贖罪
勇輝とクラスメート達、兵士達が各々の武器を取り返して怪獣達に挑みかかった。
佐古水と橘はグランドファング、飛鳥崎と山瀬は肩から光のミサイルを発射する怪獣を相手にした。
そして、勇輝はスパンダーを相手に戦っていた。スパンダーは口から放つ破壊光線の他に大きな鎌や目から放つレーザー、蜘蛛の腹部から放たれる針で勇輝を苦しめていた。
「何度戦っても同じだ!戦争はどちらかの頭を潰さない限り終わりはしない!」
「仲良く出来ないんですか!」
「無理だな。それが出来たらこんなことにはならないだろ。」
勇輝も口から吐く光線や角から放つカッターで応戦しているが明らかに不利だった。そこに助けにきたのは郷田と堀垣だった。
「待たせて悪かったな、勇輝!俺は最後までお前を信じてたぜ!」
「ごめん、勇輝。」
二人はそれぞれの魔法でスパンダーを攻撃した。しかし、堀垣の土の球も郷田の炎の弾もスパンダーには効いてなかった。
「無駄だ。この体は簡単には破壊は出来ん。」
スパンダーは鎌を振り下ろし、三人を攻撃した。勇輝と郷田は避けれたが堀垣がこけてしまった。スパンダーは堀垣に向かって破壊光線を撃とうとしていた。
二人がスパンダーに向かうが他の怪獣が邪魔をした。そこに、現れたのは友子だった。友子は口から輪状の光線を吐き、スパンダーの頭部に当てた。
スパンダーは狙いを堀垣から友子に変え破壊光線を放った。友子は避けようとしたが左の翼が無いことを思い出した。すると、テレサが友子を持ち上げ破壊光線を避けたのだ。
「すまない、星雲寺。私は愚かだった。贖罪になるかどうかわからないが今は君の翼に私がなる!」
「は、はい!」
スパンダーは二人に向かって口から針状の光線を連射し始めた。二人はそれを避けている間に勇輝が真下から光線を吐いた。それは見事命中するもスパンダーには効いていなかった。
スパンダーは勇輝を鎌で攻撃したが勇輝はとっさにジャンプしてそのまま飛んだのだ。スパンダーは勇輝にも針状の光線を連射した。
勇輝が避けていると姫樹と小石川が針状の光線を防ぎながら援護した。
「ごめん、夢宮。お前、本当にいい奴だな。」
「ここからはお任せくださいですわ。わたくし達があなたの援護を全力で致しますわ。」
そう言って二人は勇輝の前に並んだ。姫樹は右腕の籠手を弓に変形させそこに風魔法で作った矢を装着し、小石川は持っているスナイパーライフルに背中のビームカノンを合体させていた。
「これでもくらえ、蜘蛛野郎!《サイクロンアローレイ》!」
「わたくし、蜘蛛は大の苦手なんですの。《デキサスレールガン》!」
姫樹は風の矢を、小石川は特大のビームをスパンダーに向けて放った。スパンダーも口から吐く破壊光線で対抗した。互いの攻撃は空中で相殺され姫樹達は相殺された時の光に目を閉じた。
「これでもダメか!」
「まだですわ!」
二人は再び同じ攻撃をしようとするがそれよりも早くスパンダーが破壊光線を吐いた。その時、テレサが前に出てシールドを張った。破壊光線はシールドに当たり、テレサは必死に耐えていた。
「夢宮!君達に贖罪させてくれ!」
勇輝は黙って頷いた後、口から光線を吐いた。それに合わせて姫樹と小石川もさっきの技を放った。そして、友子も勇輝達に合わせて口から光線を吐いた。
四人の技がスパンダーの破壊光線を少しずつ圧していき、そしてスパンダーの口の中に命中した。スパンダーは耐えているがとうとう、頭部が木っ端微塵に吹き飛んだのだった。