キュアリアス、奮闘
フェルクニモンに苦戦しているキュアリアスとアルギラ。病室はフェルクニモンのバリアによって隔離され出ることができない。アルギラがバリアを破壊しようと試していると日比野が現れた。
「溝霧!?」
「委員長。」
「溝霧君、これどういうこと?」
日比野の後ろには中島先生や郷田、朝比奈達クラスメートだけではなくヒジリもいた。
「これはどういうことか説明してもらおうか?」
「これは・・・」
「敵襲よ!」
アルギラが答えようとするとキュアリアスがフェルクニモンと交戦しながら代わりに説明した。キュアリアスがいることに気付いた日比野達が視線を動かすとキュアリアスとフェルクニモンがいた。
「なんだその怪獣!?」
「どうやって侵入した!?」
「こいつら、フェーラとクニンよ!あんた達騙されていたのよバカ!」
キュアリアスにばらされて郷田と朝比奈は目を丸くした。
「え?」
「嘘だろ?」
「あの髪型とエロそうな身体を見なさい。」
キュアリアスに言われてフェルクニモンを見る。確かに髪色や目、胸がフェーラとクニンに似ていた。それを知ると郷田と朝比奈は膝を着いた。
「つまりあいつが侵入したのはこのバカ二人のせいってことか。」
「そうよ。」
飛鳥崎とキュアリアスのきつい一言が胸に刺さった二人はさらに沈んだ。その間、日比野とアルギラが壁を破壊しようと試みるが効果がなかった。
「とにかくあいつを倒さなければ。頼むぞ。」
「そうは言ってもあいつ、超能力とか使ってくるのよ!」
「嘘だろ!?」
飛鳥崎がフェルクニモンの能力に驚く。そこにルージュとルギリナもやってきた。二人は日比野から話を聞くとバリアの前に立った。
「じゃあ簡単じゃのぉ。」
「このバリアを破壊すればいいのだな。」
ルージュとルギリナがバリアの前に立ち破壊しようとした瞬間、キュアリアスを壁に叩き付けたフェルクニモンのフェーラの首がこちらを見てウインクした。二人は何なのか分からず壁を攻撃しようとすると日比野や飛鳥崎、ヒジリまでもがルージュとルギリナに抱き付き妨害してきた。
「な、なんじゃ!?」
「貴様、何をした!?」
「ん?魅力。」
フェーラを見ていた日比野達は彼女に魅了されて操られていた。彼女を見ていない郷田やアルギラは何が起きたのか一瞬分からないでいた。
「え?そんな技があるのかよ。」
「ついで。」
郷田が呆然としアルギラが代わりにバリアを破壊しようとするとクニンがアルギラを見た。その時、アルギラが何かに押し潰されるような感覚に陥り床に這いつくばった。
「な、なんだこれ・・・」
「重力操作。超能力の一つ。」
「そう!私が念動力、発電能力、透視、未来予知、クニンが発火能力、重力操作、借力、分身。そして、テレポートとテレパシーは両方が使えるのよ。凄いでしょ!」
「姉さん。」
「あ・・・」
調子に乗ったフェーラが自慢するがその結果、自身の能力を教えてしまった。クニンが呆れた表情でフェーラを見るのでフェーラは気まずそうにそっぽを向く。
「面倒くさい能力ね。」
重力操作で壁に叩き付けられ床に落とされたキュアリアスが立ち上がった。
「まだ立てるんだ。」
「もう諦めたら?」
「いやに決まってるでしょ。私は怪獣になってからずっと勇輝と一緒にいるの。この世界で強くなった、優しくなった勇輝の隣で成長できない自分が不甲斐ないと思っているわ。でも、私だってみんなと戦いたい。強くなりたい!成長したいって気持ちはある!だから、ここで勇輝を守ってみせる!」
そう言ってキュアリアスは両手を前に出して白い光線を発射した。
「《コスモエールストライク》!」
「へぇ。・・・でも気持ちだけじゃ何もできない時ってあるんだよ。」
キュアリアスの必殺技を冷静に見ていると背中の翼の付いた輪が分離しフェルクニモンの前に移動するとキュアリアスの必殺技を吸収した。
「え、嘘。」
渾身の必殺技を意図も簡単に防がれたキュアリアスは絶望する。フェルクニモンは必殺技を全て吸収するとお返しと言わんばかりに輪から光線を撃ち返えした。
「に、逃げて・・・」
絶望して動けないキュアリアス。アルギラが必死に声をかけるが届かない。光線が目の前まで迫りキュアリアスが目を閉じた瞬間、彼女の前にウルトラレックスが現れ光線を防いだ。
「ゆ、勇輝・・・」
「ありがとう。聞こえたよ、星雲寺さんの声。僕には届いた。」
「あ、起きた。」
輪を背中に戻したフェルクニモンを前にウルトラレックスは立ち上がった。