命をかけた復活
スパンダーがオペレーションルームを襲撃している時
「はぁ、はぁ・・・終わった・・・」
飛鳥崎達チームパーシヴァルは現れた3体の怪獣を倒していた。なんとか怪獣を倒しウルトラレックスを守り抜いたが3人とも満身創痍だった。その間にもモルフィナ達がウルトラレックスに呼び掛けている。しかし、ウルトラレックスは反応しない。
「ダメ、全然返事してくれない。」
動かないウルトラレックスに落胆していると壁にあるモニターが突如点きスパンダーが演説を始めた。
「今戦闘をしている人間軍に告ぐ。武器を捨て潔く投降しろ。ウルトラレックスは死んだ。希望はない。」
「あの野郎、ふざけんなよ!」
「起きてください!起きて・・・」
「もう、レックスは・・・」
スパンダーの演説を聞いた妖精達は絶望していた。すると、モルフィナが何かを決意したのかウルトラレックスのレックスタイマーに触れた。
「・・・あの魔法を使います。」
「あの魔法って?」
「もしかして代々、妖精女王に受け継がれる究極魔法。」
「・・・はい。」
ベルリナがモルフィナに聞くと彼女は静かに肯定した。それを聞いた飛鳥崎達はその魔法のことをモルフィナに聞いた。
「どんな魔法なんだ?」
「・・・一言で言いますと生き返らせる魔法です。」
「凄い・・・」
モルフィナの言った魔法を知った飛鳥崎達は驚き言葉が出なかった。
「それ、もう究極どころか最強の魔法じゃねぇか。」
「じゃあなんでその魔法を使わないの?」
「この魔法は私の生命エネルギーを全て捧げることで相手を生き返らせる魔法です。」
「ってことは・・・」
「はい。この魔法を使うと私は消滅します。」
消滅、この言葉をモルフィナが言った瞬間、みんな黙ってしまった。この魔法は自分の命を犠牲に生き返らせる魔法だった。
それを知ったベルリナはモルフィナを見ると彼女は目に涙を浮かべていた。それを見てしまいベルリナも涙を浮かべてしまった。
「モルフィナ様・・・」
「ごめんなさいね。教えることが出来なくて。でも、この魔法は自分の命を犠牲にしないといけないからあなたにそんな運命を背負って欲しくなかったの。」
「じゃあなんでモルフィナ様は今・・・」
ベルリナは何か言おうとしたが口混もってしまった。
「私はレックス様に二度助けてもらいました。一度目はティモスラニア、そして二度目は今、その恩を返したいと思っています。」
モルフィナはそう言ってベルリナに近付くと彼女額にキスをした。
「今からあなたが妖精女王です。みんなを導いてくださいね。」
「いや・・・モルフィナ様がいなくなるなんて・・・」
「大丈夫です。私はあなた達の心の中にいつまでもいます。」
モルフィナはベルリナの涙を拭うとウルトラレックスの胸に手を当てた。
「あなたには感謝してもしきれません。・・・ア・ラ・カルト・ノア・モスラ・レジェンド・・・」
モルフィナはウルトラレックスにお礼を言うと呪文を唱え始めた。そして・・・
「・・・私の全てをあなたに捧げます。《オーロラル・リヴァイブ・リベンジ》!」
最後に叫んだ瞬間、モルフィナの体が金色に光り始めた。そして、段々と彼女体が金色の粒子となって消えていく。そして、粒子が全てウルトラレックスに吸収された。
すると、レックスタイマーが青く光ったのだ。そのまま、ゆっくりだが腕が動き出し目にも光が灯り始めた。ウルトラレックスは体中に金色の粒子を纏うと宙に浮き上がり完全に目を覚ました。
「レックス!」
「夢宮さん!」
ウルトラレックスの復活に喜ぶ飛鳥崎達。ウルトラレックスは目を開けると周りをキョロキョロ見始めた。
「僕は・・・?」
ウルトラレックスが周りを見ていると涙を流して悲しむベルリナ達の姿があった。
「みんな・・・」
ウルトラレックスは何があったのか聞こうとすると胸に手を当てた。そして、察したのか何も聞かずに飛鳥崎達の方を向いた。
「行こう、スパンダーのところに!」
「おう!」
ウルトラレックスに言われて飛鳥崎達は立ち上がった。ベルリナ達も涙を拭きスパンダーがいるオペレーションルームへと向かって行った。