恐怖からの復興
ジェノジュファーを倒した。
それを確認するとみんな大いに喜び出した。ストライクガリバー5号に搭乗しているギーラが勝利を宣言する。すると、ストライクガリバー5号が全身から火花を出して倒れてしまった。
「とうとう壊れたか。あんだけ無理をさせたんだ。仕方ない。」
本来スペシウムEXはチャージするのにかなりの時間を要するがチャージがたまる前に無理矢理何回も発射したためにスペシウム砲とストライクガリバー5号自身にかなりの負担がかかっていた。ギーラはストライクガリバー5号から降りると戦いで疲れて眠っているウルトラレックス達を見て一安心すると共に戦ってくれたみんなの前に立った。
「我々は勝利した!しかし、勝利の犠牲も多大な者だった。みんなの力がなければ非道な怪獣を倒すことは出来なかった!総員、新たな世界へ旅立つ勇敢な仲間達に敬礼!」
ギーラが敬礼するとみんな一斉に敬礼した。この戦いで亡くなった兵士は96人。サーガノアも壊滅的な損害を被っていた。しかし、迅速な対応のため民間人の被害は0となっていた。
「みんな、共に戦ってくれたことに感謝する!そして、怪獣の打倒に一番活躍してくれたWISHのみんなに私が代表してお礼を言わせて欲しい。ありがとう。」
ギーラはウルトラレックス達を見て再び敬礼する。それから、数日間ウルトラレックス達は眠り続けていた。
しばらくして
「・・・ここは?」
「あっ!目が覚めた!」
「良かった~!」
目を覚ましたウルトラレックスが周りを見回すと安心している日比野達がいた。どうやら、デバンが破壊されているため仮説テントで治療しているみたいだった。
「お前、何日も目が覚めないから心配したんだぜ!」
「・・・ジェノジュファーは!?」
「安心しろ。君達のおかげで倒すことが出来た。」
ウルトラレックスが聞くとレーテリウスが答えた。
「そうですか。良かった。」
「被害は尋常じゃないが最悪は免れた。本当に凄いよ、君達は。」
レーテリウスに続いてテレサも答えた。
「なんとかWISHは誰一人欠けることなく済んだのも幸いしたな。」
そう言ってテレサがカーテンを開けると治療してもらっている佐古水達チームガウェインがいた。
「大丈夫だったんですか!?」
「ああ。奴がわざわざ殺さなかったおかげでなんとかな。」
実は橘達はジェノジュファーが外に出た後、急いで地下シェルターに行きチームガウェインを救護したおかげで佐古水達は今も生きている。
「あれ?ルギリナさん達は?」
「彼女ならあそこ。」
起き上がったウルトラレックスは日比野が指した方向を見るとバドラーをじっと見ているルギリナがいた。
「もしかしてバドラーさん・・・」
「ちゃんと生きてるよ。」
ウルトラレックスが眠っているバドラーに近付くとバドラーは目を覚ました。
「左足が失くなっただけで命に別状はない。それはルギリナも同じだ。」
バドラーに言われてルギリナを見る。彼女は今も両腕がない。
「・・・」
「なんだ、レックス?我の心配か?問題ない。足だけでも戦えるし義手を作ってくれるところを紹介してくれるらしい。」
ルギリナを心配しているウルトラレックスに対しルギリナは軽く答えた。義手はサーガノアでも製作出来るがジェノジュファーによって破壊されているためしばらく復旧作業が優先される。そのため、他の場所を紹介してくれると言う。ルギリナがそう説明しているとテントの中に誰か入ってきた。
「もしかして、フィディスさん!」
「はい。フィディス・キリエロファントです。」
入ってきたのはこの世界唯一の宗教、トゥルディス教教皇のフィディス・キリエロファントだった。フィディスは昨日この街にきて聖徊をしていたらしい。そして、共に回復魔法などで負傷した者達を治療してくれているとのこと。
「そうだったんですね。」
「夢宮さんは大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
フィディスは元気そうなウルトラレックスを見るとニコッと笑いテントを出て行った。
「僕が寝ている間は・・・」
「結構ヤバかったな。ジェノジュファーの攻撃で多くの施設が破壊されたから今怪獣が襲撃してきたらそれこそ壊滅だろうな。」
「でも次のナンバーズって確か・・・」
「ジャギュラ・・・」
ウルトラレックスがその名前をボソッと言う。そう次の相手ナンバーズNo.4は一度惨敗し二度目も決着がつかなかった異世界転生してきた青年、愛条崎博彦又の名をジャギュラ。
「そうか。次はあいつだったか。」
「あいつなら不意打ちなんてしないと思うけど一応警戒はしておくよ。」
日比野がウルトラレックスのお見舞いを終わらせテントを出て行く。すると、ウルトラレックスの隣で寝ていたキュアリアスが目を覚ましていたことに気付いた。
「起きてたんだ。」
「さっきね。それで、どうするの?」
キュアリアスに聞かれウルトラレックスはしばらく考えた。
今、サーガノアは復興で大忙し。そんな中、一人の青年が堂々と歩いていた。