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憧 -ドリーム-

ホテルに戻った日比野達はみんなに報告をした。ちなみに、新庄、風間、ベルッド、ラフィ達はタイタンホークで待機している。

「・・・以上だ。俺の率直な意見を言うとリーボルトさんは何かを隠している。」

「でも彼の周りには怪獣の気配がなかった。けど、彼からは何かおぞましい気配がしたわ。」

日比野に同行していたエルシアナが報告した。

「それってあの人が怪獣で人間に化けていたってこと?」

「いえ、怪獣の変身なら察知出来るわ。」

「そう。」

日比野達は報告を終えると各々の自室へ戻って行った。


その夜、寝付けなかったウルトラレックスが屋上に行くと一人で歌や踊りの練習をしている礼崎を見つけた。

「何してるの?」

「あ、レックス。アイドルの練習だよ。」

「熱心だね。」

「うん。将来の夢がアイドルだから。私ね、産まれた時からみんなと違うから小さい頃からからかわれてた。変な奴だと言われたし自分でもそう思ってた。でもテレビで見たアイドルがキラキラしててみんなに笑顔を届けていたのを見ると私もみんなを笑顔にしたいの思ったの。そうすれば、この髪も目も好きになれると思ったから。」

礼崎は自分の髪を触りながら自分の過去をウルトラレックスに話した。ウルトラレックスは黙って聞いた後、夜空を見てしゃべり出した。

「僕も昔からいいところとかないし別に特技もなかったから友達なんてほとんどいなかった。快翔と哲平がいなかったら誰とも仲良く出来なかったと思う。僕が昔からヒーローが好きだと言っても二人はバカにせずにいてくれた。だから今もヒーローに憧れていると思う。僕にとってのヒーローが礼崎さんにとってのアイドルなんだね。」

「そうだね・・・。さぁて、休憩終わり!また練習練習。」」

礼崎は立ち上がると再び歌や踊りの練習を始めた。ウルトラレックスは再びを練習する礼崎の歌声に聞き惚れていた。

「綺麗な歌・・・」

(僕はヒーローになれたのかな?今まではルギリナさんの言う通り力で怪獣を倒してきた。けどそれが本当に僕が憧れたヒーローなのかな?)

ウルトラレックスは一生懸命練習している礼崎を見て自分を振り返っていた。確かにウルトラレックスの技はどれも強力で普通の怪獣なら簡単に倒せてしまう。けど彼が憧れたヒーローはみんなに優しかった。だから、怪獣を殺す技しかない現状に疑問を持っていた。どんどん優しいヒーローから遠ざかってしまうように感じていた。

「どうしたの?そんな暗い顔して。」

下を向いて振り返っていると礼崎が顔を近付けてきた。驚いたウルトラレックスは慌てて距離をとった。

「な、なんでもないよ!」

「ふ~ん。なんか暗い顔してたから気になっちゃって。私がいるからにはそんな顔させないから。」

「凄いね。」

「でしょう。私の夢は憧れのアイドルみたいにみんなを笑顔にすること。だから、私の声をみんなに届けて、私の声がみんなを笑顔に出来るようにしなくちゃ。」

笑顔で手を伸ばす礼崎にウルトラレックスはおどおどしながらも手を伸ばした。

「ほら、勇輝君もスマイルスマイル!」

「う、うん。」

(そうだよね。暗い顔していたら憧れのヒーローからもっと遠ざかっちゃうから・・・)

ウルトラレックスも礼崎と同じように笑顔で再び手を伸ばした。二人はその後も夜空を見て礼崎はアイドルの練習、ウルトラレックスはそれを観賞していた。

その様子を影から覗き込んでいる者がいることに二人は気付いていなかった。

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