表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/314

悪戦苦闘

「ヤバい!突破される!」

ショーンが叫ぶがもう遅くバルトロスはクレアコフに体当たりしたまま第2警戒区域防御壁を破壊して第3警戒区域へと入ってしまった。バルトロスはそのまま真っ直ぐガッツエクスト司令塔に向かう。そこには避難している住民やバンデロ達がいた。

「まさか、ここまで突破してくるとは。」

「バンデロ中将。例の怪獣の情報がきました。」

「読め。」

「1年前からナイトサーガを中心に活動していた怪獣で当時はリザドラスと命名。軍施設の襲撃などで第2級危険怪獣として登録されていました。」

「これで第1級危険怪獣に指定されるな。」

バンデロはバルトロスの情報を見ると部下に命令していた。


「ゲドルフさん!」

ウルトラレックス達が叫ぶがクレアコフに反応はない。

「ゲドルフ少尉!応答してください、ゲドルフ少尉!」

「・・・なんとか・・・生きてるみたいだな。」

「良かった。アルファ3、至急クレアコフを回収、ゲドルフ少尉を救助せよ!」

「アルファ3了解!」

ゲドルフから応答があったとこにショーン達は安堵するとすぐにアルファ3と呼ばれたストレイザー部隊がクレアコフに行き戦場から退避させた。

依然としてバルトロスはガッツエクスト司令塔に向かって進行している。あと5kmを切った時、新たなストレイザー部隊と共にタイタンホークがやってきた。

「お待たせしました!郷田!」

「わかってる!行くぜ、《ギャラクシーメーサーキャノン》発射!」

郷田の掛け声と共に放たれたギャラクシーメーサーキャノンは他のストレイザーの攻撃と共に命中するが傷一つ付かない。

「マジかよ。」

「おいおい。こんな怪獣は初めてだぜ。」

郷田と新庄が軽口を叩いた。すると、バルトロスはタイタンホークをじーっと見た後、口を開いた。

「WISHは全員揃ったのか?」

「?」

「そ、揃ったと思うよ。」

バルトロスの質問にウルトラレックスが答える。実際、さっきの攻撃で足を捻挫して司令塔の医務室にいる小石川以外のメンバーはこの場にいた。

「そうか。」

「?」

バルトロスの発言を聞いたウルトラレックスはあることを思い出した。

(そういえば、あの時“WISHに勝負を申し込みにきた”と言っていた。・・・ってことは。)

ウルトラレックスはある仮説を立てるとバルトロスの前に出た。

「バルトロス!僕と・・・僕達WISHと勝負だ!」

そう言ってウルトラレックスは第2警戒区域へと向かった。

「・・・よし。乗った!」

すると、バルトロスもウルトラレックスを追って第2警戒区域へ向かって行った。

「あれ?なんで?」

「そうか。あいつの目的は俺達だ。ってことは俺達が安全なところに向かえば奴も行くからあそこは安全ってことだ。」

ウルトラレックスの行動の真意を新庄はすぐに汲み取った。それを知った日比野はすぐにウルトラレックスとバルトロスを追いかけてタイタンホークを飛ばした。


ウルトラレックスは第2警戒区域に入ると反転してバルトロスと対峙した。少し遅れてキュアリアス達やタイタンホーク、ショーン達も合流した。

「確かにここなら被害はかなり抑えられる。考えたな。」

「でもここからが問題ですよ。結局、あいつを倒さないといけないんですから。」

再び始まったバルトロス戦。まずはチームランスロットが波状攻撃でバルトロスの気を反らす。そこに姫樹と南がバルトロスの両目を攻撃した。

「《サイクロンアローレイ》!」

「《水猫風魔手裏剣(すいにゃんふうましゅりけん)》!」

二人の攻撃はバルトロスの両目に命中した。しかし、両目とも無傷でバルトロスは瞬きして二人を見た。

「そこもかてぇのかよ。」

「にゃんか自信がなくなるにゃ。」

二人がバルトロスの前に来た瞬間、バルトロスは口から火炎放射で攻撃してきた。二人はとっさに避けるがバルトロスは辺り一面に炎を吐き続けた。

「うぉっ!まだあんな攻撃があったのか!」

「攻撃の手を緩めるな!攻撃を続けて奴を疲弊させる!」

「了解!」

ショーン達も攻撃に加わりさらに激しく攻撃した。それでもバルトロスは怯まない。すると、バルトロスか大きく口を開いた瞬間にウルトラレックスがバルトロスの口の中に突入した。

「レックス!」

「そうか。ギガヒュドラの時のように体内から攻撃しようてわけか。」

新庄がウルトラレックスの意図を読み取った。新庄の言う通りウルトラレックスはギガヒュドラの時のようにバルトロスの気管に突入すると中でレクシウムブラスターを放った。

すると、バルトロスは口から盛大に煙を吐いた。しかし、それ以上は何も起きずバルトロスは再び大きく口を開けた。

(あれ?もしかして体内も凄く硬い・・・?)

全く効いていない気管を見てウルトラレックスは焦った。すぐに体内から出ようとした瞬間、気管内が猛烈に熱くなった。それは口で発射するファイアボールや火炎よりもさらに熱くまるで高熱のオーブンの中にいるようだった。

「え・・・?」

ウルトラレックスは急ぐがその高熱は彼を包んだ。

そして

《インフェルノインパクト》

バルトロスが口から放った高熱の光線は瞬く間に命中したストレイザー部隊を蒸発、破壊し近くにいたタイタンホークにも尋常じゃない被害をもたらした。

「マジックバーニアが熱でやられた!」

「各種魔力回路に異常!このままですとタイタンホークは墜落します!」

「すぐに風魔法と水魔法でマジックバーニアを冷却、予備魔力回路に移行してなんとか飛行状態を保つんだ!」

「了解!」

日比野の命中ですぐに佐古水達が行動に移った。しばらく、風と水の魔法でエンジンルームやマジックバーニアに繋がる魔力回路を冷却しているとなんとかタイタンホークは浮遊することが出来た。

「な、なんとかなったか?」

「でもやべぇよ。近くにいただけでタイタンホークがサウナだぜ。」

バルトロスによって高温に加熱されたオペレーションルームでは上半身裸になった郷田が汗をだらだら流しながら愚痴った。彼だけではない。日比野や新庄もあまりの暑さに服を脱いでいた。

「男子はいいよね。こんな時、すぐに脱げるんだから。」

「そんなことよりレックス君は?」

「!」

「おい、夢宮!応答しろ、夢宮!」

ラフィの発言に日比野達はすぐにウルトラレックスに応答を求めた。すると、ウルトラレックスではなく姫樹が応答した。

「リーダー、まずいよ。レックス、瀕死だ。」

「!?」

応答した姫樹の前には全身火傷を負い息も絶え絶えになっているウルトラレックスがいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ