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風穴を開けろ運命

ウルトラレックス達の前に怪獣軍のトップ、グランウィザードが現れた。全身純白の鎧とベールに包まれ両腕には巨大なハサミがある。

「いきなり出てくるんだ。」

「そっちが出せって言ってたじゃないか。」

「それはそうだけど・・・」

グランウィザードが二人に近付く。初めて見る怪獣軍のボスに二人は冷や汗を流している。人間に変身しようにも両手足が拘束されている状態で身動きがとれない。

「何で僕達を誘拐した?」

「気に入ったからだ。とうだ?俺達のところに来ないか?」

「「断る!」」

「やっぱりな。」

グランウィザードは二人をじろじろ見る。二人はなんとか脱出する隙を作ろうと時間稼ぎをしようと質問をした。

「聞きたいことがある。」

「なんだ?言ってみろ、言ってみろ。」

「なんでこいつら生きてんのよ?」

「何故、僕達だけを怪獣にした?」

「ん~、その質問に答えるには見せた方が早いな。・・カースロード!」

「OK!」

グランウィザードが黒マントの怪獣に指示するとその怪獣カースロードは指を鳴らした。すると、ナンバーズ達の後ろから大量の怪獣が現れた。カースロードはその中から1体の怪獣を呼び出した。

その怪獣は体中黒光りしていて先が肥大化している長い腕と先がノコギリと剣が融合したような形状をしている長い尻尾、そしてエイリアンみたいなグロテスクな頭部が特徴的だった。

「こいつはグロブシン。奇襲からの暗殺や破壊が得意な怪獣でな。元No.11だ。それぐらいの実力はある。」

「ギュルルルル・・・」

カースロードが説明しているとグランウィザードが二人を拘束しているクリスタルを消して解放した。それと同時にカースロードが二人とグロブシンの周りにドーム状のバリアを張った。

「とりあえず、グロブシンを倒してみろ。そうすれば分かる。」

グランウィザードが“やれ”と指示するとグロブシンがジャンプして二人に襲いかかった。キュアリアスは飛んで避けウルトラレックスは巨大な腕を押さえた。しかし、単純なパワーはグロブシンの方が上のようで逆に押さえつけられた。

「ギュルガ!」

「なんてパワーだ。」

ウルトラレックスはなんとか潰されないように踏ん張っていると手に穴が空いているのに気付いた。よく観察するとグロブシンの肘から巨大なトゲがあった。

それを見たウルトラレックスは腕をずらした。その瞬間、穴からさっきのトゲが出てウルトラレックスの横に穴を空けた。

(あれはジェノジュファーと同じ攻撃。ジェノジュファーと戦ってなければ殺られてた。)

グロブシンがした攻撃は以前ジェノジュファーがしたパイルバンカーと同じだった。その情報がなければ今頃ウルトラレックスに穴が空いていたかもしれない。

グロブシンは再びウルトラレックスに同じ攻撃をしようとするとキュアリアスが上から光魔法を撃ち込んできた。グロブシンは一瞬怯むがすぐに尻尾で反撃する。その一瞬の隙をついてウルトラレックスは脱出しキュアリアスの隣に並んだ。

「気をつけるのはあの腕と尻尾。あとは懐にさえ入り込めば・・・」

二人は息を整え同時に走り出す。すると、グロブシンは口から白い液体を吐いた。二人は液体を避ける。その液体が床に付着するとジューという音を立てて溶けた。

(溶解液!?)

グロブシンの新たな技に少し驚きつつも腕と尻尾の攻撃を避けグロブシンの懐に入った。が、グロブシンの胸部からいきなり鋭い爪が2本生えた腕が出てきて二人を斬りつけた。

「まだあんなのがあるわけ!?」

キュアリアスは斬られた腕を押さえる。ウルトラレックスはイージスラッガーでグロブシンを攻撃する。

「大丈夫!?」

「だ、大丈夫。こんなこともあろうかと千春ちゃんから回復魔法を教えてもらってるから。」

キュアリアスは回復魔法を使って傷を癒す。そこにイージスラッガーを弾き飛ばしたグロブシンが奇声をあげ口から黒いガスを吐いてきた。

「ギュルグガアアア!」

「な、なにこれ?」

「どうしよう。何も見えない・・・」

視界を奪われたウルトラレックスとキュアリアスは背中合わせになろうとした瞬間、グロブシンの鋭い爪が二人を再び切り裂いた。

グロブシンの攻撃で倒れてしまう二人。なんとか立ち上がるが今度は尻尾の先にある刃がウルトラレックスを刺す。

(これじゃ何もできない。)

(なんとか光を灯さないと・・・光・・・)

視界を確保するために光が欲しいとウルトラレックスが思っているとキュアリアスの手と触れ合った。

「勇輝君。」

「星雲寺さん。・・・」

ウルトラレックスはキュアリアスに耳打ちする。そこにそんな隙を与えぬとグロブシンが肥大化した腕で押し潰そうとしてきた。二人は辛うじて避け手を繋ぎ目を閉じた。その時、二人から光の粒子が迸る。光魔法が二人から溢れていたのだ。

その光で向かってくるグロブシンが視認できた二人は同時に走り光の剣で肥大化した腕を斬り落とした。そのまま後ろに行き回転して背中を斬った。

「ギュガアアア!」

武器となる腕を斬られたグロブシンは狼狽えたがすぐに尻尾で反撃する。鋭い刃がキュアリアスの剣を破壊するがそこにウルトラレックスがすかさず尻尾の先を斬り落とす。

「行くよ!」

「分かったわ!」

二人は下がってこっちに向かってくるグロブシンに対して必殺技を繰り出した。

「《レクシウムブラスター》!」

「《キュアクロスウェーブ》!」

黄金に輝く二人の必殺技は爪を振り上げ向かってくるグロブシンに命中しグロブシンは奇声を上げながら仰向けに倒れ大爆発を起こしグロブシンが放った黒煙は消えていった。

今回倒した怪獣


怪獣名 グロブシン


別名 フィンディッシュタイプビースト

全長 3m

体重 250kg

特徴

元ナンバーズNo.11を務めていた怪獣。パイルバンカー付きの肥大化した腕、胸部に隠した2本の鋭い爪が生えた腕、鋭い刃付きの長い尻尾、口から吐く溶解液と黒煙が武器。奇襲、暗殺、破壊が得意。

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