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絶望の微笑

倒れてしまったウルトラレックスの目には光はなかった。山瀬達が必死に呼び掛けるが返答がない。皇凰院やモルフィナが必死に回復魔法をかけるがレックスタイマーは光ることなく動かない。

「夢宮、夢宮!」

「レックスさん!」

必死に呼び掛ける山瀬やモルフィナ達を見て完全に死んでいると思ったのかスパンダーはフッと笑い何もない空間からスマホを取り出した。

「てめぇ、何する気だ?」

「あの時と同じだよ。オペレーションルームを制圧する。」

スパンダーはそう言うとスマホを操作してどこかにかけた。すると、スマホの画面から3体の怪獣が現れた。右手が蟹みたいな鋏、左手が鎌になっている怪獣、コブラみたいな長く大きい怪獣、牛みたいな怪獣が飛鳥崎達の前に現れた。

「なんだこいつら。」

「それよりスマホから怪獣を出したぞ。」

「正義のヒーローは守るものが多いな。」

「てめぇ、夢宮を盾にさせるためにわざとこいつを狙ったな。」

「それが作戦だ。」

そう言ったスパンダーにスマホから伸びた半透明の触手が触れるとスパンダーがスマホの中に消えて行った。

「な、待て!」

飛鳥崎が追いかけようとするが怪獣が鎌を使って飛鳥崎を攻撃し足止めした。

「上等だ。やってやる!」

「モルフィナさん、夢宮を頼みます。」

山瀬と皇凰院も飛鳥崎の隣に立ち3体の怪獣と対峙した。


一方、飛鳥崎達を送り出したヒジリは連絡を待っていた。すると、オペレーションルームにさっき避難誘導していてスパンダーを目撃した警備員が入ってきた。

「報告です!現在怪獣はウルトラレックス達と交戦中!怪獣はスパンダーと名乗っていました!」

「え!?」

警備員の報告にラフィ達は驚愕していた。

「ちょっと待って!スパンダーは確かチームアーサーと交戦しているはず!」

「突破されたらこっちに報告がくるはずよ?」

「じゃあ、今ここにいるスパンダーはなんだ?」

チームヴィヴィアンのみんなが驚いているとヒジリの前にあるモニターがいきなり荒れだした。そして、そこから半透明の何かが現れた。ヒジリ達は距離をとっているとその何かは瞬く間にスパンダーに変わった。

「スパンダー!」

「この怪獣が・・・スパンダー・・・・」

「はじめましてだな。」

スパンダーはヒジリに挨拶するとこっちに向かって発砲した警備員に尻尾を刺した。すると、警備員は口から血を吐き出し倒れ動かなくなった。

「ひっ!」

「毒か。」

「ご名答。」

スパンダーは背中の脚から糸を発射してヒジリ達を拘束した。

「ご苦労、ハザードハッカー。次はドローンを飛ばして各地にここを繋げろ。」

スパンダーはモニターに命令するとオペレーションルームの全システムが復旧した。

「嘘・・・」

「なんで・・・」

「そもそもあんたどうやってここにきたの?」

「答える必要はない。」

スパンダーはヒジリがいた席につくと機器を操作してカメラを自分に向かせた。そして、ヒジリを掴むと放送が始まった。


各地で戦闘が繰り広げられている時、空咲達の前にドローンがやってきた。そのドローンが空中にモニターを映し出す。そこに映っていたのはヒジリを掴んでいるスパンダーだった。

「えぇ!?スパンダー!?」

「な、じゃあこいつは・・・」

「なるほど、あれはスパンダーって奴の偽物か。」

映っているスパンダーに空咲達は驚いていた。バリアの中にいるルギリナも理解はしたが驚きを隠せずにいる。


南でも放映されている。モニターに映っているスパンダーに佐古水達も驚いていた。

「なんで!?」

「突破された?いや、それなら連絡がくるはず。」

「そんなことより俺を楽しませろ!」

「黙ってろ。」

佐古水は驚きつつも向かってくるイフリードを相手にした。


東で放映されると姫樹達は驚愕した。

「なんであいつがいるんだよ!?」

「早く戻りませんと!」

慌てて戻ろうとするが逃げるアレクサンドルガを追いかけた結果、テラからかなり離れてしまっていた。

「やられたのぉ。とにかく戻るぞ!」

ルージュが先んじて戻ろうとするとアレクサンドルガがニヤリとしながら煽ってきた。

「どうした?逃げるのか?」

「うぐっ!」

「敵前逃亡とはとんだ腰抜けじゃのぉ。」

ルージュの言い方を真似てさらに煽ってける。ルージュは体を震わせながらも戻ろうとする。すると、アレクサンドルガが後ろからミサイルを飛ばして攻撃してきた。

「こっからは俺達が攻める番だ。」

「やってくれる。お主らは急げ!」

「分かったにゃ!」

アレクサンドルガの相手をするルージュに言われて南が戻ろうとするといきなり襲われた。襲ってきたのはマルチワールドでヴァンキュラーと一緒にいたケモミミの少女だった。

「やる気かにゃ?」

「・・・」

少女と戦うことになった南。姫樹と小石川は急いでテラに向かった。


そして、西もモニターに映るスパンダーを見て唖然としていた。

「嘘・・・」

「お?成功か?」

「第一段階は成功だ。」

唖然としているキュアリアスに対しヴァンキュラーとグランドファングは作戦が上手くいったと喜んでいるように感じた。すると、ヴァンキュラーがいきなりキュアリアスの背後に周り羽交い締めにすると首に噛みついた。

「!?」

必死に振りほどこうとするキュアリアスの血を飲み始めたのだ。すると、キュアリアスは全身を真っ赤に燃え上がらせた。ヴァンキュラーは吸血を止めてグランドファングの隣に瞬間移動する。

「いいねぇ。情熱的だね~。」

「信じないから。夢宮君は絶対生きている!」

「好きにしろ。」

グランドファングを睨み啖呵をきるキュアリアスを先頭に橘達は再び構えた。


各地の状況を一通り見たスパンダーはニヤリと笑って演説を始めた。

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