激突 アルギラ戦
オペレーションルーム
そこでは日比野と溝霧が戦っていた。日比野は剣で攻撃し、溝霧は腕から生えた刃で攻撃していた。
お互いに退くことなく切り合いを続けていた。すると、溝霧は右腕からも刃を生やし、日比野に向かって来た。日比野はそれでも溝霧と互角に戦っていた。溝霧は隙を見て風魔法を放つも日比野はそれを簡単に避けた。
部が悪いと思った溝霧は日比野から距離をとると、両腕の刃の両隣の発光体から光弾を放った。
「!」
日比野が避けると後ろの壁が光弾によって抉れた。
「これか。昼森達を殺した光線は?」
「はい。」
日比野は剣で防御した後、凪ぎ払い溝霧を遠ざけた。溝霧は両腕から光弾を連射し始めた。
日比野は光弾を避けたり剣の弾きながら詰め寄り、溝霧を吹っ飛ばした。吹っ飛ばされた溝霧は天谷達の後ろに倒れ込んだ。
「溝霧、諦めろ。今の君じゃ剣も銃も魔法もまだ未熟。知ってるだろ。俺がここで剣や魔法を使いこなすためにどれだけ努力したのか。」
「・・・はい。僕は未熟です。だから、この結果を招いた。だからといってここで諦めたくない。だから、僕は今から人を辞めます。」
そう言った溝霧の体は瞬く間に変化した。腕や背中、足は黒い刺に覆われ、胸や腹は岩のようにゴツく、頭には大きな一本角、背中には鮫のような背鰭、生えた尻尾の先に水晶みたいな突起が3つがあった。
「溝霧、本当に怪獣になったのか。」
「今から僕は溝霧ケイじゃなくアルギラとして日比野さんを倒します。」
「アルギラ。」
日比野は剣を握りしめて再び溝霧、いやアルギラに向かって走った。アルギラも両腕の刃を振りかざして日比野に攻撃し始めた。
日比野も剣や魔法で戦ってはいるが、怪獣になったことで体力や筋力が格段に強化されたアルギラに防戦一方だった。アルギラは頭の角に電気を纏わせ日比野に攻撃してきた。日比野はそれを避け、アルギラから距離をとった。
「溝霧、クラスメートにこれは撃ちたくなかった。けど、すまない。これで終わらせる。」
「?」
日比野はそう言って剣に光魔法を纏わせてそれをアルギラに向けて放った。
「《シャイニングブラスター》!」
剣から放たれた光の粒子はそのままアルギラに向かっていった。すると、アルギラは一切逃げずに立っていた。そして、腹部が四つに裂け光の粒子を全て飲み込んだ。
「な!」
「これが今の僕の必殺技、《ブリッツスパウトスパーク》!」
日比野が驚いているとアルギラは腹部から紫色の光線を発射した。日比野はとっさに剣と魔法でガードするも紫色の光線は日比野を吹っ飛ばした。
吹っ飛ばされた日比野は壁に激突し、そのまま気絶してしまった。
アルギラは気絶した日比野を静かに、悲しげな目でじっと見つめていた。
今回登場した怪獣
怪獣名 アルギラ
別名 変身怪獣
身長 2.1m
体重 180㎏
特徴
溝霧ケイが異世界に召喚された際になってしまった怪獣。最初から溝霧ケイとして変身が可能。主な武器は両腕から生えた刃 《ノスフェルトブレード》、その両隣の発光体から放たれる光弾 《サタンボール》、そして腹部の第2の口で吸収したエネルギーを強化させて放つ《ブリッツスパウトスパーク》。ちなみに、アルギラという名前はスパンダーが付けた。