支配者 -インペリガーレ-
日比野達が必死に連絡を取ろうとする。すると、ルギリナが扉の方を睨んだ。そのことに気付いたルージュも戦闘態勢に入った。
「え、何?」
「・・・誰だ。」
ルギリナとルージュが扉を警戒していると扉が開き佐古水が入っていた。
「あれ、佐古水?なんだ、佐古水かよ。」
「なんで返事しなかったんですか?」
「待て。様子がおかしい。」
郷田達が佐古水に近付こうとするのをルギリナが止める。すると、佐古水の後ろから音信不通になっていた空咲達も現れた。
「え、何何!?」
「嫌な予感しかしないんだけど・・・」
「同感。」
冷や汗をかきながら下がるウルトラレックス達。ルギリナとルージュも警戒しながら下がっていると佐古水達がいきなり襲ってきたのだ。ルギリナは佐古水の刀を受け止めると蹴り飛ばして後ろにいる空咲達にぶつけた。
「窓だ、窓から出ろ!」
「え!?ここ10階だよ!」
「いいから!」
礼崎が外を見て恐がって言うが日比野達はルギリナの言う通りに窓からジャンプした。すると、ウルトラレックスとキュアリアス、それにドラゴンに戻ったルージュが日比野達を受け止めたり乗せたりした。
「そうだった。レックス達は飛べるんだった。」
ウルトラレックス達は日比野達を運んでいると窓から佐古水達が魔法で攻撃してきた。ウルトラレックス達は避けたり魔法でシールドを張って防いだりしていると下からレイダーのメンバー達がマシンガンなどで攻撃してきた。
「嘘!?」
「あいつらもか!?」
「まさか、レイダーそのものが既に怪獣の術中・・・」
「あの人達もあの虫に操られていたってこと?」
ルギリナの見解にキュアリアスも下のレイダーのメンバー達を見ながら聞いた。
「考えるのは後だ。今は安全な場所に行くぞ。」
ルギリナはレイダーのメンバー達を風魔法で吹き飛ばすとレイダーの本部前にある噴水広場に着陸した。すると、本部からも大量のレイダーのメンバーが現れ攻撃してきた。
「キリがないのぉ。」
「しかも、操られていると思うと本気で反撃できない。」
襲ってくるレイダー達を手分けして気絶は拘束して倒すウルトラレックス達。その中でもルギリナの力は凄まじくあっという間に相手を制圧していった。すると、彼女の前に剣と拳銃を構えたリーボルトが現れた。
「お前は誰だ?」
「・・・」
「黙りか。仕方ない。痛いめ見ても文句言うなよ。」
ルギリナは向かってくるリーボルトの攻撃を避けるとあっさりと剣と拳銃を破壊してリーボルトを抑えつけた。
「思ったより弱いな。」
「あぁ。もうこいつに用はないからな。」
「!?」
リーボルトから現れた謎の黒い霧に一瞬動揺したルギリナ。黒い霧はその一瞬をついてルギリナに纏わりついた。
「なんだ!?」
ルギリナはなんとか振り払おうとするが黒い霧が彼女の中に入り込んでしまった。その一部始終をウルトラレックス達が目撃した。
「ルギリナさん!」
ウルトラレックスが名前を叫ぶが反応がない。すると、ルギリナが動き出しウルトラレックスを見た。しかし、その目はさっきまでのルギリナとは違いこちらを見下し嗤っていた。
「ルギリナさん・・・」
「さすが魔王。なかなかいい身体だ。」
「!」
ルギリナ(?)の発言にウルトラレックス達は驚愕しながらもすぐに警戒した。
「お前は誰だ!?」
「ナンバーズ、No.7。闇影の支配卿インペリガーレ。」
「No.7・・・」
「ださい二つ名。」
「黙ってくれ、郷田。」
ルギリナの体を使って話し始めたインペリガーレ。すると、ニヤニヤしながらルギリナの技である黒い炎を放って攻撃してきた。ウルトラレックスはすぐにイージスラッガーで防ぐがインペリガーレはウルトラレックスに接近し殴り飛ばした。
「ぐっ!」
「貴様はこの魔王に勝てないのだろ?それに貴様に殺すことが出来るか?この身体を!」
インペリガーレは両手を広げルギリナの体を無防備にした。しかし、ウルトラレックスはもちろん日比野達も攻撃は出来なかった。そうこうしていると佐古水達がやってきた。そして、彼らの後ろには行方不明になった新庄達もいた。
「あいつらきおったか。・・・インペリガーレと言ったな。佐古水達を操っているのはお前でいいな?」
「あぁ。貴様らは大層シャドーを恐がっているみたいだな。」
ルージュが質問するとインペリガーレはニヤリとしながら右手から黒い霧を作るとそこから例の虫が大量に現れた。
「やっぱりお前か。」
「じゃあ、綾宮市にもいたのか。」
「その通り。No.9と組んであの街を支配する予定だった。まさか、No.4がいるとは思わなかったがな。」
インペリガーレは出したシャドーをウルトラレックス達に向かって飛ばした。ウルトラレックスがとっさにガードするとルージュが炎を吐いてシャドーを焼き払った。
「こいつはわしが相手する!お主らは周りを頼むぞ!」
「でも・・・」
「お主らが魔王に勝てると言うのか!?」
「じゃあお前は俺、いやこの魔王に勝てると?」
「いや、ルギリナに勝つじゃない。お前に勝つ。」
「どうやって?」
両手を広げて挑発するインペリガーレになかなか手が出せないルージュ。その間にも操られた佐古水達をウルトラレックスがなんとか捌いていた。
そんな中、礼崎は黙って胸に手を当てみんなを見つめていた。