努力は報われる
人間に戻った星雲寺を見てみんな驚いた。
(え、あいつも人間になれるんだ!?)
星雲寺に驚いたフェルクニモンの隙をついたウルトラレックスが光線を反らすと星雲寺と一緒に走り出した。クニンが炎を飛ばすと夢宮に変身して避けた。それに合わせてアルギラが溝霧に変身して光線を受け流した。
「!?」
「私だってフィディスさんから変身魔法を習ってるの!成長するのは勇輝だけじゃない!」
夢宮の隣に星雲寺と溝霧が並んだ。輪を背中に戻したフェルクニモンは3人から距離をとり再び光線を放つ。3人は同時に前転して避けると各々の光線でフェルクニモンを攻撃した。フェルクニモンも輪を前に出して光線を吸収する。
すると、その隙をついて溝霧がフェルクニモンの背後に回った。そのまま背中にサタンボールを撃ち込もうとすると尻尾の先が裂くように分かれ触手が溝霧を絡めとった。
「!?」
「残念だったね!」
溝霧は一生懸命触手を引き剥がそうとすると触手の付け根に何か口みたいなものが見えた。
それに気付かずフェルクニモンは吸収した光線を反射して攻撃する。夢宮がイージスラッガーでシールドを作って防ぐ。
すると、星雲寺が走り出してジャンプすると足に白い光を纏って踵落としのようにして輪を蹴った。
「《キュアギャラクシーキック》!」
星雲寺の踵落としによって輪が床と接触し徐々にヒビが入っていく。そして、輪と翼が星雲寺によって破壊された。
「ええ!?嘘ぉ!?」
破壊されたことで驚愕した隙をつき星雲寺は後ろに回り足でフェルクニモンの両腕を拘束しクニンの首を絞めた。
「ね、姉さん・・・」
「クニン!・・・ひぎっ!」
フェーラがクニンを見た瞬間、強烈な痛みが彼女を襲った。何だと原因を探ると溝霧が尻尾の触手の付け根にある口に腕を突っ込んでいた。
「な、何やってるのよ!そこはそんな太いのを入れるところじゃないんだけど!」
あまりの痛さに涙を流すフェーラ。首を絞められ白目を向いて粟を吐くクニン。
「痛い痛い痛い!早く抜いて!」
暴れるフェルクニモンを星雲寺と溝霧が取り抑える。動けなくなったフェルクニモンに向かって夢宮が走りながら腕に光を纏った。
「《スターライト・・・」
「ま、待ってお願い!」
「・・・ストレート》!」
泣いて懇願するフェーラ。夢宮はそれを無視してフェルクニモンの鳩尾にスターライトストレートを打ち込んだ。フェルクニモンはそのまま吹き飛ばされ壁に激突する。すると、フェルクニモンが光りフェーラとクニンに分かれた。二人とも目をグルグル渦巻き状にして気絶した。
「とぅ!」
「やっと倒れた。対して攻撃力がないくせに耐久力があり過ぎだ。おかげで余計な時間と体力を消費した。」
同時にルギリナ達が分身を倒しバリアを破壊した。バリアはゆっくり消えルギリナ達が駆けつけるととっくにフェルクニモンを倒していた。
「なんじゃ?もう倒したのか?」
「我々の出番は無しか。」
残念そうにフェーラとクニンを見るルギリナ達。そのまま二人を連行していく。
「凄いね!元に戻れるようになったんだ!」
「おめでとう!」
「あ、ありがとう!」
「・・・」
「ありがとう、溝霧。」
みんなが星雲寺を褒めている中、日比野が溝霧に手を伸ばして感謝した。溝霧も何も喋らないが口角をあげ少し嬉しそうに握手に応じた。
こうして、No.2フェルクニモンを夢宮、星雲寺、溝霧の3人で撃破したのだった。
今回倒した怪獣
怪獣名 フェルクニモン
別名 淫魔獣
全長 2.0m
体重 94,5㎏
特徴
別世界の種族サキュバスのフェーラとクニンが合体した怪獣。現在、怪獣の中で唯一超能力として念動力、発電能力、透視、未来予知、発火能力、重力操作、借力、分身、テレポート、テレパシーが使える。
また、怪獣としての技として引力や重力を自在に操ることで当てている間は相手を自由に動かずことができる金色の稲妻状引力光線“反重力光線フェルクニ・ライジング”や広範囲に張れるバリアなどがある。
背中の翼付きの輪“エンジェルリング”は吸収、反射、拘束と多才な用途がある。もちろん、飛行も可能。
ちなみに、尻尾の先には触手や口みたいなのがあるが・・・