ここにいないのは?
「さぁ、始めようか。戦争を。」
門が破壊され、大量の怪獣が街中に侵攻してきた。
「迎撃装置どうなっている!?」
「分かりません!怪獣が侵攻する前から何者かによって迎撃システムが破壊されたのかと。」
「バカな!?例え透明化怪獣や人間に化ける怪獣がいたとしてもすぐ分かるはずだ!」
突然の怪獣の襲撃に城の中はパニック状態となっていた。そこに、ラッセル議長が現れた。
「今は過去を振り返る時ではない。すぐに怪獣達を迎え撃つぞ。早速だが、あの異世界転移した者達も戦闘に加わってもらう。準備しろ!」
「了解!」
ラッセル議長の命令ですぐに怪獣の迎撃が行われた。
ホテルの外
「怪獣が襲撃!」
「あぁ、何故かセンサーや迎撃システムが破壊されたせいで発見が遅れたらしい。」
「それじゃあ、街の中にすでに怪獣がいたのか!?」
「いや、その場合はすぐに分かるはず。」
「ってことは人間の協力者がいるということね。」
「その可能性が高い。」
日比野達が走っているとアリスが日比野達と合流した。
「アリスさん!」
「ちょうど良かった。議長から君達に応援要請だ。すぐに怪獣を迎撃してほしいと。」
「いきなり実戦!」
「上等じゃあねぇか。」
「そうだな。いつかはこうなる。なら早い方がいい。」
初戦に郷田は驚いていたが飛鳥崎と山瀬は戦う気満々だった。
「いきなりの実戦だが私達が全力でサポートする。安心してほしい!それと、天谷さんとエメラナさんはすぐにオペレーションルームに来て。」
「「分かりました。」」
アリスは天谷とエメラナをオペレーションルームへ連れていった。
「よし、俺達も戦闘に参加する。怪獣達を倒してこの街を守るぞ!」
日比野達は怪獣と戦うため門に向かった。
「「「GP ON」」」
姫樹、小石川、南が叫びながら腕のブレスレットに魔力を送った瞬間、ブレスレットが光り三人の体を包むと三人の体をGパワードスーツが纏った。
「え!?何かすごい!」
「フフ~ん。だろ。」
「あぁ、ぴっちりスーツがいい線いってて三人とも女性らしくてなんかエロい。」
「おい!それに俺を含めるな!」
「エロい目で見ないでください!」
「変態!」
三人はGパワードスーツを着て怪獣の方に向かった。
日比野達も各々の武器をとり怪獣の方に向かった。
オペレーションルーム
「ただいま到着しました!」
アリスが天谷とエメラナをオペレーションルームに連れて来た。そこにはラッセル議長をはじめ、護衛やオペレーター達がいた。
「来たね!こっちに座って!」
「はい、教官!」
二人は教官と呼ばれたウサギの獣人の隣に座った。
マークタウン正門
「怪獣共を駆逐しろ!」
大量に攻めてきた怪獣を相手に兵士達が奮闘していた。そこに、日比野達が応援にきた。
「大丈夫ですか。」
「あぁ、大丈夫だ。」
日比野達も戦闘に参加したが初めての戦いにたじろいでいた。
「オラオラ!どうしたぁ!」
しかし、その中でも飛鳥崎や山瀬は前線に立って戦っていた。飛鳥崎はボクシングの動きで怪獣を圧倒し、山瀬は向かってくる怪獣を截拳道で迎撃していた。
「さすが、格闘経験者は違うな。」
「無駄口叩く暇があったら撃て。」
郷田や橘もライフルで怪獣を攻撃した。そして、佐古水は刀と拳銃を使って怪獣を倒していた。
佐古水は刀に炎を纏わせたり、弾丸に雷を纏わせて撃って戦っていた。
「すごい、佐古水さん。」
「まじでなんでもできるよね。」
そんな佐古水を見て朝比奈と空咲は唖然としていた。
「あれ?先生と舞沢さんは魔導操士じゃなかったの?」
「何故か戦闘機やロボットが動けなくなったの。」
「もぅ、ちゃんと点検しなさいよ。」
堀垣の質問に中島先生が答え、舞沢は愚痴を言っていた。
すると、上空に見覚えある影が見えた。その影は間違いなく怪獣化した星雲寺友子だった。
襲撃直後
「嘘、街が・・・」
友子は怪獣達の襲撃に言葉を失っていた。
(早く勇輝を助けないと。)
友子はあわてて街に向かった。
「友子ちゃん!」
呼ばれた友子が下を向くと礼崎が心配そうな顔で見上げていた。友子がそれに気をとられていると攻撃を受けた。友子が振り向くとビームマシンガンを構えた姫樹がいた。
「星雲寺、お前もあいつらの仲間か?」
「違う!私は勇輝を助けに来たの!」
「いくらなんでもタイミングが良すぎないか!?俺達が来てからなんで怪獣が襲って来るんだ!」
「知らない!そんなのあいつらに聞いて!」
友子は必死に訴えていた時、左翼が斬られた。
「え・・・」
友子は落ちながら上を見るとGパワードスーツを装着したテレサがいた。
「お前がどう思っているか関係ない。お前は怪獣。それだけで充分だ。」
友子は声にならない悲鳴をあげていた。
テレサが友子にトドメをさそうとした瞬間、光のミサイルがテレサを襲った。テレサはとっさにシールドで防御するが少しよろめいた。
攻撃したのは3本指の太くてゴツい腕をした怪獣だった。その怪獣の両肩には筒状のキャノンがあった。そこから大量の光のミサイルを発射していたのだ。
「あいつ。」
「姫樹さん、避けてください。わたくしが狙撃しますわ。」
姫樹は小石川に言われて避けると小石川はその怪獣に向かって狙撃した。しかし、怪獣は笑いながら口を開くと一瞬で弾丸が切られた。
「な!?」
小石川は連射するが全て怪獣に当たることはなかった。そこに、飛鳥崎と橘がやって来た。
「おらぁ!」
飛鳥崎のパンチを防いだ怪獣は太い腕を振り上げて攻撃してきた。飛鳥崎はそれを避けて橘が怪獣目掛けてライフルを撃った。怪獣に当たるがあまり効果はなかったようだ。
「くは、くははは。面白い。」
「な、お前、しゃべれたのか!?」
「しゃべれないと言った覚えはない。こい、イキリ共。相手してやる。」
「てめえ。」
「待て、飛鳥崎。ここは二人で倒すぞ。」
「言われなくても分かってるよ!」
二人は怪獣に向かっていった。
翼を斬られ、倒れている友子にグランドファングが声をかけた。
「助けに来たぞ。」
「いらない。」
「そう言える雰囲気じゃないぞ。こっちにこい。勝ち戦には乗った方がいいぞ。」
グランドファングは執拗に友子を勧誘している。そこに、佐古水と山瀬が間に入ってきた。
「勝手に勝利を確信するな。」
「お前、夢宮と星雲寺を連れてた怪獣だな。」
「そうだ。グランドファングという。よろしく。」
「そうか。俺は佐古水剛介。」
「・・・山瀬頼葉だ。」
「そうか。よろしくな、佐古水、山瀬。」
佐古水と山瀬はグランドファングを警戒しながら友子に近づいた。
「星雲寺、大丈夫か?」
「どういうことだ?」
「私が分かるわけないでしょ。」
二人は友子の前に立つとそのままグランドファングに詰め寄った。
日比野は初戦ながらも怪獣を倒していた。周りを見て状況を確認していると違和感を感じた。
(あれ?)
日比野は近くにいた空咲に声をかけた。
「空咲、ついて来てくれないか?」
「え?いいけど。」
日比野は空咲と一緒に戦線を離脱して城に向かった。
オペレーションルーム
「現在、怪獣の数は約100体。A地区で全て抑え込めています。」
「う~む、何か引っ掛かる。意図的にあの場にいるようにも見える。」
「皆さん、頑張ってください。」
オペレーター達が報告する中、ラッセル議長は不審に思っていた。
そこに、一人の人物が現れた。
「それ、どういうこと!?」
「わからない。けど、数々の違和感、それにオペレーターの天谷やエメラナ以外に戦線にいなかったクラスメートがいる。」
オペレーションルームに現れたのは
「どうしたんだ・・・溝霧!」
溝霧ケイだった。
解説集
Gパワードスーツは普段は装着者の腕に付けているブレスレットに内臓され装着者がブレスレットに魔力を送ることで発動して装着することが可能。ちなみに、装着時はぴっちりとしたボディスーツ。
姫樹 舜のGパワードスーツ
名前:ナイトミスト
型式:スピード型
武装:マジックソード、ビームマシンガン、グレネード
特徴:イージスと呼ばれる翼型のブースターを使って空を自由自在に飛ぶことができる。必殺技は右手に装備した弓に風魔法の矢を装着して放つ《サイクロンアローレイ》。
小石川 恵のGパワードスーツ
名前:ダッシュイーグル
型式:狙撃型
武装:スナイパーライフル、誘導ミサイル、ビームカノン
小型ビームガン
特徴:射撃に特化したタイプ。ホバー能力が高く空中で浮遊しながらの狙撃が可能。また、翼がブレードになっており相手を切ることができる。必殺技はスナイパーライフルとビームカノンを合体させ放つ《デキサスレールガン》。
南 流衣のGパワードスーツ
名前:ムーンキャット
型式:隠密型
武装:小刀、クナイ、エナジーチェーン
特徴:南のたっての願いで忍装束と猫ミミ、しっぽという格好になった。主に隠れたり、相手の隙をついて一撃で仕留めることに特化している。また、猫ミミはセンサーにもなっており細かい音の探知も可能。必殺技はない。