応援! レックスvs.ジャギュラ
「みんな・・・」
ジャギュラと決闘していたウルトラレックスの元にキュアリアス達がやってきた。
「どうして・・・」
「どうしてって勇輝が心配だからに決まってるでしょ!」
「と、言いながらもさっきまでこのことを黙っておったくせに。」
「うっ!」
ウルトラレックスが決闘に向かった後
「レックスがいない!」
ウルトラレックスがいないことに気付いたルージュが日比野達に連絡した。
「なんだって!」
日比野達は慌ててウルトラレックスを捜し始めた。
(もう行ったのね、勇輝。)
キュアリアスは決闘に行ったウルトラレックスを心配していた。その様子を見ていた佐古水がキュアリアスに近付いた。
「星雲寺、夢宮はどこだ?」
ギクッと背中を伸ばして驚くキュアリアスに佐古水がさらに詰め寄る。
「え!?な、なんのこと!?」
「お前、夢宮がいないと言っていた時からあっち見て何か考え込んでいただろ?」
「いや!そんなことないから!勇輝の居場所は知らないから!」
「怪しい。」
佐古水に問い詰められ必死にしらばっくれるキュアリアスに橘達も不審に思いキュアリアスに詰め寄る。
「へぇ、知らないか。なら、知ってると言うまで・・・」
怖い顔して近付く橘にビビったキュアリアスは逃げようとするが佐古水達に捕まった。そして、大の字にされると橘達に脇や足裏を擽られまくった。
「あ、あははははは!ま、待って!お願い!」
「だったらレックスの場所を吐け。」
「し、知らないから・・・いひひひひひ!」
「なかなかしぶといのぉ。これでどうじゃ?」
「だ、ダメ!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」
橘達がしばらく擽り続けるととうとう観念したのか少しずつ話し始めた。
「ゆ、勇輝はジャギュラと決闘しに行ったの・・・」
「そこは大方予想通り。問題は決闘の場所だ。それはどこだ?」
「そ、それは・・・」
「ラウマシティのコロッセオというところです。」
すると、キュアリアスの代わりにモルフィナが答えた。
「そこって確かルギリナさん達と特訓していたところですよね?」
「そうじゃな。あやつ、そこを決闘の場所に選びおったか。」
「確かにあそこなら決闘に相応しいけどここから相当遠いな。」
キュアリアスを解放するとすぐにラウマシティに向けて出発する準備を始めた。
「ま、待って。勇輝は決闘の邪魔しないでほしいって言ってたの!」
「邪魔しに行くんじゃない。応援に行くんだ。」
日比野はみんなに準備を済ませるように指示しギーラに出発することを話した。ギーラもあっさりと許可を出しタイタンホークが出発の準備が出来るようになると先に飛び立ったルギリナ、ルージュそしてキュアリアスに続くようにサーガノアを出発した。
そして今・・・
「・・・ということじゃ。」
「1人で抱え込まないでほしいな。」
「俺達、仲間だろ?」
「安心して。私達は決闘に手を出さない。」
「応援と決闘の邪魔をしようとする怪獣から守るために来たんだから!」
「みんな・・・」
観客席に集結した日比野達がウルトラレックスにエールを送る。
「いい仲間だな。俺にもああいう仲間がいれば・・・」
ジャギュラがボソッと呟く。
「安心しろ!俺も決闘の邪魔するなと念入りに言っておいた!」
ジャギュラが日比野達を見終えると再びウルトラレックスの方を向いて来いと挑発した。ウルトラレックスもそれに応えるかのように構えてスターライトストレートを放つ。ジャギュラもインフェルノフィンガーで応戦する。
再び激しい火花が飛び散る。日比野達が目を覆っていると2体は最初と同じように空に飛び立って空中戦が始まった。お互いに技をぶつけ、赤と青の光が飛び交っている。
「は、速い!」
「ジャギュラもかなりの強者じゃがレックスも相当強くなっておる。」
あまりの速さに目が追いつかない。すると、2体同時にコロシアムに着地する。着地の衝撃で地面が舞い土埃が立ち込めるとそれを払うように両者走り出した。ジャギュラが蹴りを入れるとウルトラレックスは足を掴み回転しながら地面に叩きつける。ジャギュラがブレイクダンスのように回りながら立つとウルトラレックスは地面を転がって距離をとり立ち上がる。
ジャギュラは闇魔法で黒い光球を生成するとウルトラレックス目掛けて放った。ウルトラレックスも対抗するように光魔法で生成した光球を放つ。両者の球体がコロシアムの真ん中でぶつかり合い爆発すると今度は走りながら白と黒のカッター状のエネルギー弾を連射して攻撃を始めた。エネルギー弾を撃ち合いながら走り近付くと殴り合いが始まった。
「レックス、すげー強くなってる。」
「特訓の賜物かな?」
「そうじゃと思う。」
「勇輝・・・」
初戦で圧倒的な力を見せ付けられたジャギュラ相手に互角で闘うウルトラレックスを見てそれぞれ感動したり応援したり勝利を願ったりしていた。
ウルトラレックスの白と赤の拳とジャギュラの黒と青の拳が交じり合い幻想的な光景を生んでいる。
「お前は・・・なんだ?」
「?」
「ウルトラレックス。お前は何故力を付ける?何故、強さを求める?」
しばらく殴り合っているとジャギュラが質問してきた。ウルトラレックスは少し距離をとって下がると息を整えながら回答する。
「僕は・・・ヒーローになりたい。憧れのヒーローになりたい!・・・どんな時でもみんなを守るヒーローに。好きな人を守り切るヒーローに!だから、僕は強くなる!守るために!」
ウルトラレックスがそう叫んだ瞬間、体が光り出した。眩い光は辺りを包みその場にいた全員が目を瞑っていると光が消えそこには怪獣としてのウルトラレックスの姿ではなく人としての夢宮勇輝の姿があった。