表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/314

正々堂々

現在ウルトラレックス達は第2警戒区域防御壁の上にいる。彼らの目の前には第1警戒区域防御壁を破壊し真っ直ぐ進撃してくるバルトロスがいた。

「相手は今までの怪獣と違って特殊な攻撃をしてこない。けど硬い皮膚にギャグみたいな威力の炎魔法が厄介だ。なんとしてもここで食い止めるぞ。」

「分かりました。」

「・・・って、ルージュさん!」

一番手に言ったのはルージュだった。ショーンがウルトラレックス達に指示する前にドラゴンに戻ってバルトロスに炎を吐いて攻撃した。しかし、バルトロスには効いていない。

「なら、これはどうじゃ!」

ルージュはバルトロスの前に移動すると紅龍之咆哮(バーニングドラグーンノヴァ)でバルトロスを攻撃した。しかしこれも効いていない。

「嘘じゃろ・・・。全然効いておらんのか。」

自分にとって一番強い技でも傷一つ付かないバルトロスにルージュは焦りを見せていた。

「おいこらドラゴン!先行するな!1対1じゃ勝ち目はない!こっちはチームで戦うんだ!」

「わ、わかったのじゃ。」

全く効いていないことにショックを受けたルージュはショーンの命中に大人しく従った。

「相手はシンプル故に弱点と思われる部分はないと推測される。ならやるべき方法は火力で押しきる。つまりゴリ押しだ。」

「本当にシンプルだなぁ。」

「あっちもゴリ押しできてるしね。」

ショーンの作戦(?)に従ってウルトラレックス達は攻撃を開始した。

「全軍、一斉掃射ー!」

「一斉砲撃ー!」

「《サイクロンアローレイ》!」

「《デキサスレールガン》!」

「《ヴァリアブルランチャー》発射!」

「《メガプラズマカノン》発射!」

「《紅龍之咆哮(バーニングドラグーンノヴァ)》!」

「《ボルテックスボンバー》!」

「《キュアフェニックススプラッシュ》!」

「《レクシウムブラスター》!」

ショーンの号令と共にウルトラレックス達は全力で技を放ってバルトロスに命中させた。

「どうだ?やったか?」

「これ、今までで一番威力あるはず・・・」

爆音と共に爆発し辺り一帯煙に包まれた。そして、煙が晴れると無傷のバルトロスが立っていた。

「嘘・・・」

「これでもだめってどうすりゃいいんだよ・・・」

「素晴らしい連携だ。」

絶望するウルトラレックス達にバルトロスは称賛しながら細かく分けたファイアボールをマシンガンのように飛ばして攻撃し始めた。

「回避!」

ウルトラレックス達はファイアボールを避けるが小石川がファイアボールを受けてしまい墜落した。

「小石川!」

「恵ちゃん!」

慌てて小石川を救出しようとするが小石川が墜落したのはバルトロスの目の前だった。しかも、彼女はバックパックがやられ足も挫いてしまい動けなかった。

(間に合ってくれ!)

バルトロスと小石川が目を合わせる。しかし、バルトロスは彼女を攻撃する様子もなくただ見るだけだった。そこにウルトラレックスがやってきて小石川を抱き上げて救助した。

「大丈夫ですか!?」

「え、ええ。大丈夫ですわ。」

「あいつ、攻撃しなかったな。」

「・・・さっさと彼女を安全な場所に連れたらどうだ?」

攻撃してこないバルトロスを不思議に思っているとバルトロスが驚きの提案をした。なんと敵であるはずの小石川の安否を気にしていたのだ。

「やけに優しいな。」

「ああ。戦えぬ者を攻撃するのは我の信念に反する。戦うならいつでも戦う意志を持つ者のみだ。」

バルトロスの答えにウルトラレックス達はまた驚いた。

「おー。なんという真っ当な武士道精神。」

「なんか今まで戦ってきた怪獣の中で一番好きになれそう。」

「でもそれで後で強くなったり大勢で攻めてきたらどうすんだ?」

「その時は全力で勝負するのみ。自分の信念に反した方が後悔する。現に我は今の状況に一切後悔はしていない。」

「やべぇ。かっけぇ。」

バルトロスの答えにウルトラレックス達は感動していた。バルトロスは実際今の多対1にも一切文句は言っていない。そして、今までのナンバーズとは違い正々堂々と戦いを挑んでいる。

「本当に好きになれそうです。」

「さて、あの子も待避できただろう。再戦といくか。」

小石川をストレイザー部隊の1機に任せたウルトラレックス達。バルトロスは小石川が安全な場所に行ったことを確認すると再び戦闘態勢に入った。そこにバルトロスの右から鉄の槍が飛んできて刺さったと思ったら爆発した。

「時間稼ぎご苦労。今スピアーズが到着した。」

「いつの間に!?」

ウルトラレックス達が槍がきた方向を向くと右腕が巨大な砲口になっているストレイザーが大量に並んでいた。そのストレイザーにさっきの槍が装着されると再び槍が飛んできた。

「何あれ?」

「対怪獣用強襲部隊スピアーズだ。着弾した瞬間に爆発して内部からダメージを与える魔導爆槍を装備したストレイザー部隊だ。」

姫樹が気になっていると換装を終え巨大な鋸みたいな刃のついた剣を持ったクレアコフに乗っているゲドルフが説明した。

「こっから反撃するぞ!」

「でも向こうは正々堂々としているのになんか・・・」

「気にするな。これぐらい覚悟の上だ。」

ウルトラレックスが戸惑っているとバルトロスがウルトラレックスに話しかけてきた。その体にはやっぱり傷はついていなかった。

「おいおい。本当にバケモノレベルの硬度だな。」

ゲドルフが驚いているとバルトロスは細かく分けたファイアボールでスピアーズを攻撃した。何機かは避けれたがファイアボールが命中し爆発してしまったストレイザーもいた。そこにクレアコフが背中のブースターを全開にしてバルトロスに突撃して行った。そして、巨大な剣の峰にもあるブースターをフル稼動させてその勢いのままバルトロスの開いた口に剣を振りかざした。

「行けええええええええ!」

ゲドルフが叫ぶ。全てのブースターを全開にしてバルトロスを斬ろうとするがバルトロスは剣を噛み砕いてしまった。

「マジかよ。・・・これやべぇな。」

ゲドルフが冷や汗をかいているとバルトロスはクレアコフに頭突きした後、体当たりしたまま第2警戒区域防御壁に突撃しクレアコフごと壁を破壊して第2警戒区域を突破したのだ。

「まずい!」

ショーン達が慌てふためくがもう遅くバルトロスは第3警戒区域へと入ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ