フレイ効果
ジェノジュファーに向かって総攻撃を開始したチームガウェイン。佐古水が拳銃を射ちながら接近を試みた。その援護をするように郷田と堀垣がライフルと魔法でジェノジュファーを攻撃する。そして、佐古水がジェノジュファーの隙を作るとベルッドが大斧で強烈な一撃をくらわせた。しかし、ジェノジュファーは鉈で斧を受け止める。
「なかなかいいコンビネーションだ。面白くなってきた。」
4人の攻撃をくらっても尚余裕の笑みを浮かべるジェノジュファーに佐古水が魔法で攻撃しようとした。その時、ジェノジュファーが佐古水に顔を向けるといきなり例の幻聴が聞こえてきた。
許さない、許さない、許さない、許さない、許さない
「!?」
佐古水は耳をふさぎジェノジュファーから距離をとる。しかし、幻聴は聞こえたままだった。
「おい、どうした佐古水!?」
「まさか、例の幻聴か!?」
「フハハハハハ!ジェノミストを防げばジェノパルスを防げると思ったか?あまいわ!」
ジェノジュファーは嘲笑いながら鉈を振り上げ佐古水を殺そうとする。そこに堀垣のゴーレムが現れ佐古水を守った。
「今だ!」
「ナイス、哲平!」
ゴーレムがジェノジュファーを抑えていると郷田がバズーカに持ち替え焼夷弾をジェノジュファーに向けて撃った。焼夷弾は見事ジェノジュファーに命中し辺り一面燃えた。
「やったか!?」
郷田が叫ぶと燃える炎の中からジェノジュファーが姿を現した。マントが燃え全貌が露になると佐古水達は言葉を失った。
「あまくみてたのは俺の方か。いいだろう!俺の全力で相手してやろう!」
マントが消えたジェノジュファーの体は全身青い装甲に被われまるでロボットのようだった。スタイリッシュな体付きに背中には翼を想起させる形状のようなスラスターがついており黄色く光る両目の間にはカメラみたいな目があった。
「まさかのロボット怪獣かよ。」
「いや、違う。俺は自分の体を改造したサイボーグ怪獣だ。」
「マジかよ。狂気過ぎるだろ。」
ジェノジュファーは自分の体の説明をすると口と両肩から光線を発射した。佐古水達は光線を避けると左右に分かれ攻撃を再開した。郷田が再びバズーカを撃とうとするとジェノジュファーは右腕にガトリングガンを生成し焼夷弾を空中でおとした。そこに堀垣が土で斧を作ると大きく振りかぶって攻撃した。しかし、ジェノジュファーは左腕から剣を出すと斧を真っ二つに切った。
「その程度か!?」
ジェノジュファーは堀垣を蹴り飛ばすと笑いながら顔を向けた。その時、堀垣は悲鳴をあげ両耳をふさいだ。
「まさか、またか!?」
「どういう原理だ?魔法じゃ説明がつかん!」
「フレイ効果を知っているか?」
ジェノジュファーがベルッド達に問う。ベルッドは何のことか理解出来ていないとジェノジュファーは自慢気に話し始めた。
「こことは別の異世界にある技術だ。パルス状の電磁波をある一方向に照射することで対象の頭部との相互作用で頭の中から発せられたような音が聞こえる聴覚効果をもたらす。ジェノミストはその効果を霧の中にいる対象に広げる役割がある。」
「何そのとんでも技術?」
ジェノジュファーの説明に郷田も理解出来ていなかった。すると、説明を終わらせたジェノジュファーが瓦礫を浮かばせると槍を生成し郷田に向かって投げつけた。槍は郷田の腹を貫きそのまま郷田を壁に激突させる。
「郷田!」
佐古水達は郷田を助けようと向かうとジェノジュファーは堀垣の下から槍を出して腹を貫通させた。そのまま瓦礫で弾丸を生成してベルッドを撃ち抜き倒すと堀垣と同じように地面から槍を出して貫通しその場に固定した。
「堀垣!ベルッドさん!」
「最後はお前だ。」
そう言ってジェノジュファーは右腕を伸ばして佐古水の腹を掴むと手から剣を出して貫通させ佐古水を壁に固定した。ジェノジュファーほ腕を戻すと佐古水を固定させている剣だけが残った。佐古水達は口から血を吐きなんとか脱け出そうともがく。そこにジェノジュファーが近付き佐古水の前に顔を近付けた。
「気に入った。お前らは獲物を全員狩った後にゆっくりと恐怖を刻もう。だから、その時まで耐えてみろ。」
「・・・もし、次にお前を見たら自爆してやる。」
「いい心掛けだ。」
ジェノジュファーは嘲笑うと壊れたエレベーターへ向かってしまった。




