表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

全裸と実体化

前回のあらすじ。ゴーストとグールがくっついた!

※レベルが1になっていたので修正。御指摘感謝です!

 暗い、何も無い空間。ただ、ゴウゴウと呪いめいた言葉だけが聞こえてくる。


 ────痛い辛い哀しい熱い寒い憎い苦しい羨ましい怨めしい忌々しい……。


 様々な負の感情が俺を襲う。それは狂気へと誘う濁流の様で、俺の精神をすり減らし、飲み込まんと迫り続ける。


 ──ぐっ……! これは……きついな。

 

 気が狂いそうになるが、その度サーヤとアリアの顔が思い浮かび、俺を正気へと引き戻す。

 

 ──気持ちは痛いくらいに良く分かるが、生憎その感情で止まる訳にはいかないんだよ!


 痛い辛いと、ただの亡者に成り下がったお前に、負けてやる気は無い!


 

 目の前に広がる闇へ腕を突っ込む。自分の事だからか、ソコにある事は自然と理解出来た。


 手のひらから返ってくる感触……グール──俺の身体にある、『核』の様なものを握り締め、全力でドレインタッチを放つ。


 剥き出しの核は脆く、吸い切ったと思ったとたん、サラサラと崩れ、手のひらから零れ落ちていくのを感じた。連動するように、ビキリビキリと、空間にヒビが入っていく。


 瞬間、ヒビ割れの向こうから爆発的な光が押し寄せる。慌てて目を閉じ顔を庇った俺だが、次に目を開けた時、そこは先程までいた洞窟の中だった。



 足元に横たわるのは、もう動く事のない俺の死体。


 ──自分で自分に言う様で変な話だが、お前の敵は必ず取るからな。



 その答えに満足したのか、それは淡く光ったと思うと俺の身体に入り、跡形もなく消えていった──。




 ◆◆◆




 自分自身を倒し……いや、吸収した俺は暫くの間その場に佇んでいた。目の前には以前俺が着ていた服と、道具類が散乱している。


 さて行くか、そう思い動こうとした時、俺の身体が仄かに光りだす。

 次にやってくるのは、先程までは無かった高揚感と自分自身の力強さ。


 これは……もしかして進化したのか?


 光はやがて弱くなっていき、そのまま消えた。


 何か変わったのか、自分自身を神眼で確認することにした。



[トーマ・アルウォール]

 種族 :レイス(偽)

 レベル : 3/20

 体力 : 280/280

 魔力 : 100/100

 スキル : 剔抉の神眼、ソウルイーター、透過、実体化(瞬)



 種族がレイスに変わっている。レイスって事は死霊じゃなくて生霊なのか? というか、偽はそのままなんだな。

 ドレインタッチはソウルイーターに変わっていた。コレは吸収した事によるものだろうか。


 しかしそんなスキルより俺が注目したもの……【実体化(瞬)】だ。コレは文字通り、実体化出来るんじゃないか!?


 期待通りであってくれと、迷わずスキルを発動させる。


 その瞬間、俺の身体は肉を取り戻し、物質化した。地に足が付く感触。肌で感じる空気。

 当たり前だった物を取り戻した感動は、筆舌に尽くし難いものがあった。


「あ、あー、あああ」


 良し、声も出せる! 


 そう思ったとたん、俺の身体は再び霊体に戻ってしまった。次いでやって来る疲労感。

 疑問に思い再びステータスを確認する。



[トーマ・アルウォール]

 種族 :レイス(偽)

 レベル : 3/20

 体力 : 280/280

 魔力 : 0/100



 ──魔力が無い。


 発動に必要な消費が大きいのか、絶えず消費していくのかは分からないが、魔力は空っぽになっていた。この疲労感は魔力切れか。


 恐らく時間にして十秒程度……それが今の俺が実体化出来る限界だった。しかしコレは大きな一歩だ。10秒とはいえ、やれる事が格段に増える。


 ひとまず魔力が回復しない事には何も出来ない俺は、壁の中に潜り回復を待つことにした──。




 あれから何度か実体化について確認し、おおよその事は把握できた。


 まず、発動自体には魔力は使わない。その代わり、一秒間に十ずつ魔力を消費するらしい。じっとしていれば少しずつ回復する魔力も、実体化している間は回復しないらしい。


 戦闘に使えない事もないが、現状ではデメリットの方が大きい。今の魔力量じゃ、街に行く事も出来やしない。


 街の事を考え始めたら、サーヤとアリアの事が不安で仕方なくなってきた。



 ──様子を見に行くか。



 幸い体力は随分と増えた。そろそろほとぼりが冷めた頃合いだろうと、俺はラビリスの街へ戻ってみる事にした。


ここまでお読みいただきありがとうございますm(_ _)m


全裸、一時的に肉体ゲット! しかし全裸!


よろしければ下の評価ボタンやブクマをポチっと押して頂けると、大変励みになります。


また、感想や指摘などありましたら感想欄よりお気軽にどうぞ! 先の展開以外については必ずお返事致します(๑•̀ㅁ•́๑)✧


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ