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ギリギリまでがんばって

ウルトラレックスとキュアリアスは多勢に無勢とグランウィザード達から逃走した。

「お、逃げた。」

「さすがにそこまで無謀じゃなかったか。」

二人が逃走したのにも関わらずグランウィザード達は余裕だった。すると、グランウィザードが怪獣達に提案した。

「丁度いい。ゲームを始めよう!あいつらと捕らえた奴は、そうだなぁ・・・ナンバーズのNo.2の席をやろう!ナンバーズが捕らえた場合は好きにするといい!」

グランウィザードの提案は怪獣達には魅力的だったようで怪獣達はすぐに二人を追って行った。しかし、バルトロスとフィディスは行かなかった。

「どうした?お前は行かないのかバルトロス。」

「俺は奴とは一対一で闘いたい。」

「そうか。」

バルトロスは興味ないのかそのままどこかへと去って行った。続いてフィディスも去ろうとした。

「お前もか。」

「はい。そもそも私は戦争が嫌いです。命の恩人であるあなたのやることを邪魔はしません。しかし、私の世界を壊そうとするなら例えあなたでも私は戦いますよ。」

「それもいいなぁ。だが俺はお前のビリーブなんとかって技が嫌いだ。やりにくい。」

「では私はここで。」

そう言ってフィディスは去った。


一方、ウルドセイザーでは日比野達が謝罪をしていた。トゥルディス教の教会で勇極七賢人(ウルティメイトライザー)の1人である老人とウルドセイザーの市長であるアルディージャ、そしてシルヴィアとアークシャを始めとしたトゥルディス教信者達がいる。

「この度は誠に申し訳ありませんでした!」

「まったく、フィディス君のおかげで事なきを得ましたが・・・」

「私も最初は驚いたよ。フィディスさんが怪獣、しかも敵対している組織のNo.1なんて聞いた時は信じたくはなかった。けど現実を見てしまった以上君達を信じることにした。そこまでは良かったんだが今では彼の評価はうなぎ登りだ。」

そう言ってアルディージャはスマホと取り出してニュースを見せた。そこには『フィディス教皇は怪獣だった!』や『WISHの怪獣を拐った謎の触手は!?』の他に『WISH所属の魔王暴走。ウルドセイザー大惨事一歩手前をフィディス教皇救う』など既に様々なメディアで取り上げられていた。それもそのはず、この戦いは全世界に中継されている。

「日比野君、何故ウルドセイザーは世界最大の街でありながら武力を持たないと思う。」

すると、アルディージャに質問された。その質問に日比野は悩む。確かにウルドセイザーには軍事力はない。その理由を考えるがさっぱり分からない。同行していた佐古水や橘達も分かりないらしく悩んでいた。

「す、すみません。分かりません。」

「フィディスさんがいるからだ。彼がこの街の防衛を1人でしているのだよ。だから、この街は武力を持たない街として平和な街として栄えている。」

アルディージャの答えに日比野はますます気まずくなった。フィディスはこの街にとって重要な存在だった。それを無視して倒そうとした結果がこれだ。笑いたくても笑えない。

日比野が顔を反らしていると周りが騒ぎ始めた。日比野達が騒ぎの理由を探しているとフィディスがいた。

「フィディス・・・」

「お待たせしました。」

「フィディス君、君は怪獣なのかね?それとも人間なのかね?」

「両方です。だから、見えるものもあります。」

勇極七賢人(ウルティメイトライザー)の老人の質問に答えるフィディス。日比野は近寄ってくるフィディスを見て苦虫を噛んだような悔しい顔をした。彼は敵対している組織の幹部であり、夢宮と星雲寺を拐った怪獣の仲間だと分かっているのにこの街の英雄であり世界から見ても必要とされる存在でもある。また、先の事件でWISHの信用は落ちてしまい自分から攻撃を仕掛けることができない。

何も出来ずシルヴィア達と会話しているフィディスを見ていると佐古水がフィディスに近付いた。

「夢宮達はどこにいる?」

「マルチワールドです。」

「マルチワールド?」

佐古水の質問にフィディスがあっさりと答える。しかし、マルチワールドがどこにあるのか、そもそも何なのかが分からずさらに詰め寄る。

「それはどこだ?どんな場所だ?どんな怪獣がいる?」

「君、失礼じゃないか!」

「悪いが俺達も友達を拐われて余裕なんてないんだ。」

「マルチワールドは私達を率いる怪獣が作り出した異世界です。」

信者が無礼だと佐古水を追い払おうとするが佐古水も食って掛かる。すると、フィディスが信者を宥め答えた。

「異世界を作るってそんな神みたいな能力・・・」

「あの方は正しく神です。」

「その怪獣のこと、教えて下さい!」

佐古水に続いて日比野もフィディスに詰め寄る。橘も日比野の一緒にフィディスに詰め寄った。

「すみません。それだけ教えできません。」

「何故だ?私は話してくれると信じているぞ。」

橘が挑発するようにフィディスに詰め寄る。仲間を誘拐されてイライラしているようでフィディスを睨んでいる。すると、フィディスは優しい声で橘に話した。

「信じるということは簡単なことではありません。嘘や裏切り、騙しと疑ってしまうことが多いこの世界、それでも私は私と私の未来だけは信じ続けます。例えそれがどれだけつらい道になろうとも。だから、信じると言ったからなんでも話せるわけではありません。すみません。」

フィディスの言葉に橘は罰が悪そうに顔を背けた。

「でも諦めないでください。お二人は生きています。」

フィディスはそう言った。その言葉は日比野達が今一番知りたかった情報だ。しかし、二人は別の異世界にいるならこちらから助けに行くことが出来ない。

するとフィディスが日比野達にある提案をした。

「二人は今諦めずに最後まで頑張っています。もし、覚悟があるのならその世界マルチワールドへ行ってみませんか?」

フィディスの提案に日比野達は驚愕する。なんと、二人がいる本拠地に連れてってくれると言うのだ。

「本気で言ってるのか?」

「それって裏切りとかにならない?」

「さぁ分かりません。でも二人を助けたいというあなた達の思いを信じてみようと思いまして。」

フィディスの言葉を疑うが今悩んでも仕方ない。例え罠だとしてもこれ以上のチャンスはない。悩んだ日比野は最終的に決断した。

「分かりました。その提案にのります。」

「!?」

日比野の答えに周りは驚いた。

「気持ちは分かるがあまりにも無謀過ぎる。」

「それでも俺達は行きます。ギリギリまで戦っているあの二人のためにも。諦めたくないですから。」

そう言って日比野は急いでタイタンホークに戻って行った。

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