再会(リベンジ)
格納庫が爆破された。そのせいで収納されているストレイザーが出撃出来なかった。それはタイタンホークも同じだった。
「駄目だ!シャッターが動かない!」
タイタンホークで準備していた新庄が日比野に連絡しようとする。しかし、電波障害なのか繋がらない。タイタンホークの格納庫で発進準備している中島先生達も同じように日比野達に連絡しようとするが駄目だった。
日比野はタイタンホークが格納されている格納庫に着いた。すると、タイタンホークの上の橋にマント姿の男がいた。日比野はゆっくりと近付き声をかけた。
「久しぶり、溝霧。」
「・・・お久しぶりです。委員長。」
マントのフードを脱ぐと溝霧が日比野に返した。
一方、日比野と別れた空咲達はそれぞれどこに向かうか決めていた。
「私達は南、スパンダーを倒しに行く。」
「空咲さん達だけで大丈夫?」
「我も行く。丁度この義手の性能を試したい。」
「ならワシは東に行こうかのぉ。」
「じゃあ俺達も東だ。」
空咲達が南、姫樹達が東に向かった。
「俺達は北だ。初見の相手をする。」
「じゃあ残った私達は西に行こう。」
佐古水達もどこに向かうか決めそれぞれ走って行った。
南 (スパンダー)
チームアーサー、ルギリナ
東 (アレクサンドルガ)
チームグィネヴィア、ルージュ
北 (???)
チームガウェイン
西 (グランドファング)
チームマーリン、キュアリアス
発電室(???)
チームパーシヴァル
決まったらすぐに東西南北に別れて向かう。テラの兵士達も各々の武器を所持して共に向かって行く。
北
「さっさと来い~!俺を楽しませてくれ!」
先頭にいる怪獣が炎を吐きながら侵攻してくる。そこに、佐古水率いるチームガウェインが到着した。
「チームガウェイン、現着した。」
佐古水がトランシーバーで連絡をする。怪獣は佐古水達を確認すると嬉しそうに前進してきた。
「俺はイフリード!お前ら、強いんだろ!?俺を楽しませてくれ!」
イフリードが右腕の巨大な剣を振った。そこから巨大な炎の刃を飛ばしてきた。佐古水は刃を避けイフリードに近付き水魔法を纏った刀で攻撃する。後ろからは郷田と堀垣が援護する。ベルッドはテラに向かう他の怪獣を兵士達と一緒に攻撃して侵攻を防いでいる。
「いいな、いいなぁ!」
佐古水と斬り合っていたイフリードが楽しそうに興奮している。佐古水はイフリードの腹に水の球をぶつけて退けさせる。
「楽しませてくれるねぇ!俺は強者を焼くのが好きなんだ。お前はどういう風に嘆いてくれるんだ!」
「俺は今まで一度も嘆いたことはない。そして、これからも嘆くことはない。」
向かってくるイフリードに対し佐古水も対抗するように走り出した。
東
「久しぶりだな、WISH。」
トリケラトプスみたいな怪獣の上からアレクサンドルガが空咲達に話しかける。よく見るとアレクサンドルガの腕が異常なほどに肥大化しクリスタル状に発達していて背中にも突起が生えている。
「奴は何じゃ?」
「以前、スパンダーと一緒に街を襲撃にきた怪獣です。おそらくスパンダーの腹心かと。でも前よりなんかゴツくなっているような・・・」
ルージュの質問に姫樹が答えた。ルージュは答えを聞くとドラゴンに変身して怪獣を迎え撃とうとした。
「お前が例のドラゴンか。」
「ワシのことを知っておるのか?」
「勿論。情報は戦争において大切だからな。」
アレクサンドルガは狙いを定めると両肩のキャノン砲から無数の光線を発射して攻撃してきた。姫樹達は避けながら応戦を始めた。周りにいた怪獣達も魔法や光線で攻撃してくる。
「数が多い!」
「こういう時はリーダー格を落とせばすぐに終わる!」
ルージュがアレクサンドルガに向けて炎を吐く。しかし、アレクサンドルガは腕を重ねてバリアを張り炎を防いだ。
「変わったのは何も見た目だけじゃない。」
「厄介じゃのぉ。」
ルージュはアレクサンドルガを睨んだまま膠着状態が続いた。
西
「久しぶりね、グランドファング。」
「ああ、久しいな。」
グランドファングと対峙したキュアリアス達。グランドファングは背中のトゲがさらに鋭く角も若干長くなっている。
「ちょっと変わった?」
「まぁな。俺達だって成長ぐらいはするさ。」
キュアリアスの質問にグランドファングは答える。グランドファングは答えると腕を挙げて後ろにいる怪獣達に侵攻の指示を出した。
「行くよ。」
「了解。」
キュアリアスが走ると同時に橘達も攻撃を始めた。グランドファングは肩から光弾を連射して攻撃してくる。キュアリアスは空に飛んで避ける。橘達もそれぞれ左右に別れて避けながら攻撃する。すると、グランドファングは地面を隆起させて攻撃を防ぎ角から光線を発射してキュアリアスを牽制した。
「あいつ、あんな攻撃があったなんて。それに土魔法も使うのね。」
新たな技を習得したグランドファングに苦戦するキュアリアス達。それでも、テラに近付けさせないように攻撃を続けていた。
南
「あれがスパンダー・・・」
こっちへ向かって侵攻してくるスパンダー達を視認したルギリナ達。早速、迎撃するために突撃しようとした。その時、空咲達が何かにぶつかったようで痛そうに顔を押さえた。
「なんだ?」
「いった~!って何これ!?透明な壁・・・?」
空咲達が見えない壁を触ったり叩いたりしている。ルギリナが周りを見るとどうやらドーム状にバリアみたいなのが張られているらしくルギリナだけがバリアの中にいた。そして、バリアの中央には数体の怪獣がいた。その中に常に光っている一本角の怪獣がいる。
「あいつか・・・」
「分かりやすい・・・」
ルギリナは狙いを一本角の怪獣に定めると一気に接近した。その時、ルギリナの前に現れた男が刀を真一文字に振ってルギリナを攻撃した。
「誰だ?」
「お初に御目にかかる。俺はベンケイとでも呼んでくれ。」
ベンケイ。以前溝霧がアルギラとしてマルチワールドにいた時にヴァンキュラーと一緒にいた侍みたいな男だった。ベンケイは一本角の怪獣の前に立ち刀を構える。
「面倒なボディーガードだ・・・。空咲、我はこいつらを倒して行く。先に行け。」
「分かった!行きましょう、アリスさん!」
「ええ!」
空咲達はバリアを迂回するように回ってスパンダーに向かった。
各地で激突する中、ウルトラレックスが眠っている病室に謎の影が忍び寄ろうとしていた。