激突(リベンジ) 後編
各地で激突するWISHとスパンダー率いる怪獣軍。停電しパニックになるテラ。爆発する格納庫。その中に1人の少年と1体の怪獣がいた。
日比野とアルギラだ。
お互いににらみ合いながら近付く。そして、同時に飛び出した。アルギラは両腕からノスフェルトブレードを出し日比野の剣を受け止める。アルギラは口から白色の破壊光線を吐いて日比野を攻撃する。日比野は紙一重で避けるとジャンプしてアルギラを蹴り飛ばす。
(やっぱり以前より強くなってる。)
一瞬の攻防だがお互い相手が前より強くなっていることを実感していた。アルギラはノスフェルトブレードの両隣の発光体から光弾サタンボールを放って攻撃する。日比野はサタンボールを切りながら接近を試みる。すると、アルギラは角から電撃を発生させて牽制してきた。日比野は数歩下がって避けるとV字に剣を動かし光の刃を飛ばした。
「《ビクトリーギロチン》!」
アルギラはビクトリーギロチンをノスフェルトブレードで破壊する。日比野は距離をとって光の刃を連射する。すると、アルギラは全身のトゲからミサイルのように飛ばしてきた。
「《アルギラスティンガー》!」
無数のミサイルは日比野に向かってくる。日比野は避け続けるが外れたミサイルは辺り一帯を火の海にしていく。長時間の戦闘は危険と判断した日比野はミサイルを足場にしながらアルギラに接近した。
「!」
「《ブラストスラッシュ》!」
日比野の必殺技は下がろうとしたアルギラのノスフェルトブレードを真っ二つにした。ノスフェルトブレードを失ったアルギラはよろめいてしまう。日比野は追撃しようとさらに接近する。すると、アルギラはさっき捨てたライフルの中から銃口に剣が付いたライフルを取り出して対抗した。
「!」
日比野は弾丸をシールドで防ぎ光の刃を飛ばして応戦する。アルギラは刃を切りながら接近し剣で日比野を刺そうとした。日比野も剣で受け流して避けると片方のライフルを蹴りでへし折った。
「これで、終わりだ!アルギラ!」
日比野が剣を振り下ろそうとした。その瞬間、アルギラは口から長く太い舌を出して日比野を殴り飛ばした。そのまま日比野の首を舌で締め付けた。
「ぐっ!」
日比野はとっさに舌を剣で切ろうとするともう片方のライフルについている剣で弾かれた。さらにアルギラは舌から電流を流して日比野を苦しめた。
「ぐっ、ぐわあぁぁぁぁぁぁ!」
電流を受けた日比野は叫び声をあげてしまう。そんな日比野の表情を見たアルギラは電流を止め舌を緩めてしまった。その隙をついて日比野は舌による拘束から脱出すると剣を拾ってもう片方のライフルも真っ二つに切った。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
「・・・」
日比野は首を抑えながら息を整えると戸惑っているアルギラに剣を向けた。
「・・・アルギラ、俺は君を怪獣として倒し、クラスメートとして助ける。次で最後だ。」
「・・・じゃあ、僕もこれで終わらせます。」
日比野は剣に光魔法を纏わせてそれをアルギラに向けて放った。
「《シャイニングブラスター》!」
剣から放たれた光の粒子はそのままアルギラに向かっていく。アルギラは一切逃げずに腹部を四つに裂けて光の粒子を飲み込み始めた。
「覚えているか!?これはあの時、君に敗れた俺の必殺技だ!」
「覚えていますよ。」
日比野は叫びながらも光線を放つことを止めない。 アルギラも耐えているが少しずつ圧されていった。
「な・・・」
「俺だった成長している!溝霧!俺はもう仲間を失わせないために!夢宮の理想を壊させないために!」
日比野はさらに威力をあげていく。そして、日比野が延々と放ったため限界を超えて吸収する羽目になり、アルギラは殆ど動けない状態へと陥ってしまった。アルギラの腹部から爆発と共に光の粒子が飛び散るとアルギラは前のめりに倒れてしまった。
「はぁ・・・」
アルギラが倒れると日比野も倒れてしまう。その時、爆発と共に天井が崩落し二人がいる橋に命中、橋を崩し始めた。
「まずい。このままじゃ・・・」
日比野は動こうとするが疲労で体を動かない。その時、アルギラが舌を伸ばして日比野を掴むと安全に場所へと投げたのだ。
「溝霧!」
「さよならです。出来れば僕もみんなと・・・」
アルギラ、いや溝霧は日比野に別れを言い切る前に橋と共に燃え盛る炎の中へと消えてしまった。
「溝霧ー!」
格納庫内には勝者となった日比野の虚しい叫び声だけが響いていた。
今回登場した怪獣
怪獣名 アルギラ
別名 進化怪獣
身長 2.2m
体重 185㎏
特徴
日比野達と再戦するためにパワーアップした姿。ノスフェルトブレードやサタンボールの他に全身のトゲからミサイル《アルギラスティンガー》、角からの電撃、自在に伸ばせる舌とそこから放つ電流が武器として追加されている。また、風魔法も使いこなして空中を浮遊することが可能。




