アルティメットフォース
ジェノジュファーの弱点と思われる賢者の石の在処が判明した。ジェノジュファーの胸部の真ん中だ。ウルトラレックス達は賢者の石の破壊を目指して一気に走り出した。
「鬱陶しい!」
すると、ジェノジュファーは腕を横に振ると周りに大量の竜巻が発生した。
「あれは高等風魔法のストーム!」
「魔法も使うのか!?」
竜巻は瞬く間にジェノジュファーを囲みウルトラレックス達を拒んだ。すると、竜巻の僅かな隙間を弾丸が通りジェノジュファーの胸部に命中した。
「!?」
「今の誰?」
いきなり飛んできた弾丸がどこから北のか探しているとデハンの屋上から禍々しいスナイパーライフルを構えたバドラーがいた。
「まさか、あっこから撃ち抜いたの!」
「魔王すげー。」
「・・・行け、ルギリナ。後は任せた。」
バドラーはそう言うと狙撃銃を置いて倒れた。ジェノジュファーが命中した弾丸を取り除こうとした時、弾丸が爆発しジェノジュファーの体が抉れた。そして、内部に緑色に光る石が確認できた。
「見えた!あれが賢者の石!」
賢者の石を確認したウルトラレックス達はすぐさま攻撃に転じた。しかし、ジェノジュファーの体はすぐに再生し完全に治った。それでも賢者の石があると思われる部位へ攻撃する。
「小賢しい。まとめて殺してやろう。」
ジェノジュファーが両手を上に掲げた瞬間、辺り一帯の地面や瓦礫が突如動き出し一斉にウルトラレックス達を襲った。そして、ジェノジュファーの周りに集まるとみるみるうちに形を作っていく。
「これがお前らを恐怖の地獄に落とす絶望の権現。《インフェルノジェノサイド》!」
集まった瓦礫がジェノジュファーによって巨大な姿に変化した。全身が無機質な機械であらゆるところに武器があり、足は4本、頭部にはジェノジュファーの上半身があった。
「まだこんな余力があったのか。」
巨大な機械を纏ったジェノジュファーは作り出した指から光線を発射して攻撃を始めた。後ろから姫樹達が攻撃しようにも背中からはミサイル、下からメロエスタ達が攻撃しようにも足の間にある管から火炎放射、例え真下に入り込めても下部が開きそこから破壊光線を発射して攻撃してくる。
「なんだよあいつ!全身兵器かよ!」
「隙がない。」
全軍必死に攻撃するがジェノジュファーの本体に攻撃が届かない。すると、真正面からウルトラレックスが突っ込んできた。ジェノジュファーはミサイルや光線で応戦するが巧みに避けとうとうジェノジュファーの前まできた。
「凄い。」
「行けー、レックス!」
みんなの声援と共にウルトラレックスはレクシウムブラスターを放とうとした瞬間、ジェノジュファーの下から長い触手が現れウルトラレックスを捕らえた。
「!?」
「はははは!その程度、予測済!」
ジェノジュファーは周りから大量の触手を出すと先から光線を発射して攻撃した。ウルトラレックスを捕らえた触手も光線を放ちウルトラレックスを吹き飛ばした。
「レックス!」
墜落したウルトラレックスに慌てて駆け寄るキュアリアス達。ウルトラレックスは生きているものの満身創痍だった。すると、ルギリナが近付きある提案をした。
「みんな、バルトロスの時に私が使った魔法を覚えているか?」
「え?あの魔方陣を通して攻撃を上げる魔法?」
「そうだ。あれはアルティメットフォース。本来は合体魔法だ。」
「何じゃそれ?」
「異なる者同士が一つになり絶大な力を得る究極の姿にする魔法だ。」
「そんな凄い魔法があるなら何故今まで使わなかったのじゃ?」
「この魔法は合体する者の魔力を全て費やすことで完全に発動するがあまりに強力過ぎるため約3分しか合体は出来ないしその後は魔力を使い切って戦えなくなる。それに・・・私は今まで誰かと共に戦うなんて考えてなかった。」
「ルギリナさん・・・」
起き上がったウルトラレックスがルギリナの説明を聞いている。ジェノジュファーはウルトラレックスにとどめをさそうとしているところに中島先生達が間に入り抑え込んでいる。
「何しているの!?」
「早く!」
「これ以上は・・・」
「邪魔だー!」
「・・・考えてる暇は無さそうじゃな。ワシはその提案に乗るぞ。」
「う、うん。私も。」
「・・・僕も一緒に戦います。」
「・・・ありがとう。」
ルギリナは礼を言うと詠唱を始めた。すると、4人の下に魔方陣が現れ瞬く間に4人を包み込んだ。
「何だ?」
「何、この光?」
「勇輝、友子・・・」
光はそのまま柱となり中から一人、いや一体の怪獣が現れた。
全身黄金に輝き荘厳なオーラを放つ怪獣は一瞬怯んだジェノジュファーに向けて指差した。
「なんだ?なんなんだお前?」
「僕(わたし(ワシ(われ)))は・・・アルティメットキュアレックス!」




