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錬金術

チームガウェインがジェノジュファーと交戦する前

病院内では橘率いるチームマーリンが地下シェルター行きのエレベーターの前にいた。

「どうしたの、凪?」

「実は佐古水に言われてな。」


昨日

「橘、頼みがある。」

「わ、私にか?」

「そうだ。」

佐古水は橘に近付くとこそこそ話をした。

「明日、俺達は地下シェルターで待機する。もし、連絡がなくてもエレベーターが破壊されたらそこに怪獣が出現したってことだから頼んだ。」

「あ、ああ。だがもしそうなったら私達も行った方がいいんじゃ?」

「そっちがいいかもしれんがお前達は上で待っていてくれ。」

「わかった。」


そのことを橘はチームのみんなに伝えた。

「そうなんだ。」

「でもあっちもなんとかしないと・・・」

礼崎がこっちに向かってくる怪獣を見た瞬間、エレベーターが爆破され轟音と共に地下へ落ちて行った。

「!」

「なんだ!?何の爆発だ!?」

爆発音を聞いた兵士達が駆け付ける。橘は破壊されたエレベーターを見て動揺した。

「エレベーターが爆発したってことは・・・」

「あぁ、地下シェルターに怪獣が現れたってことだ。」

橘達は武器を構えてエレベーターの前で待機した。爆発からしばらくするとシーンと静まりかえった。橘達は気を緩めることなく構えているといきなりエレベーターの扉が破壊され中からジェノジュファーが現れた。

「やっぱり待ち伏せしていたか。」

「ジェノジュファー!」

「え?何こいつ!?生き物じゃないの!?」

現れたジェノジュファーの体を見て礼崎が驚く。ジェノジュファーは礼崎に狙いを定めると右腕を伸ばしてきた。

「危ない!」

近くにいた兵士が彼女を突き飛ばすとジェノジュファーはその兵士の顔を掴んだ。

「こ、こんなもの!」

兵士が外そうともがく瞬間、ジェノジュファーの右腕についている謎の鉄の棒が回転し兵士の頭を貫徹した。頭部を破壊され脳みそが飛び散る光景を目の当たりにした橘達は恐怖で体が動かなくなった。ジェノジュファーは貫いた杭を収納すると今度は左腕からワイヤーを2本射出し朝比奈の両腕を貫いて拘束した。

「痛い!」

朝比奈はなんとかワイヤーを外そうとするとジェノジュファーの左手がドリルに変形しワイヤーを回収し始めた。それにつられ朝比奈もどんどんドリルに近付く。

「い、いや!」

必死でもがこうとするが非情にもドリルに近付いてしまう。他の兵士達も朝比奈を助けようとするがジェノジュファーがジェノパルスで恐怖の声を聞かせ兵士達を混乱させた。

「さぁ、恐怖せよ。」

ジェノジュファーが残忍な笑みをこぼし朝比奈をドリルで殺そうとした瞬間、窓からバドラーが現れジェノジュファーの左腕を破壊し殴り飛ばした。ジェノジュファーが壁をぶち抜きながら倒れるとバドラーはジェノジュファーの前に立った。

「ルギリナをあんな目に合わしたんだ。五体満足でいられると思うなよ?」

「く、くくくくく。くはははははは!貴様らごときが俺をどうにか出来ると本気で思っているのか?」

笑いながら立ち上がったジェノジュファーは失った左腕を前にかかげると周りの瓦礫が集まりだし左腕を形成した。

「何!?」

「俺はいくらでも再生出来る。」

「どんな魔法を使っているんだ!?」

「魔法じゃない。錬金術だ。」

再生した左腕を見て驚愕する橘達にジェノジュファーは再び得意気に説明しだした。

「この世界とは違う異世界で会得した技術だ。これのおかげで俺はもっと殺戮を楽しめるようになったんだよ。こんな風にな。」

そう言ってジェノジュファーは周りの壁の破片や木材を浮かせるとティモスラニアの時のように弾丸に形を変えた。

「あれが錬金術・・・」

「そうだ。物質の性質を変化させ不完全な物質からより完全な物質を生み出すことができる。・・・魔導貫通徹甲弾を錬成・・・ファイア!」

ジェノジュファーは周りに生成した弾丸をバドラー達に向けて放った。すると、バドラーはピンポイントでシールドを張り全ての弾丸を防御した。バドラーは足元にあった小石をいくつか掴むとジェノジュファーに向けて投げた。その小石のスピードは凄まじくジェノジュファーに命中したところから火花が出た。

「!?」

「さすが、魔王様。投石でも強い。」

「俺も周りにあるものならなんでも武器として使いこなすことができる。」

そう言って壊れたベッドの骨組みを拾うと一瞬怯んだジェノジュファーをぼこぼこに殴りまくった。しかし、ジェノジュファーにはあまり効果がないのかすぐに切られ掴みかかろうとした。バドラーもジェノジュファーの両手を掴むが兵士を殺した時のように鉄の杭がバドラーの両手を貫通する。それでもバドラーは手を放さず掴んでいる。

「さすが魔王。思ってたより粘るじゃないか。」

ジェノジュファーはニヤリとすると背中のスラスターが点火しバドラーを押し始めた。ジェノジュファーはそのまま壁を突き破りバドラーは大ダメージを負い血反吐した。

(動け、動け私!)

橘は震える足を叩き走ると後ろからジェノジュファーに狙いを定めてライフルで攻撃する。それに続いて礼崎や共にいたオークやエルフの兵士達も後ろから攻撃した。しかし、ジェノジュファーの体に傷を負わせることが出来ずジェノジュファーは口から光線を発射してバドラーを殺そうとした。

「黙ってくたばれ、鉄屑野郎。」

その瞬間、ジェノジュファーの懐に誰かが接近した。飛鳥崎だった。飛鳥崎はバドラーとジェノジュファーの間に入ると下から発射寸前のジェノジュファーの顎に向かっておもいっきりアッパーをかました。その瞬間、ジェノジュファーは真上を向き自分の光線で頭を吹き飛ばした。

「やっと殴れたぜ。覚悟しろよ。」

「覚悟、覚悟ねぇ。俺は今までそんなもんしたことねぇな。」

スラスターを使って起き上がったジェノジュファーは左腕の時のように頭を再生させながら不敵な笑みをし飛鳥崎と対峙した。

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