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確認する全裸

全裸おっさんが自分の出来る事を確認する回

 逃げて逃げて、俺は龍谷の洞窟まで逃げて来ていた。あれだけの騒ぎだ、ラビリスにはしばらく戻れないだろう。



 別れ際、アリアが言っていた助けると言う言葉。テッドの言葉と合わせて考えると、俺を助ける方法があり、その為にテッドに従っている。そんなところか。


 俺を助ける為だと、自分達の身を犠牲にしている。その事が俺の胸に大きなトゲとして突き刺さっていた。出来る事ならそんな事はしなくて良い、自分を大事にしてくれと言いに行きたい。


 たが、喋ることも出来ず、何も出来ないこの身体では、それも叶わない。


 だからといって、のんびり諦めて待つわけにもいかない。刺し違えてでも、あの二人はテッドから解放する。その為に俺は、まず自分に何が出来るのか、そこから確認を始めた──。



 俺は物質を持つことや、直接干渉する事は出来ない。しかし死霊と呼ばれる魔物は、俺達冒険者に襲いかかり、ダメージを与えてくる。つまりそれは、何らかの手段があるという事だ。


 考えろ……日本で幽霊の出来る事といえば何だった? そして、この世界の死霊がして来る事は……?


 ポルターガイスト現象、そういった手段が使えないか、手頃な小石を前に動け動けと念じてみる。



 小石はピクリとも動かない。まぁ、死霊も石とか飛ばして来なかったしな。


 じゃあ、生気を奪う様な行為はどうだ? 幸い洞窟内には魔物とも呼べない小さな生き物も多数存在する。

 目の前をチョロチョロと走るネズミを見つけ、吸い取るようなイメージで手をかざしてみる。駄目か? いや、距離の問題かもしれない。


 ネズミに触れるかどうかといった距離。そこまで近付いた時だった。


 ──おっ、何かが流れ込んで来た気がするぞ。


 見るとネズミの動きが鈍くなっている。そのまま吸い続けると、やがて動かなくなってしまった。


 ──ふむ、【ドレインタッチ】とでもいうところかな。


 ひとまず攻撃手段は見つかった。たが、いかんせん時間がかかりすぎる。これでは冒険者相手には心許ない。



 どうしたものかと考えていた俺だが、ふと神眼はどうなったのかと思い出す。あれは俺の身体に宿ったスキルなのか? それとも魂に刻まれたスキルか?


 試しに目の前のネズミに使ってみる。


[ネズミ]

 レベル : 1

 体力 : 1/5

 魔力 : 100/100

 状態 : 瀕死


 ──よし使えたぞ! というか魔力高いな、ネズミの癖に。


 どうやら神眼は問題なく使えるらしい。ならばと自分自身を見てみる。


[トーマ・アルウォール]

 種族 : レッサーゴースト(偽)

 レベル : 1/10

 体力 : 28/50

 魔力 : 29/30

 状態 : 欠損(左腕)

 スキル : 剔抉の神眼、ドレインタッチ、透過


 体力が減ってるのは片腕がないためか。魔力が減ってるのはドレインタッチを使ったからだろう。つまり俺の攻撃手段は30回という制限付きな訳だ。


 レベルが1なのは成りたてだからか。生前も対して上がらなかったとはいえ、1まで下がっているのはちょっとショックだな。

 気になるのは種族……レッサーゴーストは良いとして(偽)って何だ。魔物じゃ無いからか?



 とはいえ、神眼が使えるのは大きい。攻撃手段に回数制限がある以上、無駄撃ちは避けたいからな。

 問題なのはレベル……1/10という事は上限が10という事だ。これはここで頭打ちなのか、それとも先があるのか。


 死霊系とはあまり戦って来なかったから詳しくは分からないが、他の魔物を見た限りだと上位種といった類の魔物も目にしてきた。

 (偽)と付いているが、そこは魔物と同じく進化出来ると思いたい。


 ──あるいは1レベルごとの伸び代が凄い……いや、無いか。


 過度な期待はやめておこう。別に死霊の王に成りたい訳でもない。サーヤとアリア、二人を救いテッドに復讐出来ればそれで良い。


 ならばこの洞窟に居る魔物を倒し、まずはレベルを上げる。あまりのんびりしている時間も無いからな。


ここまでお読みいただきありがとうございますm(_ _)m

ブクマや評価、ありがとうございます!

とりあえず風呂で小躍りしておきました┏(┏ •̀ω•́)┓


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