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トゥルディス

ついに夢宮達の前にフィディスが現れた。彼の後ろにはシルヴィアとアークシャを先頭にトゥルディス教の信者達がついてきている。

フィディスは壇上に上がりスピーチを始める。毎年行われるイベントであるため内容は聖書を読み上げたり平和を願ったりと去年と似たものになっている。

フィディスのスピーチを聞いている間、夢宮達は彼の背中を見て戸惑っている。もし、本当に彼が怪獣で今まで倒してきたナンバーズの筆頭だとしたら自分達を、信者達を、この世界の人達を騙しているかも知れない。そう思っているとフィディスのスピーチが終わり壇上を降りた。

「あの、質問いいですか?」

フィディスが壇上を降りステージからも降りようとした瞬間、日比野が手を上げ彼を止めた。

「し、質問ですか?」

「ええ。構いませんよ。」

フィディスが快く了承してくれたので日比野はマイクを持って根幹に関わる質問をした。

「あなたは怪獣ですか?」

その質問に会場が騒めいた。フィディスが怪獣だという噂事態は有名であったが誰も質問したことがないようで信者達はざわざわとし始めた。

「はい。私は怪獣です。」

すると、フィディスは自分が怪獣だと即答した。フィディスが怪獣と認めたことで夢宮達は驚愕した。観客達も驚愕するがすぐに歓声に変わった。

「凄いです!」

「凄い。噂は本当だったんだ!」

「さすが教祖様!」

「フィディス様!」

元から怪獣かも知れないという噂があること。そもそもトゥルディス教が人間と怪獣の共存を望んでいることもありそんなに嫌悪感を表す者はいなかった。

しかし、それは日比野の予想通りだった。日比野はタイミングを見計らって再びフィディスに質問した。

「では、今この世界を侵略しようとしている怪獣達ナンバーズのNo.1はあなたですか?」

日比野の質問に観客達、そしてテレビを見ていた人達も驚愕した。ナンバーズと呼ばれた怪獣達のほとんどは侵略や破壊、殺戮を繰り返している凶悪な怪獣という認識が広まっている中、そのトップがフィディスだと言うのだから無理もない。

会場が再び騒いでいると日比野は続けて口を開いた。

「私はあなたが本当のことを言ってくれると信じています。」

日比野はフィディスが常日頃から“信じる”と言う言葉を多用していることを知っていた。彼はそうやってフィディスを問い詰めようとした。

「はい。それも本当ですよ。」

が、フィディスはあっさりと認めたのだ。彼が認めた瞬間、ルギリナがフィディスの前に立った。それに合わせて日比野達も武器を手に取り出し構えた。会場を護衛していた兵士達もステージに向かうがフィディスが怪獣だというだけではなくナンバーズNo.1だと言うことが信じられずどうするべきか迷っていた。

「やはり貴様の宗教はろくでもないな。」

「フィディスさん、今でも信じられません。まさかあんなに優しかったあなたが怪獣、しかもナンバーズのリーダーなんて。」

「いえ。確かにNo.1ではありますが私はそう呼ばれるだけでリーダーではありませんよ。」

「御託はいい。さっさと殺すぞ。」

真っ先に動き出したルギリナ。彼女の目からは殺意が感じとれた。兄が信じた宗教のトップが怪獣、しかも兄を惨殺したナンバーズのトップだということに怒りが込み上げていた。

シルヴィア達がルギリナを止めようとするがルギリナの方が早くフィディスに拳を入れた。しかし、フィディスは左腕にトゥルディス教の紋章が入った盾を装備して彼女の拳を受け止めた。

「な・・・」

「すみません。私は戦いは好きではありません。」

「ふざけたことを・・・」

「ですがあなたの思いを受け止め、ここにいる皆さんを守るためなら怪獣としてお相手します。」

そう言うとフィディスは聖書を胸に仕舞うと光り出した。目映い光にルギリナは下がり日比野達も攻撃を躊躇ってしまった。そして、光が浮き消えるとフィディスは怪獣トゥルディスになっていた。

西洋の騎士みたいな甲冑とローブ或いは法衣みたいな気品ある服を纏い左手には盾、右手には剣、背中には天使のような翼が装備されている。そして、左肩には金髪でロングのウェービーヘアの女性、右肩には黒髪のストレートロングの女性、背中にはピンク髪のショートの女性が付いていた。

その姿を見た夢宮達はもちろん、会場にいた人達、テレビを見ている人達、タイタンホークで見ている新庄達も見とれてしまうほど神々しくまるで・・・

「神様・・・」

そう。まるで神様のように感じてしまうほどだった。

「神々しい・・・」

「これがNo.1・・・」

初めて見る怪獣トゥルディスにフェーラとクニンを含めたタイタンホーク待機組は言葉を失っていた。

神々しい姿のトゥルディスは見る者を圧倒した。ある者は涙を流して聖書の一文を読み上げ、ある者は膝をついて祈り、ある者はトゥルディス教のペンダントを掲げた。

「・・・凄い。」

「だ、ダメじゃ!あやつは敵じゃぞ!」

ルージュに叱責され我に戻った夢宮達はすぐにウルトラレックス、キュアリアス、アルギラに変身してトゥルディスに立ち向かった。

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