて力強くでは開かない。
日比野はまずアンチシェルを後ろから切り攻撃した。さっきまでの威力とは段違いの攻撃にアンチシェルは驚き殻を開いてしまう。その隙に空咲とアリスは脱出してアンチシェルを攻撃する。アンチシェルは日比野達を振り払い怪光線を発射した。そこにアルギラがやってきて光線を吸収した。
「もう同じ手はくらわないよ。」
そう言ってアルギラはアンチシェルに近付いて零距離からブリッツスパウトスパークを放った。アンチシェルは大きく蹌踉めく。
日比野はアルギラが離れると剣に魔力をため簿柄に付いているボタンを押した。すると、剣が光り出した。そのままアンチシェルに突撃し両手の剣を振り回し連続で切った。
《ヒビノメビュームアタック》
八つ裂きに切られたアンチシェルは大爆発を起こす。その瞬間、ブラックホールが発生した。フェルクニモンはとっさに日比野達を重力操作で横に落下させアンチフィールドから脱出した。それと同時にアンチフィールドは集束し大きなクレーターと共に消滅した。
今回倒した怪獣
怪獣名 アンチシェル
別名 反次元怪獣
身長 2.5m
体重 300㎏
特徴
突然襲い掛かってきた怪獣。自身の周りにアンチフィールドを張り空間を歪ませる能力を持つ。また殻は硬く容易には破壊できない。主な武器として殻の先から放つ電撃や電流、口から放つ怪光線、腹部から伸びる触手がある。
ちなみに、アンチフィールドがないと戦意喪失してしまう。また、ナンバーズにも匹敵するほどの実力者だがアンチフィールドが面倒なうえにアンチシェル自体余り命令を聞かないため扱い難い怪獣第2位の座にいる。




